労働災害の書類送検事例

ESH DATABANK
労働災害の書類送検事例
2012年7月~8月
ESH DATABANK
労働安全衛生法違反
送検日
送検先
対象
状況
2012/7/3
青森地検
仙台市の建設会社、共同企業体の現場代理人(4
3)、下請けの建設会社(東京都武蔵野市)、同社土
木副部長=事故で死亡(当時52歳)
蓬田村の北海道新幹線阿弥陀トンネルの工事現場
で昨年11月に発生した死傷事故で、複数の鉄パイ
プを固定せずクレーンでつり上げて作業員らを鉄パ
イプの下に立ち入らせ、安全管理を怠った疑い。
事故は、クレーンでつり上げていた鉄パイプ約20
本が落下。下敷きとなった土木副部長の男性が胸
を強く打って死亡し、別の男性作業員(当時33歳)
も鎖骨を折る重傷を負った。
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業務上過失致死傷
送検日
送検先
対象
状況
2012/7/4
神戸地検
当時現場責任者だった男性会社員(41)
09年12月に金属素材メーカー「三徳」(本社・神戸
市東灘区)の明石工場で清掃作業中に4人が死傷
した爆発事故で、男性は従業員に静電気の帯電を
防ぐ作業服や靴を着用させず、防爆構造でない電
気掃除機のタンクに水を入れて作業させて爆発を
引き起こし、従業員4人を死傷させた疑い。
4人は溶解炉のメンテナンス作業中で、2人が死亡、
2人がやけどなどの重傷を負った。爆発は掃除機
や作業服に発生した静電気が炉内の水素や粉じん
に着火して起きたという。
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労働安全衛生法違反(有害物の譲渡禁止)
送検日
送検先
対象
状況
2012/7/6
大津地検
彦根市のバルブ製造販売会社と代表取締役(53)
製造や輸入、販売などが禁止されている石綿(アス
ベスト)を含むガスケット(配管など接合面の液体漏
れ止め部品)を組み込んだ船舶用バルブ16台を中
国から輸入し、昨年8月10日に長崎県内の船舶会
社に販売した疑い。石綿含有は「製品重量の0.1%
以内」と規制(今年3月から全面禁止)されていたが、
労基署が2台を調べた結果、石綿含有は6%以上
だったという。16台は同社が回収した。
同社は中国側に石綿を含まない製品の輸入を口頭
で伝えていたが、確認していなかった。昨年8月1日
には別の造船会社から石綿含有の指摘を受けたが、
その10日後に16台を販売していたという。
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業務上過失致死
送検日
送検先
対象
状況
2012/7/30
津地検
建設資材製造販売業(三重県伊勢市)の工場長(3
9)
4月4日、適切な安全指導や作業上の注意をせず
に、下請け会社から出向中だった同県松阪市の作
業員(25)を土砂崩落の可能性がある場所で作業
させ、死亡させた疑い。
作業員は、土砂を選別するじょうご型の機械を下か
らのぞき込むようにして機械につまった土砂を取り
除いていたが、一気に落ちてきた土砂に埋まり、圧
迫による窒息で死亡した。
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労災隠し
送検日
送検先
対象
状況
2012/8/1
鹿児島地検
2次下請けの土木会社(南さつま市)と同社社長(3
8)、1次下請けの工事部長(54)
昨年8月2日、指宿市内の国道側溝整備工事現場
で、土木会社の作業員(当時28歳)が側溝に転落
し負傷したにもかかわらず、同社の社長と1次下請
けの工事部長が共謀し、別の民間建築現場で負傷
したと偽って労基署に報告した疑い。
「国道側溝工事の元請け業者に迷惑をかけたくな
かった」と話しているという。
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労働安全衛生法違反容疑(無資格運転など)
送検日
送検先
対象
状況
2012/8/3
奈良地検
天理市遠田町の運送会社と代表取締役(64)
同社敷地内で先月6日、資格のない男性社員(52)
にフォークリフトを運転させ、法令で定める作業計
画も作っていなかった疑い。
男性社員はトラックから荷を下ろす作業のため
フォークリフトを運転していたが、作業台(高さ約1.
3メートル)から転落し、死亡した。
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労働安全衛生法違反容疑
送検日
送検先
対象
状況
2012/8/13
松山地検
解体業者(今治市)と同社社長(51)
造船会社(今治市)と同社工場長(56)
5月18日、同市伯方町の造船会社構内で、下請け
会社の男性作業員に高さ10メートルの足場で安全
帯なしに解体作業をさせ、転落した男性に頭の骨を
折る重傷を負わせた疑い。
また、同じ工場内で起きたクレーン事故について、
同日、同社と同社工場長(56)を同容疑で書類送
検した。送致容疑は同24日正午ごろ、同社社員が
必要な安全教育を受けずに門型クレーンを操作し、
クレーン脚部を下請け会社の男性作業員に接触さ
せてろっ骨骨折の重傷を負わせた疑い。