ESH DATABANK ベストプラクティスに学ぶ OHSマネジメントシステム ESH DATABANK はじめに このケーススタディは、実際にあった事故とそ の後の対応のベストプラクティス(好事例)を お伝えするものです。 ESH DATABANK A社の薬傷事故 フッ酸を20リットル容器から洗浄槽に補充作業 中に誤って飛散させ、身体に浴びてしまった。 フッ酸(フッ化水素酸)とは極めて腐食性の高い酸 「毒物」「特定化学物質」に該当 ガラスをも溶かすフッ酸は皮膚に付着すると内部 に浸透し、骨まで侵食する もしノーガードだったら大変な薬傷事故に ESH DATABANK A社の対応:保護具 作業者は定められた保護具を着用していた フェースシールド 耐酸手袋 耐酸エプロン 耐酸長靴 浴びる量は最小限で済んだ ESH DATABANK A社の対応:緊急シャワー 直ちに近くに設置された緊急シャワーで15分 以上、流水洗浄した ANSI仕様のシャワー・洗眼器 毎月点検・記録 ハサミまで常備(衣類切断用) 十分に洗い流すことができた ESH DATABANK 緊急シャワー・洗眼器について 日本には規格なし 米国ではANSI(米国規格協会)規格 危険箇所から10秒以内にアクセス可能 1分間に75リットル以上の水を供給 洗眼器は11リットル以上 ハンズフリーで開いたままになるバルブ 最低週1回はシャワーを作動 設置基準適合を年1回点検 ダイトー社HPより引用 ESH DATABANK A社の対応:薬剤 グルコン酸カルシウムを備え付け フッ酸をカルシウムで中和し皮膚への浸透を防止 塗付のマニュアルも完備 シャワーを浴びている間に上司が診療室の産 業医に電話し、水洗後に塗布する指示を得て 塗付 皮膚への浸透を防止することができた ESH DATABANK A社の対応:MSDS 作業場にはフッ酸のMSDSが備えられていた 労働安全衛生法第101条 各作業場の見やすい場所に常時掲示し、又は備 え付けること・・・、当該物を取り扱う労働者に周 知させなければならない。 産業医にMSDS情報を通知することができた ESH DATABANK A社の対応:受診 産業医(社内診療室)の診察を受診 事前に準備された「医療機関リスト」から外部 の医療機関に受診 医師の診療を受けることができた ESH DATABANK A社の対応:再発防止 事故調査委員会による災害原因調査 設備上の問題 作業上の問題 事故後の対応の良否検討 安全衛生委員会による再発防止策検討 洗浄槽のカバーの改善 耐酸手袋の長腕化 リスクアセスメントで有効性を検証後に改善 ESH DATABANK 教訓 OHSMSが有効に機能し、労働災害を最小限 に抑えることができた リスクアセスメント(危険源の認識 → 保護具、緊 急シャワー) 運用管理(手順書、MSDS) 緊急事態の準備及び対応(グルコン酸の常備、被 災時の対応手順、医療機関リスト) 事故後の調査、再発防止
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