ESH DATABANK WEEE指令・RoHS指令 ESH DATABANK WEEE指令・RoHS指令の発効 EUは長年にわたる協議の末、「電気・電子機 器廃棄物指令(WEEE)」ならびに「電気・電子 機器における特定有害物質の使用制限指令 (RoHS)」を採択した。電気・電子製品の廃棄 物の廃棄方法改善等を通じた環境保護をそ の目的とするこの2つの指令は、2003年2月 13日付けの欧州共同体官報に掲載され、発 効した。 ESH DATABANK WEEEとは 電気・電子機器廃棄物指令 Directive on Waste Electric and Electronic Equipment →WEEE指令 ESH DATABANK 基本理念 WEEE指令の基本理念は、電気電子機器製 造者の廃棄物に関連した製造物責任を強化 することである。 ESH DATABANK 電気・電子機器廃棄物の収集と回収 加盟国は2005年までに、あらゆる電気・電子 製品の回収と収集のためのシステムを導入し なければならない。電気・電子製品を、市町村 の無選別廃棄物として捨てられてはならず、 選別収集されなければならない。回収率達成 の義務は、遅くとも2006年末までには、住民 一人当たりの年間収集量を4kgとすることが 定められている。 ESH DATABANK 再生・再利用・リサイクルの達成目標 種別 再生 再利用・リサイクル 大型家庭用電気器具 および自動販売機 80% 75% ITおよび民生用機器 75% 65% その他 70% 50% 医療用具 数値目標なし (2008年12月31日 までに設定) 数値目標なし (2008年12月31日 までに設定) ESH DATABANK 費用負担 個人の家庭から出る電気機器廃棄物のコスト負担方法は、 消費者 →廃棄物を無料で返還することができる。 メーカー →廃棄物の収集や廃棄にかかる費用を負 担する。また、消費者が製品を購入する 際に、製品の廃棄費用をメーカー各自が 負担することを保証する。指令発効前に 市場に投入された製品(「旧製品」)につ いても、製造者は負担分担システムに基 づき、リサイクル費用を負担しなければ ならない。 ESH DATABANK 製品のラベル表示 電気・電子製品のメーカーに対しては、社名と 製造年月日とが容易に識別できるようにラベ ルに表示しなければならない。こうした製品が 家庭ごみとは別途収集・廃棄されるものであ ることもラベルに明示する。 ESH DATABANK 設計・デザイン 製造時点で製品の解体や回収を容易にする ような配慮がされなければならず、また製品の 再利用を阻むような技術、デザインは避けな ければならない。 ESH DATABANK RoHS 電気・電子機器における特定有害物質の使用 制限指令 The Restriction of Hazardous Substances Directive →RoHS指令 ESH DATABANK 基本理念 RoHS指令の基本概念は、電気機器の新製品への 鉛、水銀、カドミウム、六価クロムの重金属と、ポリ臭 化ビフェニール(PBB)、ポリ臭化ジフェニールエーテ ル(PBDE)の使用を2006年7月1日までに原則と して非含有とすることを目的とされている。但し、規制 濃度は明確にされていない。欧州委員会は、新たに 検証された科学的、技術的事実を必要に応じて考慮 の対象とし、2005年2月13日までに見直すとしてい る。 ESH DATABANK 指令適用製品 1. 大型家庭用電気器具(冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、 エアコン等) 2. 小型家庭用電気器具(電気掃除機、アイロン、ヘアド ライヤー、トースター、時計等) 3. ITおよび通信機器(パソコン、プリンター、コピー機、 電話機等) 4. 民生用機器(例、ラジオ、テレビ、Hifi機器、楽器等) 5. 照明器具(例、蛍光灯、ナトリウムスチーム電球;低 エネルギー電球と通常の電球は除く) ESH DATABANK 指令適用製品 6. 電気・電子工具(例、電気ドリル、旋盤、フライス盤、 研磨盤、芝刈機等) 7. 玩具、レジャー用機器(例、ビデオゲーム機、スロット マシン等) 8. 医療用具(例、透析装置、放射線療法機器、心電図 測定器、人工呼吸器等;感染およびインプラント除く) 9. 監視・制御装置(例、火災探知機、サーモスタット、工 場設置の監視測定機器等) 10.自動販売機 ESH DATABANK なぜ日本でEUの指令が話題になるのか 日本の家電や電子機器は輸出する比率が高 く、多くの企業ではグリーン調達基準として、 欧米諸国の基準を採用している。したがって、 家電や電子機器製造メーカーに関連する取引 先企業では、納入先のグリーン調達基準が法 規制同様の扱いとなり、その基になった欧米 諸国の環境基準が事実上のデファクトスタン ダード化するからである。 ESH DATABANK グリーン調達の困難さ 多くの組織では、取引先に有害物質の含有の 調査を指示している。 指示を受けた組織では、部品についてまで有害 物質の含有の有無を把握しておらず、当該組織 の取引先に調査を指示する。 これが繰り返されるが、ねじ1本、ばね1個に至 るまでを調査することは、大変難しいのが現状 である。 ESH DATABANK 国内の対応 電気・電子機器に含有する化学物質を規制するEUの RoHS指令に対応するため、産業構造審議会の環境 部会は12月にも、日本版RoHS検討会を設置する。 消費者が商品の環境配慮の度合いを比較検討できる よう、電気・電子機器製品に鉛やカドミウムなど有害 化学物質含有の表示を義務付ける方針。具体的には 資源有効利用促進法に「不適合の表示義務」を盛り込 む考え。 これを受け、経済産業省は来年にも政省令を定め、 EUと同様に2006年7月の施行を目指す。 ESH DATABANK 組織の対応 WEEE、RoHS、日本版RoHSなど、規制の強 化の流れは止められない。 是非の問題ではなく、組織のマネジメントシステ ムに廃棄物対策、環境配慮設計、有害物質管 理を織り込み、マネジメントを強化することが不 可欠である。
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