第19回日本歯科医療福祉学会学術大会・教育講座 医療関係者が知っておきたい、 福祉の知識と考え方 中部学院大学人間福祉学部 (一般社団法人岐阜県社会福祉士会) 宮 嶋 淳 Children at risk Child at risk in Japan 日本の15.7% 18歳未満の子どもの貧 困率=14.2% 経済協力開発機構(OEC D)加盟国中=4番目 process of poverty 人間性の喪失 発達の貧困 貧困の文化 ① 自己肯定感の低下 ② 行動の暴力的傾向・無謀化 ③ 希望の喪失 ① 暴力の文化 ② あきらめの文化 ③ 個の否定としての ジェンダーの文化 経済的貧困 ① 必需品の不足 ② 教育費の欠乏 ③ 経験の貧困 人生の喪失 Structure of child's poverty 至 高 経 験 自己実現 他者から認められる (尊 敬) 仲間に受け入れられる (いじめ・無視がない) 虐待による死 安全・安心に生活できる (戦争・暴力がない) いのち・健康権の侵害 教育権の剥奪・侵害 生命維持(水・空気・食べ物) 虐待・DVなど暴力の文化の中 での暮らし 親・家族の子供への無関心 と乏しい人間関係 衣食住の不安定な生活環境 Family at risk 私はどこから来たの? 読売新聞 2012年 5月 18日 Declaration of Child's Human Rights 秘密主義を医師たちが取り入れた理由は,AIDを利用した カップルが感じるだろう「恥辱」という不名誉を夫婦が受けな いようにするためである. 多くのDI offspringは事実を知りたがっている.長く事実を隠 そうとすればするほど,子どもはより傷ついていく.母の告知 で,[不安と憤り]を覚えた.両親に騙されたと感じた.今まで の父親との関係の悪さを納得した.父親を失った.3年後,母 を亡くしてから自分の存在に不安を感じ,出自を隠されてい たことに[怒り]を感じるようになった. 今の私にたどり着くのに,他の当事者との出会いは大きいも のであった.「もっと早くに告知して欲しかった」「提供者を知 りたい」という共通の思いを抱いていることを知って安心でき た.AIDで生まれたことを隠すべきではない.もっと早くに知り たかったと思っている. 大人になって,結婚も出産も終えてしまってからの告知は遅すぎる. 自分の土台となるルーツが嘘であったことで,その上に積み重ねた自分 が崩れてしまったような感覚.自分を再構築しなければいけなくなった. 私たちは ①当事者の心からの正直な訴えに耳を傾けてください. ②当事者の物語は[悲しみ・怒り・悲痛]にあふれている. ③変化に向かった前向きな希望にも満ち溢れている. ④私たちの尊厳や生まれながらの権利を,社会は尊重してほしい. ①社会や国の理解が低いので,政府を頼るよりは,まず自分たち自身が 子どものケアの仕組みを作らねばならない, ②匿名のドナーから生まれた子どものケアのための情報を共有し,より 信頼できる親子関係を構築することをめざし, ③親からの積極的な告知を求め, ④出自を知る権利を認める社会のルール作り ⑤不妊カップルと提供者と生まれた人,それぞれを支えるしくみを Child Well-being Family Well-being Network of medical staff and social worker 児童虐待の防止等に関する法律 社会福祉士及び介護福祉士法 医療法 家事事件手続法 What is Social worker? 社会福祉専門職≒社会福祉士・精神保健福祉士 両福祉士=日本の資格を有するソーシャルワーカー ソーシャルワーカー=ソーシャルワークを業とする専門職 ソーシャルワーク≒ 「人-環境」の接点に介入し、両者が 社会的に機能することをサポートする 社会的に機能する≒ 豊かな人間関係の中で社会生活を営むこと ≒人権が擁護されている状態 社会生活を営む≒ 社会正義が保持された社会での営み・くらし What is Social work ? ソーシャルワーカーは、人間の福利(ウエルビーン グ)の増進を目指して、社会の変革を進め、人間 関係における問題解決を図り、人びとのエンパ ワーメントと解放を促していく。 ソーシャルワークは、人間の行動と社会システム に関する理論を利用して、人びとがその環境と相 互に影響し合う接点に介入する。 人権と社会正義の原理は、ソーシャルワークの拠 り所とする基盤である。 Competency of Social worker 社会人基礎力 ボランタリズム インターベンション 主体性 計画力 ACTION 実行力 (行動力) アウトリーチ 働きかけ力 プレゼンテーション 発信力 チーム・アプローチ 柔軟性 アセスメント 状況把握力 THINKIN G 課題発見力 (考動力) 創造力 TEAM WORK (協力・協働力) プランニング ニーズ・キャッチ ネットワーキング 傾聴力 コミュニケーション 規律性 プロフェッション・エシックス ストレウスコント ロール力 スーパービジョン 福祉士の力量の共通基礎 Approach of Social worker クライエント中心 行動理論 認知理論 危機介入 問題解決 課題中心 ストレングス エンパワメント ナラティブ エコロジカル システム理論 What is Narrative Approach ? 社会構造主義の考え方を応用 「意味をつくりだす主体 」は利用者自身である 利用者が語る内容にこそ、利用者の本当の姿があると確 信する 「物語(ナラティブ)としての自己」を尊重する 利用者の問題の本質はワーカーが決めるのではなく、利用 者本人が決めるものである 利用者の自己決定のための手段として、利用者本人が語 るストーリーを理解することを重視する Feature of Narrative Approach ジェンダー、文化、社会・経済的文脈による利用者の世界観 を形成するあり方に耳を傾ける。 「人間は複雑で多面的であるという確信。 利用者が自らの人生を構成するストーリーを理解することで あり、そのストーリーを外在化、変化させる。 利用者とワーカーとの共同作業で、袋小路から脱出し、選択 肢や方法を見つけ出すことができる。 問題に焦点をあてているときには無視してしまっていた、利 用者がすでに所有し、使っている「強さ」を利用者が認識し、 動員することを助ける。 ‘Seven Competency’ of SWr 捉える力: “何かがある”という意識と視点 気づく力: “360度の視界”と“感度の高いアンテナ” 考える力: 問題の本質を掘り下げる 整理する力: “様々な引き出し” まとめる力: 様々な意見や考えから“合意”を得る 伝える力: 他者に大切なことを伝える・知らせる・納得させる ふり返る力: 全体をふり返り、反省し、評価し、点検する
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