今明かされる村中システムの全 て・・・ 第135回ランチョンセミナー 2004年10月27日(水) M1 高橋 充 っていうか,村中さんって誰ですか? 鈴木研D3の村中陽子さんに決まってるじゃ ないですか~ 家族:夫1人,息子2人,犬2匹 出身は大分県 鈴木研のお母さん的な存在 東海大学健康科学部看護学科の講師です ※村中さんのホームページより抜粋 第135回ランチョンセミナー 2 その村中さんって,何を研究してるの? 看護教育の中で対人コミュニケーション・ス キルの向上を目的とした,CAI教材の開発 を行っている。 そのCAI教材の設計をするにあたり,エゴ グラムと呼ばれる自己分析法を活用した。 第135回ランチョンセミナー 3 そもそも,なぜ今回村中さんの研究紹介し てるんですか? 村中さんから,システム開発の委託の話が あり,なかば強制的な教授のご指名によ り,僕がシステム開発をする事になりまし た。 いちお,M3の岡本さんと共同開発という話 でしたが,気づいたら僕一人でやってまし た。。。 第135回ランチョンセミナー 4 冗談はこれくらいにして,ちょっとまじめな話に移りま す。。。 第135回ランチョンセミナー 5 村中さんの研究の動機 看護教育の中で対人コミュニケーション・スキルは・・・ ①常に教育上の課題として取り上げられている。 ②教育方法上,スタンダードなツ-ルをもたない。 ③その評価は,評価者個々の主観的な要素が強い。 習得すべき基礎的能力と言われているが, 何がどこまでできれば良しとされるのかが不明瞭である。 学生にとって,達成感が得難い学習課題である。 第135回ランチョンセミナー 6 卒業時 対人関係プロセスのダイナミクスを理解 実 習 3年終了時 で の ト レ ー ニ 2年終了時 ン グ 対人コミュニケーションの柔軟性の獲得 直接的個人指導 (制約あり) ロールプレイ(SP) エンカウンターのプロセスを理解 意味・情報の伝達のためのスキルの理解 シミュレーション型 CAI教材 Web教材 (制約なし) 演 習 で の ト レ ー ニ ン グ 伝達のための態度の理解 1年終了時 自己のコミュニケーション傾向の認識 ・ コミュニケーション理論の学習 入学時 対人コミュニケーション・スキルの包括的教育デザイン 第135回ランチョンセミナー 7 教材開発の意図 看護基礎教育課程においては、コミュニケ-ション教育に、その 重要性に見合うだけの時間を費やすことは困難である。そこで, コミュニケーションの「量」と「質」、「効率」と「効果」のあらゆる要 素を含んだ教育方法が開発されるべきである。 CAI教材により,場や時間に制約されない個別学習を提供 でき、かつ即時のフィードバックを与えることができる。 第135回ランチョンセミナー 8 コミュニケーションの客観的指標 エゴグラム 「エゴグラムとは、それぞれのパーソナリティ(CP, NP, A, FC, AC)の 各部分同士の関係と、外部に放出している心的エネルギーの量をグラ フで示したものである。」(Dusay, J. M.) エゴグラムは交流分析理論を基礎とし、性格・行動パターンを捉えるの に優れ、よりよい対人関係を構築するための有用性も認められている。 エゴグラムの活用によって、対人関係に関連する自己のパーソナリティ とその変容や成長を知ることができる。 日本では10数種類のエゴグラムが開発されている。 東大式エゴグラム(TEG)は科学的手順によって作成され、医療や教 育・産業分野で広く利用されている。いかに少ない質問項目で精度をあ げるかが検討されてきており、かつ実用的であるという利点をもつ。 第135回ランチョンセミナー 9 エゴグラムの基本的な解釈(1/2) 5つの機能的な自我状態を分析していく CP(Critical Parent) ・・・「批判的親」の心(価値付ける私) NP(Nurturing Parent) ・「養育的親」の心(思いやる私) A(Adult)・・・・・・・・・・・・・「大人」の心(考える私) FC(Free Child)・・・・・・・「自由な子供」の心(ありのままの私) AC(Adapted Child) ・・・「順応した子供」の心(合わせる私) 5つの機能(5尺度)は肯定的にも否定的にも使われる(長所 にも短所にもなる)ので、良い・悪いという見方はしない。 不足と過剰に注目し、その部分を上げる努力や、コントロール する努力を示唆することができる。 第135回ランチョンセミナー 10 エゴグラムの基本的な解釈(2/2) 専門職としての対人援助に影響を与える自我状態では、やさし つまり,村中システムにおけるエゴグラムの さや思いやりのこころを示す「NP」と問題解決を図る合理的なこ ころを示す「A」の要素は不可欠であり、この2つの機能が他の 活用は,A・NP・CPの3つの尺度だけを利用 3つの機能よりも同程度に高いタイプが望ましい。 します。 →状況により「NP」と「A」の心をコントロールして使うこと が求められている。 システム利用者は,自分がA優位,NP優 位,CP優位なのかを理解し,システムによっ 専門職としての対人援助に影響を与える自我状態では、CPの てコミュニケーション能力を向上する事が可 過剰は軋轢を招きやすい。つまり、厳しさのこころが過剰である とコミュニケーションを阻む対応パターン(操作的・支配的)にな 能です。 りやすいため、CP優位タイプではCPを低くしてNPおよびAを高 める努力を要する。 第135回ランチョンセミナー 11 開発した村中システムの概要(1/2) システムを利用する人は,看護士の立場か ら,対応が難しいとされる患者と対話を進め ていく。 患者の発言や行動に対し,適切で思われる 対応を3択の中から選択していく。 第135回ランチョンセミナー 12 START 今回開発した部分 診断 20事例 END 矯正 コミュニケーションが 困難な,選りすぐりの 患者の事例 村中システムの構成図 第135回ランチョンセミナー 13 開発した村中システムの概要(2/2) その3つの選択肢にはそれぞれ,A,NP,CPが1 つずつ割り当てられている。 さらに,AとNPにはそれぞれ,場面における応答 の「良い(○)」と「どちらでもない(△)」の2つが存 在する。 数回(6~12回)の応答を選択していき,AやNP, CPを選択した回数より変化する,最後の画面 (フィードバック画面)が表示される。 フィードバック画面は全部で5つある。 第135回ランチョンセミナー 14 では実際のシステムをご覧ください。 第135回ランチョンセミナー 15 今後の展開 最後のフィードバックを元に,矯正プログラムへと移 るので,その矯正プログラムの開発をする。 矯正プログラムでは,システム利用者にもう一度同 じ事例を提示し,自分の選択した応答を振り返る。 自分が選んだ答えがA・NP・CPのどれだったかを自 己評価してもらう。 自己評価の判断と本来の判断が違っていた場合 (本当はCPなのに,Aだと思っていた)は,システム 側からアドバイスが提示される。 第135回ランチョンセミナー 16 システム開発に関してちょっと一言・・・ システムの構成やアルゴリズムなどは,電 車の中で考えてました。 思ったよりアルバイト代がもらえました! 第135回ランチョンセミナー 17 まとめ プログラミングができると,こういうアルバイ トもできます スキルアップにもなります 受託開発の大変さが分かります(ニーズに 応えるシステム開発) 第135回ランチョンセミナー 18
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