電気基礎 - 教育情報共有システム

電気基礎
交流回路における静電容量だけの回路
教科書239~240ページ
前回の授業の復習
1.インダクタンスだけの交流回路における働き
インダクタンスは交流電流の流れを
妨げる働きをする。
2.インダクタンスだけの交流回路における電圧
と電流の位相差
電圧より90°だけ位相が遅れた電流が流れる。
3.誘導性リアクタンス と電流を求める式
V
V
XL= ωL =2πf L[Ω] I 

X L 2πfL
[A ]
4.誘導性リアクタンス と電流の周波数による変化
誘導リアクタンスは周波数に比例する。
電流は周波数に反比例する。
今回の授業の目標
1.交流回路におけるコンデンサの働きを理
解する。
2.静電容量だけの交流回路における電圧と電
流の波形を描くことができる。
3.交流波形よりベクトル図を描くことができる。
1.直流電圧を加えたときのコンデンサ
V:(電圧 )
単位は( [V] ボルト )
V
C
Q
C:(静電容量 )
単位は( [F] ファラド )
Q:( 電気量 )
単位は( [C] クーロン )
図1 直流におけるコンデンサ
Q=(
C
)×(
V
)[
C
]
直流電圧を加えたとき電荷の移動は瞬時に終わる
ので、電流はその瞬間だけ流れる。
電流を求める式
Δ t [s] 間 に 通 過 す る
電気量Δq
1秒間に変化する電荷の割合が電流である
q
i
[A ]
t
2.交流電圧を加えたときのコンデンサ
図2の回路に流れる電流を求める式
cv
 t 



v

[A ]
 t 
q
i

t

図2 負荷が静電容量だけの回路
c
2.交流電圧を加えたときのコンデンサ
v
ic
[A ] v  Vm sin t[V]
t
波形を考えてみると
+
++ ++
----
-
増加
2.交流電圧を加えたときのコンデンサ
v
ic
[A ] v  Vm sin t[V]
t
波形を考えてみると
+
++ ++
----
-
減少
2.交流電圧を加えたときのコンデンサ
v
ic
[A]
t
v  Vm sin t[V]
波形を考えてみると
-
-- --
++++
+
増加
2.交流電圧を加えたときのコンデンサ
v
ic
[A ] v  Vm sin t[V]
t
波形を考えてみると
-
-- --
++++
+
減少
電荷はコンデンサと電源の間をたえず往復し、
交流電流となる。
3.静電容量だけの交流回路における
電圧と電流の交流波形
120°
90°
v[v ]
60°
30°
150°
ωt[rad]
0°
180°
360°
210°
0
330°
240°
120°

6

3

2
2

3
5

6

7
 4  3  5  11  2
6
3 2
3 6
300°
270°
90°
i[A ]
60°
30°
150°
ωt[rad]
0°
180°
360°
210°
330°
240°
300°
270°
0

6

3

2
2

3
5

6

7
3
4
  
2
6
3
5 11 2


6
3
3.静電容量だけの交流回路における
電圧と電流のベクトル図
問1.比較のために、電圧と電流の交流波形を
描き、0[rad]における回転ベクトルを示せ。
120°
90°
60°
150°
30°
ωt[rad]
0°
180°
360°0
330°
210°
300°
240°
270°

6

3

2
2

3
5

6

7
3
4
  
2
6
3
5 11 2


6
3
3.静電容量だけの交流回路における
電圧と電流のベクトル図
問1.比較のために、電圧と電流の交流波形を
描き、0[rad]における回転ベクトルを示せ。

Im
120°
90°
60°
150°

2
180°
30°

Vm
360°0
330°
210°
300°
240°
270°
ωt[rad]
0°

6

3

2
2

3
5

6

7
3
4
  
2
6
3
5 11 2


6
3
4.静電容量だけの交流回路における電圧と
電流のベクトル図

問2. 問1をベクトル図で示せ。
I
I
Vm
V
2

2

V
V
I 
I
m
2
5.電圧と電流の瞬時値
電圧と電流の瞬時値を実効値で表すと、
v  ( Vm ) sin t[V]
 2V sin t[V]
i  ( I m ) sin(t 
 2 I sin( t 

2

2
)[A]
)[ A]
今回の授業のまとめ
1.交流回路におけるコンデンサの働きを理
解する。
電荷はコンデンサと電源の間をたえず往復し、
交流電流となり、電圧に比べ電流の位相は90°
進む。
2.静電容量だけの交流回路における電圧と
電流の波形を描くことができる。
3.交流波形よりベクトル図を描くことができる。
次回の授業の予告
1.容量性リアクタンスと電流を求める式
を学習し、計算ができるようになる。
2.容量性リアクタンスと電流の周波数による
変化を理解する。