固体電子物性特論

固体電子物性特論
第2回
石橋隆幸
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http://mst.nagaokaut.ac.jp/~t_bashi/
ISHIBASHI_LAB/ppt2009.html
逆格子と回折
• X線回折や電子線回折の測定は、逆格子
点を計測している。
逆格子とは
実格子をフーリエ変換したもの
逆格子ベクトルで表現される
長さは実格子の逆数
回折の条件
任意の波
exp ik  r
の位相が k  r だけずれると
expik  k r

QuickTimeý Dz
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  expik  r  expik  r
ここで、k  g とすると

位相差
k  k r  k  r
expik  k r  expik  r

元の波と同じ位相!!
強め合う。(回折条件)
回折の条件
逆格子空間に置ける回折条件
k  g
k
k  k g
弾性散乱であるとき k  k なので、



2
2

k

g

k

k
 
2
2g  k  g


k 
g
2
2n
2
,k
ここで、 g 
から
d



2dsin  n
が求まる。
Ewald による考察
回折
100keVの電子線
  0.37nm
k
逆格子は格子定数 (数nm)
の逆数
k’
試料 2 k

Ewald球は逆格子間隔より
十分大きい
Ewald球
半径は
2

回折が起きる条件
XRD (-2) の場合
scan
k’
2
k
原点
Ewald球
新物質MnGeP2の作製
c
a
Mn
Ge
P
K. Minami et al., JJAP 44 (2005) L265.
透過型電子顕微鏡
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http://www.jeol.co.jp/science/em/denshisen.html
特長
回折パターン
原子像
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反射高エネルギー電子線回折
RHEED
電子線
試料表面に対して数度の入射角
特長
結晶構造
表面平坦性
表面10nm程度の情報
結晶成長中の観察
反射高エネルギー電子線回折
RHEED
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http://www.surf.nuqe.nagoya-u.ac.jp/ichimiya/gallery/RHEED_Si7x7.html
反射高エネルギー電子線回折
RHEED
回折
QuickTimeý Dz
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k
k’
試料 2 k
Ewald球
逆格子ロッド
点はEwald球と逆格子ロッドが
ぶつかったところ
表面の逆格子
表面
バルク結晶の実格子
バルク結晶の逆格子
表面の原子間隔が大
きくなると
逆格子はロッド状になる
反射高エネルギー電子線回折
RHEED
リング状にスポッ
トが並ぶ
原子レベルで平
坦
平坦
表面に凹凸がある
まとめ
• 原子の結合と結晶構造
• 逆格子
周期性持つ結晶はフーリエ空間で取
り扱うことができる。
• 逆格子ベクトル
逆格子は、逆格子ベクトルによって表
現される
• 逆格子と回折
X線回折、電子線回折などの回折現
象は逆格子点を計測している。
ブリルアンゾーン
逆格子ベクトルで表現した回折条件
2g  k  g2
両辺を4で割ると


k
2


g
g
 k   
2 
2
2

g
g
g 
 k  k cos   
2 
2
2

g
k
cos


より
である必要がある。
2

波数ベクトル k
が逆格子ベクトルの2等分面上にある

g
ブリルアンゾーン
2g  k  g2
の条件を満たす面で囲まれた領域を
ブリルアンゾーンと呼ぶ。

特に最小のものを
第一ブリルアンゾーンと呼ぶ。
格子振動とフォノン
固体では、原子同士が化学結合で結びついている。一つ
の原子を振動させると固体全体に振動は伝わる。
結晶の場合はある波数をもった波として伝わる。
このような振動を格子振動とよぶ
格子振動とフォノン
古典論で格子振動を表してみる。
質量Mの原子をバネ定数Cの化学結合でつな
がっているとする。
力学の運動方程式の問題
演習問題
原子変位uについての運動方程式を立て、その固有値が
  2C M sinqa 2
12
で表されることを示せ。

(1.7)
演習問題のヒント
s番目の原子について運動方程式を立てる。
us-1
us
us+1
C
s-1
s
x
s+1
a
(us-1-us)だけ縮んだ
右方向へ C(us-1-us) の力
(us+1-us)だけ伸びた
右方向へ C(us+1-us) の力
d 2 us
M 2  Cus1  us   C us1  us 
dt
解を us  uq 0 expit  qx と仮定し代入

固有振動数
q  2  波数
格子振動とフォノン
演習問題の答え
12
  2C / M sinqa 2

格子振動とフォノン
演習問題の答え
12
  2C / M sinqa 2

波が伝わる速度(群速度)は
d
12
vg 
dq
 C / M   a  cos qa 2
vg  C / M  a
12

逆格子ベクトルの半分の
周期で繰り返す
第一ブリルアンゾーン
qが小さい時
波は音波として伝わる
 a*
vg  0
qが  の時
a 2
波は定在波となる
2種類の原子がある場合
   C1/ M1  1/ M 2 

 1/ M1  1/ M 2   4 sin qa 2 M1 M 2
2
光学分枝

音響分枝
2

12



音響分枝と光学分枝
光学的モード
音響的モード
3次元の場合
基本格子にN個の原子を含む場合、
分枝の数は3N本
音響分枝 3本
光学分枝 3(N−1)本
フォノン
格子振動のエネルギーは量子化されている
光子(フォトン)と類似
波である
粒子である(ボーズ粒子)
フォノン
n個のフォノンが励起されたときのエネルギーは
E n  n 1 2 
E0  1 2 
零点振動によるエネルギー
不確定性原理による
フォノン
温度T、振動数におけるフォノンの平均粒子数
N
1
  
exp  1
kT 

キッテル、固体物理より
格子比熱
U
Cv
T
定積比熱
 9Nk(T / D )
3

xD
0
dx  x e /(e 1)
4 x
x
 D   D /k
D デバイ温度
 D デバイ振動数


格子振動の振動数の上限


例えば、結合が強く原子が軽いとデバイ温度は高くなる
ー>比熱は小さくなる
2
エネルギーバンド
ブロッホ関数
エネルギーバンド