マクロ経済学 II

マクロ経済学 II
第9章
久松佳彰
財政・金融政策のメカニズム
IS-LM分析
• マクロ経済の短期的な動きが、財・サービス
の市場と、金融市場の相互連関のなかで決
まる。
• 二つの市場の相互関係の理解が必要。
• 鍵となる変数は金利(利子率)です。
• 財政政策のクラウディング・アウト効果も学ぶ。
資産市場と財市場の接点:利子率と
GDP
• 資産・貨幣市場
– 利子率が高くなると、貨幣保有から別の金融資
産保有へのシフト
– GDPが大きくなれば、貨幣需要も増大
• 財・サービス市場
– GDPと消費や輸入は強い関係を持つ
– 利子率は投資額の重要な決定要因
• 利子率は資金を調達するコストである。
• 図9-1,9-2
金融政策と有効需要
• 金融政策
– 金融緩和の本質は、利子率を下げて、投資を刺
激するところにある。
買いオペ
法定預金
準備率の
引き下げ
A
貨幣量
増大
B
利子率
下落
C
投資
増大
D
生産・所得
増加
乗数プロセス
図9-4 貨幣供給量の増加と利子率
1
r
Ms
Md
Ms’
Ms
2
Ms’
r
Md
r1
r2
r3
M
M
財政政策とクラウディング・アウト効果
図9-5
A
財政支出
増大
B
GDP
増大
貨幣需要
増大
C
D
利子率
上昇
投資
減少
E
乗数プロセス
GDP
減少
乗数プロセス
図9-6 所得増大が利子率に及ぼす
影響
Ms
Ms
1
2
r
r
r3
Md’
Md’
Md
r2
Md
r1
M
M
利子率と財政・金融政策
• 金融政策が有効である為には、利子率が動
いて投資が刺激される必要がある(流動性の
罠は最悪のケース)。
• 財政政策においては、利子率やそれによる
投資の変化は政策の阻害要因(「クラウディ
ング・アウト効果」)でしかありません。
演習問題2
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次のようなIS-LMモデルを考えなさい。
Y=C+I+G
総需要(海外部門なし)
C=0.8Y+100
消費関数(税金省略)
I=30-10r
投資関数(金利あり)
G=10
政府支出(外生変数)
M=Y-100r
貨幣需要関数(Yとr)
M=685
貨幣供給(間接的に中銀
がコントロール