学術フロンティア講義 レポート課題(平成 27 年度・S1 & S2) 2015 年 5 月 21 日,寒野 数理工学のすすめ —構造物の設計のための最適化— 以下の二問のうち,一問を選んで解答しなさい. 問 1 図 1 に示すような,二つのバネからなる構造物を考える.バネの強さは断面積 a1 , a2 に比例す るものとし,a1 および a2 を適切に定める問題を考える.節点 (a) に作用する力を p とおき,釣 合状態における節点 (a) の変位を u とおく.p および u は,図 1 に示すように,ともに 2 次元 ベクトルである.バネ 1 およびバネ 2 の長さを l および l/2 とおく.行列 K1 および K2 を [ √ ] 3/4 Ea1 3/4 K1 = , √ l 3/4 1/4 [ ] 2Ea2 0 0 K2 = l 0 1 (1) で定義すると,u と p の関係は (K1 + K2 )u = p (2) と書けることが知られている.以下では,簡単のため E/l = 1[とおく( E はヤング率と呼ばれ ] 1 が作用するものとする. る材料定数である).また,節点 (a) には水平方向の外力 p = 0 1) (1) と (2) より,釣合状態における変位は [ u= u1 ] u2 [ = 4 3a1 + 1 6a2 − 2√13a ] 2 で与えられることを示せ. u 2 , p2 (a) u1, p1 ࣂࢿ1 a 1 ,l ࣂࢿ2 ኚᙧ≧ែ a 2 ,l/2 30度 図 1: 2 つのバネからなる構造物 1 2) 変位に関する制約 u1 ≤ u, (3) u2 ≥ −u (4) の下で,二つのバネの体積の和を最小にするような設計を考える.この設計問題を最適化問 題として定式化するときの目的関数と制約を示せ.ただし,u > 0 および u > 0 は与えられ た定数とする. 3) 制約 (3) および (4) が満たされる領域を a1 -a2 平面上で図示せよ. 4) 3) の図の中に目的関数の等高線を図示することにより,2) の最適化問題の最適解がどのよう に得られるかを示せ. 問 2 身近な構造物を一つ取り上げ,それがどのような力学的条件と目的に従って設計されているか (あるいは,されるべきか)を考察せよ. 1) 構造物に作用するであろう力について,その向き・大きさと特徴(静的な力/衝撃力/周期 的な力/摩擦力/熱応力/慣性力 など)を説明せよ. 2) 1) で示した力によって構造物に生じる変形の様子を図示せよ.その変形が適切な範囲におさ まるためにどのような工夫がなされているか,どのような工夫をすればより良い構造物とな り得るか,について考察せよ. 以上 2
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