[2015・後] 線形代数(機械) 授業内容の補足 2015.10.09[2] 1) 命題 1-4-1 の証明 命題 1-4-1 A を行列, P を正則行列とするとき, (1) r(P A) = r(A) (2) r′ (AP ) = r′ (A) [ ] (証明) (1) のみ示す. A = a1 | a2 | · · · | an とする. n 個の列ベクトル {a1 , a2 , · · · , an } のう ち, {a1 , a2 , · · · , ak } の k 個 (k 5 n) が一次独立であったと仮定する (このように仮定しても一般 性は失われない. 必要なら添え字の番号をつけかえればよいから). さて, [ ] [ ] P A = P a1 | a2 | · · · | an = P a1 | P a2 | · · · | P an である. ここで, t1 , t2 , · · · , tk を実数として, t1 (P a1 ) + t2 (P a2 ) + · · · tk (P ak ) = 0 1 ··· ⃝ とおく. すると, P (t1 a1 ) + P (t2 a2 ) + · · · P (tk ak ) = 0 ∴ P (t1 a1 + t2 a2 + · · · tk ak ) = 0 2 ··· ⃝ 2 の両辺に左から P −1 をかけると, となる. 命題の仮定により, P −1 が存在するから, ⃝ t1 a1 + t2 a2 + · · · tk ak = P −1 0 ∴ t1 a1 + t2 a2 + · · · tk ak = 0 3 ··· ⃝ 3 から, t1 = t2 = · · · = tk = 0 となる. {a1 , a2 , · · · , ak } は一次独立だから, 一次独立の定義により, ⃝ 1 を満たす t1 , t2 , · · · , tk の値は, t1 = t2 = · · · = tk = 0 に限られ であるしかない. したがって, ⃝ ることがわかった. このことは, k 個のベクトルの組 {P a1 , P a2 , · · · , P ak } が一次独立であるこ とを意味する. 以上より, P が正則であれば, {a1 , a2 , · · · , ak } が一次独立 =⇒ {P a1 , P a2 , · · · , P ak } が一次独立 であることがわかった. よって, r(A) 5 r(P A) である. 同様の手法で, r(A) = r(P A) であることも示せる (これは研究課題とする). したがって, r(A) 5 r(P A) かつ r(A) = r(P A) となり, r(A) = r(P A) が導かれる. (2) については, 同様の議論 を行ベクトルに対して行えばよい. (終わり) 以上
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