11 無理関数の不定積分

微積分学及演習 I のおと
応化 B[金 3 · 4 限(海老原)]
第 11 講義 (2015/6/26)
問 11.3. []内の置換を利用することにより,
次の積分公式を証明せよ.但し,a > 0 とする.
無理関数の不定積分
11
教科書 pp.127 − 130
■無理関数
ルートのついた関数を無理関数と
∫
√
(1)
∫
√
(2)
いう.ルートの中身は負にならないという制限
が自動的につくことに注意すること.
■基本置換積分
被積分関数にルートを含む場
合には,原則として
1
x2 + a2
1
x2 − a2
[x = a sinh t]
dx
dx
(x > a)
[x = a cosh t]
■無理関数の積分(発展置換積分)
1. 被積分関数に
√
ax2 + bx + c を含み a > 0
の場合には,
t=
• ルートをまるごと t とおく
√
√
ax2 + bx + c + a x
と置くとうまくいくことがある.
ことを考える.または,
• ルートの中身を t とおく.
2. 被積分関数の中身が
a(x − α)(x − β) のよ
うに因数分解でき,a < 0 の場合には,
√
t=
としてもうまくいくことが多い.
11.1. 次の不定積分を求めよ.
問 ∫ √
x
(1)
dx
1− x
∫
6x2
(2)
dx
√
2x3 − 5
∫
1
(3)
√
√ dx
x+ 3 x
√
x−α
β− x
と置くとうまくいくことがある∗ .
√
√
a(x − α)(x − β) = −a (β − x)
√
x−α
β− x
| {z }
t とおく!
√
問 11.4.
x2 + A = x − t と置換することによ
り,次の公式を導け
■無理関数の積分(変形して基本形へ)
∫
√
1.
1
1 − x2
dx = sin−1 x + C
∫
√
1
x2 + A
√
dx = log x + x2 + A + C
11.5. 次の不定積分を求めよ.
1
x
問 2.
dx = sin−1 + C (a > 0)
√
∫
a
a2 − x2
1
(1)
dx
√
∫
√
2
1
x
x
−
2x
−
5
3.
dx = log x + x2 + A + C (A , 0)
√
∫
x2 + A
1
(2)
dx
√
2
x 1 + x2
11.2. 次の不定積分を求めよ.
問 ∫
x
11.6. 次の不定積分を求めよ.
e
問 (1)
dx
√
∫ √
1 − e2x
x−1
∫
dx
(1)
1
2
−x
(2)
dx
√
∫
4x − x2
x
∫
(2)
dx
√
1
(x
−
a)(b
−
x)
(3)
dx
√
x2 − 2x − 5
∫
∗
a > 0 の場合には場合分けが必要になる.
(A , 0)
■【発展問題】
∫ √
11.7. I B
a2 − x2 dx
問 (a > 0) について,
以下の問いに答えよ.
(1)
√
√
a2 − x2 = 1 × a2 − x2 とみて部分積分法
を用いることにより,I を計算せよ.
(2) x = a sinh t と置換することにより I を計
算せよ.
∫
1
dx について,以下の
問 11.8.
√
5 − 4x − x2
問いに答えよ.
(1) 5 − 4x − x2 =
√(5 + x)(1 − x) のように因数分
5+ x
解して t =
とおいて積分せよ.
1− x
(2) 5 − 4x − x2 = 9 − (x + 2)2 で あ る こ と を 用
いて積分せよ.
(3) (1), (2) の結果が,定数を除いて一致する
ことを示せ.