プリント

Q&A
Q:第9回の1ページの問題(ばねの振動を月で・・・スペースシャトルで・・・)で、m が変化するのに、なぜ
周期 T は変化しないのですか?
A:m は質量ですので、月でもスペースシャトル内でも変化しません。質量 m の
物体に作用する重力 mg の大きさは、g が変化しますので変化します。ちなみに
今日勉強する振り子の周期 T は、月で実験すると地上での周期より長くなります。
Q:不思議に思っていることといえば、高校の時に友達が「水のみ鳥」を並べて
遊んでいたのを思い出します。あの「水のみ鳥」の動くしくみをいつか授業で
取り上げてほしいです。
A:重心を勉強する頃に説明します。もう少し待っていて下さい。
A:F =-kx とするときと、F = kx とするときの違いがわかりません。k は常に正なのですか?
Q:k は常に正です。 F =-kx の「-」は、
変形の向きと復元力 F の向きが逆向き
であることを示しています。
F は色々な力を表すときに使われるので
混乱しますね。例えば F が復元力と
つり合っている力を表している場合は
F = kx になったりします(右の図参照)。
また、復元力の大きさ F と変形の大きさ x の関係は、 F = kx でよいかと思います。
A:ばねのところで、以前やった等速円運動の式と同じものがでてきて驚いた。混乱しないようにしっかり復
習しておきたい。
B:等速円運動を横からみると単振動です。ですので似ているところがたくさんあります。下のまとめ参照
等速円運動
単振動
x(t) = r cos (ωt + θ0 )
y(t) = r sin (ωt + θ0 )
↑
半径
x(t) = A cos (ωt + θ0 )
↑
振幅
ω = 2πf
角速度
回転数
周期
f =
T =
角振動数
ω
2π
振動数
1 2π
=ω
f
第10回 (6/3)
1 ページ
周期
4.2 減衰振動と強制振動 p52
ばねの単振動も、単振り子も
空気抵抗や摩擦のため、何もしなければ、
現実の振動は左の図のように、
振幅が時間とともに小さくなっていく。
力学的エネルギーが熱等にかわるために
振幅が減衰していく振動を
減衰振動
という
速度に比例する抵抗があるときの振動
つり合いの位置からの変位x と
復元力が逆向きという意味のマイナス
抵抗がない時の角振動数 ω =
バネに限らず、復元力 -kxが
作用している質量 m の物体
k
m
( k = mω2 )
復元力=-kx =-mω2x を受けて単振動する質量 m の物体に、
速さに比例する抵抗-2mγv が働く場合を考える
-γv とすべきだが、上のように γ を定義すると
ω と γ の関係がシンプルになる(同じ単位)。
抵抗が質量 m に比例するわけではないことに注意
復元力=-kx =-mω2x で復元力が
m に比例するわけでないのと同じ
抵抗が速度 v と逆向き
という意味のマイナス
運動方程式( ma = F )
ma = -kx-2mγv =-mω2x-2mγv
解けることを要求しない
d2x
= -mω2x-2mγ dx
dt2
dt
2
dx
dx
+ 2γ
+ ω2x = 0
2
dt
dt
m
e-γt
抵抗を-2mγv とおいたので
微分方程式が簡単になる。
x = ye-γt とおくと (y:振動する部分, e-γt :振幅の減衰)
y = A cos (ω’t + θ0 )
代入すると
3ページへ
dx dy -γt
=
e -yγe-γt
dt
dt
dy -γt dy -γt
d2x d2y -γt
= 2 e -γ
e - dt γe + yγ 2e-γt
2
dt
dt
dt
dy -γt
d2x d2y -γt
= 2 e -2γ
e + γ 2ye-γt
2
dt
dt
dt
第10回 (6/3)
2 ページ
直観的予想
(fg)’ = f’g + fg’
dy -γt
dy
d2y -γt
e -2γ
e + γ 2ye-γt + 2γ{ e-γt-yγe-γt } + ω2ye-γt = 0
2
dt
dt
dt
dy
dy
d2y
-2γ
+ γ 2y + 2γ{ -yγ } + ω2y = 0
2
dt
dt
dt
両辺を e-γt で割って
d2y + γ 2y -2γ 2y + ω2y = 0
dt2
正・0・負
d2y
+ (ω2-γ 2) y = 0
dt2
正・0・負
d2y
= (γ 2-ω2 )y
dt2
抵抗
抵抗を2mγv とした
理由(簡単になった)
復元力
減衰振動の3つの場合分け
抵抗が小さい場合
γ<ω
中間
γ=ω
抵抗が大きい場合
γ>ω
減衰振動
臨界減衰
抵抗を
2mγv と
した理由
y = A cos (√ω2-γ2 t + θ0 )
2回微分すると
-がついてもとにもどる
単振動と同じ
x=
Ae-γt
振幅の
減衰
cos
(√ω2-γ2
t + θ0 )
過減衰
d2y
=0
dt2
p = √γ2-ω2 とおくと
y = A+Bt
y = Aept + Be-pt
2回微分すると 0 になる
x = (A+Bt)e-γt
2回微分するともとにもどる
γ>p>0
x = Ae-(γ-p)t + Be-(γ + p)t
正
正
振動を表している部分
x = (x0+v0t)e-γt
振動しながら
振幅がしだいに
小さくなっていく
前ページ左上の図
ω = 10 s-1の場合
振動はしない。
最もすみやかに
つい合いの位置に
収束する。
抵抗が大きすぎて
振動はしない。
ゆっくりとつい合いの
位置に収束する。
γ が大きくなるほど
収束にかかる時間も
長くなっていく
過減衰
抵抗が小さい( γ が小さい)空気中では
減衰振動するばねとおもりも、
抵抗の大きい( γ の大きい)水飴の中では
振動せずに過減衰のような
動きになることが想像できよう。
臨界減衰
減衰振動
問題:身近な例で上記の3つの例を探してみよ。
減衰振動
減衰振動(例題4)の微分方程式が解けることを
この授業では要求しません。
この解が γ (抵抗)の大きさによって3つに場合分けされ
おおまかにどのような運動をするのかを
理解するようにして下さい。
第10回 (6/3)
3 ページ
ブランコの物理(ブランコの不思議)
ブランコを漕げない人はいないと思いますが、
ブランコの漕ぎ方を物理的に説明できますか?
③
①
②
②の位置で存在する主な力を書き出したが
どれも揺れの方向に垂直なものばかり。
後ろから人が押せば、揺れの方向に加速できるが
乗っている人はいったいどうやって自力で漕げるのか?
座り漕ぎは特に難しい・・・
立ち漕ぎの方がわかりやすい。
(1)ブランコの動画をみて考えてみよう。
(2)おもりとひもを使った振り子の実演を見て考えてみよう。
(3)究極の漕ぎ方とは?
普通、ブランコを漕ぐときは、1往復の振動のうち、半分は何もしない。
行きも帰りも「漕ぐ」にはどうすればよいのか?(人間は前後非対称なので、難しいかも・・・)
答えは、何回か後で説明します。それまで、興味があったら考えてみて下さい。
究極の漕ぎ方に挑戦してもよいかも・・・
参考・実演:振り子の強制振動
振り子の強制振動の場合は、ひもを持つ手を振動に合わせて左右に動かしている。
ブランコの場合は、支柱が固定されているので、このような振り子の強制振動とは異なる。
第10回 (6/3)
4 ページ
学科
学生番号:
氏名:
この講義に関して何か意見や要望、感想等があったら何でも自由に書いて下さい。
面白い物理の情報や、取り上げてほしい話題、不思議に思っていること等あったら書いて下さい。
この紙で今日の出席を確認します。
第10回 6月3日
学科
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