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慣性モーメントの計算例 p97
(これらを記憶する必要はありません。必要な時に本を見ればよい)
線は回転軸
Mは剛体の質量
IG は回転軸が
重心を通る場合
I は回転軸が
重心を通らない場合
同じ剛体でも回転軸の
位置や向きが異なれば
慣性モーメントは異なる
問題:細長い棒の端を回転軸とした場合(上の図の右上)の慣性モーメント I を計算せよ。
回
転
軸
L
M
mi = ∆l
L
∆l
li
全体の質量: M ,単位長さあたりの質量:
M
L
I = Σmili2
i
問題:上の図にある公式を使って、質量が 3 kg 半径が 60 cm のリムの慣性モーメントを計算せよ。
スポークは無視して円環として計算せよ。またリムの回転数 f が 2 /s のとき、
リムの回転運動の運動エネルギーを求めよ。(実物参照)
円環はすべての質量が回転軸から距離 R の位置にある。⇒
I = Σmili2 = ΣmiR2 = MR2
問題:上の回転しているリム(リムの重心)が 2 m/s ( 7.2 km/h 早歩き程度)で等速直線運動しているとき
リムの全運動エネルギーを求めよ。(実演参照)
第16回(7/4) 1 ページ
例4 剛体振り子
水平な固定軸のまわりに自由に回転でき、重力の作用によって振動する剛体
[実演参照]
T
剛体に働く外力: ①剛体に作用する重力 Mg
②固定軸 O に作用する軸受けの抗力 T
O
θ d
固定軸 O の周りの外力のモーメントを求める
G
d sinθ
②抗力 T のモーメントは 0 (作用線がOを通るので)
①重力 Mg のモーメントは -Mgd sinθ
剛体の回転運動の法則
2
dω
dL
=I
= I d θ2 = N
dt
dt
dt
Mg
I
d2θ
= -Mgd sinθ
dt2
L :固定軸 O のまわりの
剛体の角運動量
I : 固定軸 O のまわりの
剛体の慣性モーメント
力のモーメントは θ と逆向き
振れの角 θ が小さいときの近似 sin θ ≒ θ
ω = 2πf
f=
2π
ω
=
1
2π
I
Mgd
d2θ
θ
=-
2
I
dt
Mgd
I
1 2π
I
T= f =
ω = 2π Mgd
d2θ
= -Mgd θ
dt2
ω=
Mgd
d2θ
とおくと
= -ω2θ
I
dt2
(単振動の式)
θ (t) = θ0 sin( ωt + β )
例4: 長さ 72 cm の棒の一端を持って、鉛直面内で振動させるときの振動の周期を求めよ。
また、この剛体振り子の周期は、何 cm のひもの長さの単振子の周期と同等か?
ただし、棒は十分に細長いものとし、図8.10の細長い棒とみなせるとする。図8.10の公式を用いてもよい。
O
実験で確認
L2の平均だからL/2にならずに
第16回(7/4) 2 ページ
2L/3になる。
平行軸の定理
図8.10参照
剛体の重心
重心を通る回転軸のまわりの慣性モーメントを
IG とする。
重心
その回転軸と平行で h 離れた軸のまわりの慣性モーメント I は
I = IG + Mh2
(Mは剛体の質量)
証明:左の図のように座標軸を選ぶ
I = Σ mili2 = Σ mi(xi2+yi2)
IG をくくり出す
yi2 -2hyi+h2
= Σ mi{xi2+(yi-h)2 + 2hyi-h2}
= Σ mi{xi2+(yi-h)2} + 2hΣmiyi-h2Σmi
= IG + 2h(Mh)-Mh2
= IG + Mh2
重心の y 座標:
問題:平行軸の定理を用いて下の図の左の公式から、右の公式を導け
Σmiyi
=Y=h
M
Σmiyi = Mh
ボルタの振り子
O
半径 R ,質量 M の金属球を,長さ L,質量 m の細い針金で吊るした振り子を
ボルタの振り子という。
問題:この振り子全体を剛体とみなして、
針金の先端のまわりの慣性モーメントを計算せよ。
P97(図8.10)の公式を用いてよい。ヒント:平行軸の定理を用いよ。
第16回(7/4) 3 ページ
8.3 剛体の平面運動 p99
剛体の平面運動: 剛体のすべての点が一定の平面に平行な平面上動く運動
例:左の図のように斜面の上を滑らずに転がり落ちる運動
3つの剛体のすべての点は、xy平面 に平行な平面上を動く
例題2:斜面の上を滑らずに転がり落ちる剛体の運動
斜面の上を滑らずに転がり落ちる剛体の運動
質量 M,半径 R の球が水平面と角 β をなす斜面の上を滑らずに転がり落ちる場合
力のモーメント N と混同するので
垂直抗力の記号は T になっている
剛体の重心の運動方程式
MA = F
打ち消し合う
2
M dX
= Mg sinβ -F ・・・①
dt2
剛体の回転運動の法則
IG
②より F =
IG
IG d2θ
R dt2
2
IG d2θ
上の式を①に代入して M d X
+
= Mg sinβ ・・・③
R dt2
dt2
剛体の直線運動と回転運動の間には、V =
dX
dθ
= Rω = R
dt
dt
d2θ
=N
dt2
( = IGα )
d2θ
= FR ・・・②
dt2
滑らないので X と θ は独立でない。
(どちらか一方を消去できる。)
という関係がある。( X = Rθ + C )
2
d2θ
上の式を t で微分すると d X
=
R
dt2
dt2
1 d2X
d2θ
=
R dt2
dt2
これを③に代入して
球の場合、IG =
2
MR2
5
2
IG d2X
M dX
+
= Mg sinβ
R2 dt2
dt2
(M +
(M +
第16回(7/4) 4 ページ
IG d2X
)
= Mg sinβ
R2 dt2
2
2
M)d X
= Mg sinβ
5
dt2
d2X
7
M 2 = Mg sinβ
dt
5
例題2のつづき
M
M
β
球が転がる場合
剛体が摩擦のない斜面を滑り落ちる場合
d2X
7
M 2 = Mg sinβ
dt
5
MA = F の形
d2X
5
=
g sinβ
dt2
7
M
d2X
= Mg sinβ
dt2
d2X
= g sinβ
dt2
球が斜面を転がる場合、加速度は滑る場合の 5
7
重心の運動エネルギー
重心の運動エネルギー
回転の運動エネルギー
回転の運動エネルギー
V = Rω
(斜面を転がる球の場合)
剛体の運動エネルギーは、
1
1
1
1 2
1
1
MV2 +
I ω2 =
MV2 +
MR2ω2 =
MV2 +
MV2
2
2 G
2
2 5
2
5
5 : 2
球の場合、IG = 2 MR2
5
重心
回転
球が斜面を転がる場合
滑る場合
剛体の位置エネルギー
剛体の位置エネルギー
5
7
2
7
重心の運動のエネルギー
回転の運動のエネルギー
すべて
重心の運動エネルギー
剛体が斜面を転がり落ちる速度は、剛体が摩擦のない斜面を滑り落ちる速度より遅い。
それは、剛体の位置エネルギーの一部が物体の回転運動のエネルギーに変換されているからである。
(熱の発生、空気抵抗・・・)
摩擦等による力学的エネルギーの散逸がない場合、力学的エネルギーは保存する
1
1
MV2 +
I ω2 + Mgh = 一定
2 G
2
例:斜面を転がり落ちている
時左辺は一定
例:ピンポン玉
問題: 上の例題において、転がり落ちる物体が球(中身有)ではなく、球殻(中身無)の場合、
物体の位置エネルギーが、回転エネルギーになる割合を求めよ。(球の場合は2/7) 約29%
問題:転がる速度は
球と球殻でどちらが速い?球
第16回(7/4) 5 ページ
問題(1):大きな鉄球と小さな鉄球では転がり落ちる速さはどちらが速いか。ただし、空気抵抗等は無視し、
力学的エネルギーは保存するものとせよ。
(参考)自由落下の時は、大きな鉄球も小さな鉄球も同じ速度で落下する。
大きな鉄球も小さな鉄球も位置エネルギーの 5/7 が重心の運動エネルギーになる
同じ速度で転がる。(大きくても小さくても同じ。)
問題(2):同じ大きさの鉄球と木製の球では転がり落ちる速さはどちらが速いか。ただし、空気抵抗等は
無視し、力学的エネルギーは保存するものとせよ。
(参考)自由落下の時は、鉄球も木製の球も同じ速度で落下する。
鉄球も木製の球も位置エネルギーの 5/7 が重心の運動エネルギーになる
同じ速度で転がる。(大きくても小さくても同じ。)
材質・大きさによらず、均一な球はすべて同じ速度で転がる。
[実験参照]
材質・大きさによらず、均一な球はすべて同じ速度で転がる。
問題(3):全く同じ木製の球が3個(A,B,C)ある。そのうちの2つ(B,C)の中心部分をくりぬき、Cにはその
空洞に鉄球を入れた。3個の球の転がる速度は異なるか?異なる場合は速い順に並べよ。
A
B
木
C
木
木
空
球
鉄
球殻
に近い
質量で重みをつけた l2 の平均(係数)が大きいほうが転がりにくいM は関係ない。( R も関係ない)
問題:速く転がる順に並べよ。(公式を見ずに)
ただし、半径 R はすべて等しいとする。
薄い円筒,円柱, 球
①
②
③
P97の公式をみなくても、慣性モーメントの定義
I = Σmili2 = Σmi( xi2 + yi2 )
より判断できるようになって下さい。
実演参照
形状のみに依存し、材質(ただし均一)・大きさに依存しない。
第16回(7/4) 6 ページ
例題3: 一様な円板(半径 R,質量M )のまわりに糸を巻きつけ、図のように糸の端を天井に固定して
はなしたときの張力 S と剛体の重心の加速度 A を求めよ。慣性モーメントの公式( p97 )を使ってよい。
剛体の重心の運動方程式
MA = F
・・・①
(下向きを正)
剛体の重心のまわりの回転運動の方程式 IGα = N
・・・②
重心運動と回転運動の関係式: X = Rθ
・・・③
円板が θ 回転すると
重心は Rθ 落下する
この種の問題(例題2、3、4)は、上の3つの式より解ける。
例題2と例題3は、ほぼ同じ。
違いは β = 90 度と
球 円板(慣性モーメントが違う)
第16回(7/4) 7 ページ
問題① 静止している質量 m の球Aに同じ質量 m の球Bが速度 v0 で正面衝突する。
衝突は弾性衝突として、衝突後の球Aと球Bの速度を求めよ。
v0
B
A
問題② 静止している質量 m の球Aに質量 9m の球Zが速度 v0 で正面衝突する。
衝突は弾性衝突として、衝突後の球Aと球Zの速度を求めよ。
v0
Z
A
問題:衝突球を、金属球より質量の大きい金づちでたたくとどうなる?
ヒント:金づちでたたくことは、重い金属球との衝突と考えてよい。
v0
① 質量 9m の球Zが球Aに衝突すると、
球Zの速度は、0.8 v0 となり、球Aの速度は 1.8 v0 となる。
球Aは、球Bに衝突して静止し、球Bの速度は 1.8 v0 となる。
球Bは、球Cに衝突して静止し、球Cの速度は 1.8 v0 となる。
球Cは、球Dに衝突して静止し、球Dの速度は 1.8 v0 となる。
球Dは、球Eに衝突して静止し、球Eは速度 1.8 v0 で飛び出す。
Z
少し隙間があると考えて、
弾性衝突が連続して起こると考える。
A
B
C
D
E
②球Zは静止していないので、再び静止している球Aに速度 0.8 v0 で衝突する。
球Zの速度は、0.64 v0 となり、球Aの速度は 1.44 v0 となる。
球Aは、球Bに衝突して静止し、球Bの速度は 1.44 v0 となる。
球Bは、球Cに衝突して静止し、球Cの速度は 1.44 v0 となる。
球Cは、球Dに衝突して静止し、球Dは速度は 1.44v0 で飛び出す。
③球Zは静止していないので、再び静止している球Aに速度 0.64 v0 で衝突する。
球Zの速度は、0.512 v0 となり、球Aの速度は 1.152 v0 となる。
球Aは、球Bに衝突して静止し、球Bの速度は 1.152 v0 となる。
球Bは、球Cに衝突して静止し、球Cは速度は 1.152v0 で飛び出す。
④球Zは静止していないので、再び静止している球Aに速度 0.512 v0 で衝突する。
球Zの速度は、0.4096v0 となり、球Aの速度は 0.9216 v0 となる。
球Aは、球Bに衝突して静止し、球Bは速度は 0.9216v0 で飛び出す。
⑤球Zは静止していないので、再び静止している球Aに速度 0.4096 v0 で衝突する。
球Zの速度は、0.32768v0 となり、球Aは速度は 0.73728v0 で飛び出す。
E
上記の一連の衝突は極短い時間で起こる。
5個の球は、異なる速度で飛び出していき、
ある時間が経った後は、右の図のようになっている。
D
Z
第16回(7/4) 8 ページ
A
B
C
学科
学生番号:
氏名:
この講義に関して何か意見や要望、感想等があったら何でも自由に書いて下さい。
面白い物理の情報や、取り上げてほしい話題、不思議に思っていること等あったら書いて下さい。
この紙で今日の出席を確認します。
第16回 7月4日
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