人間工学プログラミング演習

人間工学プログラミング演習
第10回
実験タスクの考案と設計
実験タスク
• 実験タスクとは被験者に課す課題のこと
• 仮説を実証できるように考案・設計されるべき
例:ストループ効果(Stroop,J.R.(1935))
「文字の意味」と「文字の色」のよ
うに同時受容した二つの情報が
干渉しあう現象
例えば,赤字で書かれた「あか」
の色名を答える場合より,青字で
書かれた「あか」の色名(正しくは
『あお』)を答える方が時間がか
かる.
演習10
ストループ実験タスクの考案と設計
ストループ効果の実験タスク
• 仮説は何か?
– 文字の意味が文字の色の認識に干渉する
• 仮説を実証するにはどうすれば良いか
– 反応時間を計測して比較する.(反応時間はスト
ループ干渉あり>干渉なし となるはずだ)
• 実験タスク
– 被験者に刺激文字を画面呈示し,その「文字の色」
を直ちに答えさせる課題を課す.回答は口頭ではな
くボタン反応またはマウスクリックとする.
タスクの設計例(1)
意味と色が一致する条件
意味と色が不一致の条件
赤
赤
青
黄
赤
緑
赤
青
黄
緑
呈示された文字の色をマウスカーソルとクリックで回答させる
呈示は1つ,反応は4つのbuttonコンポーネントで取得する
タスクの設計例(2)
意味と色が一致する条件
赤
黄
赤
青
青
赤
緑
赤
緑
青
黄
緑
2
3
1
意味と色が不一致の条件
黄
緑
青
黄
赤
黄
赤
青
4
1
青
赤
緑
赤
緑
青
黄
緑
2
3
黄
緑
青
黄
カーソル中の文字
色を回答する.
カーソルは一定時
間間隔で移動する
4
※実際のキーボードに色は付けなくて良い
カーソルに囲まれた文字の色をキーボードで回答させる
呈示は複数あり,一定時間間隔でカーソルが移動する
反応は4つのキーで行う.以下の様な押しやすいキー配置を使っても良い
F1
F2
F3
F4
Z
X
C
V
タスクの設計例(参考)
あ あ
か お
呈示は2つで反応は文字をマウスでクリックする.
文字の意味と色が一致しているものを選びクリックさせる.
NintendoDSの「脳トレ」でこのような課題があった.これもス
トループ干渉が起きるが,反応時間が伸びることを実証する
ためには比較となる刺激を考えなければならない.
プログラムの仕様を決める
• 画面のデザイン
– 刺激文字の配置,大きさ
• 刺激の種類
– 意味数と色数(例えば あか あお きいろ みどり の4種)
• 制御方法
–
–
–
–
呈示間隔(固定か可変か,その範囲は)
呈示回数(固定か可変か,何回計測すれば妥当かを考えて)
呈示の無作為化 (呈示順,色と意味の組み合わせ)
色と意味の一致条件,不一致条件の切替
• 計測方法
– 回答方法(ボタンかマウスか)
– 反応時間(呈示開始から回答まで.反応が無い場合の処理)
– 正答と誤答
• 記録方法
– ファイルに書き出す情報は何か
– 統計処理(平均と標準偏差をプログラムで算出するのか,別ソフトで処理させ
るのか,t検定は施すか施さないか)
この他,実験タスクに必要な仕様を考えて決める
本日の課題
• プログラムの仕様を決めなさい.この仕様は
後日変更しても良い.
• プログラムの画面(デザイナー部)を設計して
各コンポーネントの説明をしなさい.この設計
も後日変更しても良い
• 以上をMicrosoft PowerPoint(または Open
Office Impress) を用いてA4横2~3枚程度に
まとめ印刷して提出しなさい.
最終課題提出までの流れ
• プログラムの仕様と画面のデザインを印刷で提出する.
第10回
• プログラミング
第11回
第12回
第13回
( 最終日)
• プログラミング
• プレゼンテーション(早く終わった人が行う.その場合,第13回は出席不要)
• プレゼンテーション.
• プログラム仕様書,操作説明書,実験結果(グラフ付き)をPowerPointの1ファイルにまとめる.
• 上記書類とProjectフォルダはZIPファイルにして電子ファイルでメール提出.
ZIPファイル等の提出先:[email protected]