三重大学医学部附属病院 ファーマシーレジデント制度の概要 平成27年4月 三重大学医学部附属病院薬剤部 1 1) ファーマシーレジデント制度の理念 三重大学医学部附属病院ファーマシーレジデント制度における研修は、薬剤師が 医療人としての倫理観と責任感を涵養し、薬の専門家として医療における医薬品 の役割とリスクを十分認識しつつ、チーム医療の一員として他職種と連携しなが ら、患者や生活者の薬学的管理を適切に行えるよう、基本的な薬学的管理能力を身 につけることのできるものでなければならない。 2) ファーマシーレジデント制度の基本方針 (ア) 全般: 薬剤師として備えるべき知識や基本技術などの教育と修得にとどまらず、 レジデントと指導薬剤師との間で常に適切な評価とフィードバックを行うことで、 薬剤師としての専門性を高め、安全・確実で効果的なチーム医療が実践出来る薬剤 師の育成を目指す。 (イ) スキル: 臨床現場で必要な心構えと薬学的管理の基本的な流れ、処方せんに基づ く調剤、薬物療法の実践、チーム医療への参画、地域の保健・医療・福祉への参画 だけでなく、薬剤部門の管理者(=責任者)として必要な知識や技術修得を目指す。 (ウ) キャリアパス: 個々の薬剤師が目指す高度な専門性を備えた薬剤師の育成、並び にエビデンス構築の出 来る薬剤師の育成を支 援し、薬剤師としての キャリアパス形成を助 ける。 (エ) 研修修了後: 進路相 談に積極的に対応し、 地域医療充実のための 薬剤師の確保育成に貢 献する。 2 3) 三重大学ファーマシーレジデント制度の特長 (ア) 大学病院が備える豊かな教育環境を最大限活用した充実したプログラムを提供し ます。 ・充実した設備や業務環境の中で、最先端の薬剤業務やチーム医療が学べます。 ・各領域に精通した医師や看護師から、最先端の薬物療法や患者ケアに関する専門的 な知識やスキルを学べます。 (イ) 個々の薬剤師に応じた到達目標を設定し、研修カリキュラムに変更にも柔軟に対 応します。 ・将来の進路や専門領域の希望に応じた到達目標を設定し、研修カリキュラムを柔軟 に構築できます。 (ウ) 1年目の研修(医療薬学一般コース)と2年目の研修(医療薬学専門コース)が効 率的に繋がる研修プログラムを提供します。 ・希望する専門分野を1年目から経験したり、関連の深い部署を柔軟に経験出来ます。 (エ) 経験豊富な専門薬剤師、指導薬剤師からの指導を受けられます。 ・種々の領域の薬学的管理に精通した専門薬剤師や指導薬剤師から直接指導を受け、 最先端のファーマシューティカルケアの知識や考え方を学べます。 (オ) 最新の薬剤業務を学び、臨床薬剤師の職能開発を目指します。 ・日々進歩する薬剤業務の最先端を体験し、新たな業務の考え方や展開の方法を学べ ます。希望者は海外における最先端の薬剤業務に触れる機会が選択できます。 (カ) 臨床薬剤業務の科学的基盤構築に必要なスキルを修得することで、学会発表と論 文執筆を目指します。 ・薬物療法の質向上や薬剤師職能の評価に関するエビデンス構築を目的に、研究目標 の設定、データ収集、統計処理の方法や、倫理的手続きなど研究の手法を学べます。 ・学会発表や論文執筆に取り組むことで、論理的思考とプレゼン力の充実が図れます。 (キ) 個々のレジデントにメンターを選任し、研修目標の達成に向けたアドバイスだけ でなく、キャリア形成に向けた相談に乗ります。 ・研修期間を通じてレジデント一人一人にメンターを選任し、目標達成まできめ細か なアドバイスを行います。 (ク) 研修修了後に希望に応じた就職先を紹介し、三重大学病院を中心とした地域連携 の薬剤師の供給・リカレントシステムの構築を図ります。 ・希望者には就職先を紹介し、地域医療に貢献する多様な薬剤師を供給するとともに、 生涯教育とキャリアアップを念頭においたリカレントシステムを構築することで、 長期にわたって薬剤師職能の維持、向上が図れます。 3 4) 研修コース (1) 1年次研修(医療薬学一般コース) 臨床薬剤師としての基本的な知識ならびに技能を修得する。 (2) 2年次研修(医療薬学専門コース) より専門性の高い臨床薬剤師の業務を経験することで、チーム医療を実践でき る高度な知識ならびに技能を修得する。 研修期間: 2年間を原則とする(1年目:医療薬学一般コース、2年目:医療薬 学専門コース、経験により、2年目からの開始も可とする) ※コース毎に修了証を発行する。 4 三重大学医学部附属病院 ファーマシーレジデント制度 研修スケジュールイメージ(1年次~2年次) ※実際のスケジュールは、諸状況を勘案し、研修開始時に設定されます 1年次(医療薬学一般コース) 研 修 項 目 部内業務 調剤室 計数調剤 散薬・水薬調剤 注射薬供給管理室 注射薬調剤 抗がん剤調剤 総合製剤室 抗がん剤調製 高カロリー輸液調製 院内製剤(一般製剤) 院内製剤(無菌製剤) 医薬品情報室 医薬品情報管提供 医薬品情報収集・管理 化学療法レジメン審査 薬事審議委員会 薬効評価解析室 薬物血中濃度測定 薬物血中濃度解析 麻薬室 麻薬調剤・管理 サテライト部門 外来化学療法部 化学療法レジメン確認 抗がん剤調製 患者指導 手術室(NICUの業務を含む)薬品管理、薬剤調製 病棟サテライト(ICUを含む) 病棟薬剤業務(持参薬確認) 薬剤管理指導業務 医療安全・感染管理部 インシデント分析 臨床研究開発センター 臨床研究・治験管理 感染対策チーム チーム医療 緩和ケアチーム 褥瘡対策チーム 栄養サポートチーム HIVカンファレンス 薬剤部セミナー(週一回) セミナー・講義 研究セミナー(週一回) 薬剤主任、専門薬剤師、医師による講義(不定期) スキルズラボにおける研修(2年次秋頃) 情報収集(文献検索) 研究(主に時間外) 研究計画立案(計画書作成)/研究の実施 学会参加・学会発表 論文発表(努力目標) 病棟薬剤業務および薬剤管理指導業務については、4病棟以上で実施する。 臨床研究については、教員と相談のうえテーマを決め、実施する。 2年次(医療薬学専門コース) 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
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