高学年ブロック(6年算数科) 単元名 比と比の値 学習材名 割合の表し方を考えよう (目指す児童像)既習事項を活用して、筋道をたてて考え、わかりやすく表現する子 つけたい力 <表現力を育成する <児童一人ひとりを生かす 指導・工夫の改善> (D 数量関係) (1)比 1 課題意識・目的意識の獲得 ① 2量の関係を比で表したり、等 ② 板書の工夫 きる力 ③ 導入の工夫 性質を利用して考え、説明でき る力 D(1)比の性質について理解できるように する 3 自己評価の工夫 ① 学習感想を生かす しい比を作ったりすることがで ② 身の回りの2量の関係を、比の 評価の工夫・改善> ①話合いでの考えの広がり・深ま りを赤ペンで記入 4 相互評価の工夫 2 主体的・創造的な言語活動の 工夫 ① 既習事項の掲示とふり返り ② 図・式・言葉を関連付けて考 える力 ③ ペアやグループの話合い ④ 算数的な話合い ⑤ 効果的な少人数指導 ①「同じ考え」 「いい考え」の視 点で互いの考えを交流 5 教師によるその都度評価の工夫 ①ノートの評価を明確化 ②話合いを通して、自分の意見と 比べながら話し合えている児 童の称賛 単元の目標 ○ 比のよさに気付き、生活や学習に活用しようとする。 (関心・意欲・態度) ○ 比を既習の割合と関連づけて統合的にとらえ、割合の適用場面で考え方を工夫することができる。 (数学的な考え方) ○ 2つの数量の関係を調べ、比で表したり、等しい比をつくったりすることができる。 (図形や表現についての技能) ○ 比の意味や表し方、比の相等の意味を理解する。 (数量や図形についての知識・理解) 【本時の授業の実践と考察】 本時(6/9時) (☆ 他教科・他学年との関係 1 本時の問題を知る。 ※ 考察) 手だて1-③ 問題ケーキをつくるのに、小麦粉と砂糖を重さの比が7:5になるように混 ぜます。小麦粉を140g使うとき、砂糖は何g必要ですか。 2 本時の課題を確認する。 課題「 手だて1-①、5-② 比の一方の量を求める方法を考えよう。 」 (1) 青色(じっくり)コース 3 見通しをもつ。 手だて2-①・④ C:その線分図には、7:5の7と5、それから7 にあたる小麦粉の140gをつけたします。 ※青色コースでは多様な方法で式や言葉を関連付けた考え 方の表現ができるよう、線分図を児童と一緒に作成し、解 決法の見通しをもたせた。どの児童も既習事項と線分図を 用いて、多様な表現で課題解決に取り組むことができた。 4 比の一方の量を求める方法を考える。(一人学び) ☆ 手だて2-①・② C:僕は、等しい比 C:線分図の1目盛りの重さ の性質を利用し が20gだと分かった。 てやってみよう。 これを利用して…。 ※自力解決の際には、既習事項を示したり 線分図の読み方を教えたりすることで、 確実に個別支援の時間を確保できた。 等しい比の性質 百分率とグラフ(小5) → 比例・反比例(小6) 5 全体で考え方を交流し、お互いの考え方を 説明し合う。 (全体学習→ペア学習→…) 。 手だて1-②、手だて2-②・③、手だて4 T:では、どんな考え方をしたのか説明してください。 C:答えは100gになりました。私は線分図を利用しま した。この1目盛りを求めると、140÷7=20にな ります。砂糖はこれが5つ分なので20×5=100。 だから、答えは100gです。 T:今の考え方はいい考えでしたね。みんなも K さんの考 えを自分で説明して、自分のものにしましょう。 C:さっきのKさんの考え方は、線分図を利 用しました。この1目盛り分を求めるた めに、140÷7をします。すると、1 目盛りは20です。だから…。 ☆ 5 適用問題に取り組む。 ☆ 手だて2-② ※ペアで説明させ合う考え方は児童の反応をもとに ピックアップすることで、多様な表現を身につけ させるようにした。また、ICTを利用して、児 童の表現を活用した考え方の交流ができた。今回 は線分図の利用になったが、どの児童も自分の言 葉で線分図を利用しての説明ができた。 日常の様々な場面で比を活用する。 6 本時の学習感想を書き、次時への見通しをもつ。 手だて1-① (2) 水色(すらすら)コース 3 見通しをもち、比の一方の量を求める方法を考える。 手だて2-①・②・③・④ ※水色コースでは、できるだけ 短い時間で多様な考え方の 見通しを交流し合うことで、 児童一人ひとりが既習事項 を含め、豊かな表現方法で課 題解決を行うことができた。 4 自分のペアに考え方を説明する。 ☆ 等しい比の性質 手だて2-②・④、3 4 百分率とグラフ(小5) → 比例・反比例(小6) C: 答えは100gになりました。僕 は等しい比の性質を利用しまし た。7に20をかけたら140に なります。だから、5にも20を かけて答えは100です C:私の答えは100gになりま した。線分図をもとに考えま した。すると、1目盛り分の 重さは140÷7で20でし た。砂糖は5目盛り分だから、 5×20で砂糖は100gに なります。 5 全体で考え方を交流する。 手だて2-② ※説明を聞く側は、自分と違う考えやなる ほどと思った式・言葉を赤ペンで自分の ノートに付け加えさせていくことで、考 えを広げたり自分と比較してよりよい表 現を考えたりすることができた。 C:私は線分図を利用しました。 図に表すと分かりやすいです。1 メモリあた りの重さを求めて計算しました。 C: 等しい比の性質と考え方は似ています。 C:等しい比の性質を利用した考え方を ※児童からは多種多様な課題解決の方法が発表された。そ れらを一つ一つ分類していくことで、それぞれの考え方 を比較・検討しながら練り上げた。さらに児童が多様な 考えを分類・整理しやすくするために、教師が共通点の ある考えを重ねて貼るなどの工夫をするとよかった。 5 適用問題に取り組む。 ☆ 使うと、簡単に解くことができました。 C: 5 年で学んだ割合の考えを利用して 解くことができました。 手だて2-② 日常の様々な場面で比を活用する。 6 本時の学習感想を書き、次時への見通しをもつ。 手だて1-① 【指導講評】さいたま市教育委員会学校教育部指導1課指導主事 財部 幸樹 先生 ○ 既習事項の掲示や、考え方のキーワードをもとにした板書が、学習内容の定着や活用につながっていた。 ○ 各コースの児童の実態に合わせた見通しのもたせ方が行われていた。 ○ 単元を通してつけたい力をはっきりさせ、それに合わせた単元計画や授業計画が立てられており、本時の 授業でもしっかりとおさえられていた。 ○ 考え方が身についているか確認するために、適用問題でも考えを説明させていたのがよかった。 ● 話合いの中に「感想」や「質問」の時間を取り入れ、「相手がはっきり分かったかどうかわかる応答」を習慣づ け、互いの考えの理解の徹底を図るようにするとよい。 ● 一つ一つの考え方が完結型になってしまった。それぞれの考えの関連性に気づかせるような練り上げがで きるとよい。 ● 相互評価の工夫について、さらに検討していく必要がある。
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