解析力学B(平成25年度後期)定期試験略解

解析力学 B(平成 25 年度後期) 定期試験 略解
神戸大学 陰山 聡
2014.01.23
問題 1
(採点対象外)
問題 2
[1]
L(q, q)
˙ =
{√
}2
ℓ20 + q 2 − ℓ0
m
k
q˙ −
2
2
だから
√
W =
ℓ20 + q 2 − ℓ0
[2]
|q| ≪ ℓ0 のとき
(√
)
√
{
}
ℓ20 + q 2 − ℓ0 = ℓ0
1 + q 2 /ℓ20 − 1 ∼ ℓ0 (1 + q 2 /2ℓ20 ) − 1 = q 2 /2ℓ0
だから
L=
m 2
k
m
˙ − 2 q4
2
8ℓ0
従って
c=
k
8ℓ20
問題 3
[1]
L=
k
m 2
2
(q˙ + q˙22 ) − [ℓ(q1 , q2 ) − 1]
2 1
2
に対応する記号。
1
[2]
A=
1
,
ℓ
B=
1
2
問題 4
カーテシアン座標をとり、ラグランジアン
L=
から運動方程式の x1 成分を作る。
から
d
dt
m
x˙ · x˙ + eA · x˙ − eϕ
2
∂L
= mx˙ 1 + e A1
∂ x˙ 1
(
∂L
∂ x˙ 1
)
= m¨
x1 + e
∂A1
∂A
x˙ j + e
∂xj
∂t
また、
∂L
∂Aj
∂ϕ
=e
x˙ j − e
∂x1
∂x1
∂x1
である。したがって、運動方程式の x1 成分は、
{
} {
}
∂A1
∂A
∂Aj
∂ϕ
m¨
x1 + e
x˙ j + e
− e
x˙ j − e
=0
∂xj
∂t
∂x1
∂x1
ここで j について 1 から 3 までの和をとるときに j = 1 では ∂A1 /∂xj と ∂Aj /∂x1 の二つは同じなので
キャンセルして
{
} {
}
∂A1
∂A1
∂A
∂A2
∂A3
∂ϕ
m¨
x1 + e
x˙ 2 + e
x˙ 3 + e
− e
x˙ 2 + e
x˙ 3 − e
=0
∂x2
∂x3
∂t
∂x1
∂x1
∂x1
となる。つまり
)
(
)}
{ (
∂A1
∂A1
∂A3
∂A
∂ϕ
∂A2
−
− x˙ 3
−
−e
−e
m¨
x1 = e x˙ 2
∂x1
∂x2
∂x3
∂x1
∂t
∂x1
ここで
(∇ × A)3 =
∂A2
∂A1
−
∂x1
∂x2
(∇ × A)2 =
∂A1
∂A3
−
∂x3
∂x1
と
を使うと
(
m¨
x1 = e {x˙ 2 (∇ × A)3 − x˙ 3 (∇ × A)2 } − e
である。
E=−
∂A
− ∇ϕ
∂t
と
B =∇×A
2
∂ϕ
∂A
+
∂t
∂x1
)
より
m¨
x1 = e (x˙ 2 B3 − x˙ 3 B2 ) + e E1
これは
m¨
x1 = e (x˙ × B)1 + e E1
と書ける。他の成分(x2 成分と x3 成分)についても同様である。
問題 5
[1]
L(q, q)
˙ =
m 2
q˙ + 2k cos q
2
H(q, p) =
p2
− 2k cos q
2m
[2]
[3]
{
p
q˙ = m
p˙ = −2k sin q
(1)
[4]
この場合のラグランジアンは q に依存しない。正準方程式と初期条件から p = const. = 0, q˙ = 0 であ
る。従って初期の位置 q = π/3 でずっと静止している。
問題 6
[1]
とかけるから、これを解いて
これから
( ′) (
q
1 − τ2
=
p′
−τ
τ
1
( ) (
q
1
=
p
τ
) ( ′)
q
p′
(
と
(
∂q ′
∂q
∂p′
∂q
∂q ′
∂p
∂p′
∂p
∂q
∂q ′
∂p
∂q ′
∂q
∂p′
∂p
∂p′
−τ
1 − τ2
)
)( )
q
p
(
1 − τ2
=
−τ
)
(
=
1
τ
τ
1
−τ
1 − τ2
)
)
を得る。比較すると正準変換の直接条件
∂p
∂q ′
= ′,
∂q
∂p
∂q ′
∂q
= − ′,
∂p
∂p
∂p′
∂q
= ′,
∂p
∂q
が成り立っているので、これは正準変換である。
3
∂p′
∂p
= − ′.
∂q
∂q
[2]
p = p − τ q, q ′ = (1 − τ 2 )q + τ p だから
2E ′ = q ′2 + p′2 = (1 − τ 2 + τ 4 )q 2 + (1 + τ 2 )p2 − 2τ 3 qp
これは
2E = q 2 + p2
と異なる。つまり全エネルギーは保存しない。
[3]
q ′ p′ = (1 − 2τ 2 )qp + τ p2 − τ (1 − τ 2 )q 2
なので
q ′2 + p′2 − τ q ′ p′ = q 2 + p2 − τ qp
が成り立つ。従って 2E ∗ は保存する。
[4]
このアルゴリズムは全エネルギー E は保存しないが、E とは O(τ ) だけ異なる E ∗ を保存する。したがっ
て、長時間積分しても全エネルギーの誤差は O(τ ) にとどまるので、全エネルギーの保存性が重要な問
題を解くのに適している。
問題 7
“ダルメシアン” が出てくる文の記号。
4