Strategy Report Mitsubishi UFJ Asset Management 中国の預金準備率引き下げについて 2015年4月20日 グローバル・マーケット・ストラテジー・チーム チーフストラテジスト 石金 淳 PBOC(中国人民銀行)は、19日夕刻、大手銀行を含む金融機関向けのRRR(預金準備率) を1.00%引き下げることを決定しました(実施は20日)。2月、PBOCは約2年9ヵ月ぶりにRRR を引き下げましたが、今回はそれに続く今年2回目の引き下げとなります。 今回のRRRの引き下げ幅は、前回よりも拡大しています。これは、今年に入り景気減速が顕 著になってきていることが背景にあり、PBOCを含む中国当局が、最近打ち出された金融緩 和策は不十分であると認識し、金融面からの刺激を強めて景気支援強化を図る判断を下す に至ったと考えています。 中国では、経済の構造改革が推進される一方で、一定の経済成長を維持することが重視さ れているとみています。このため、景気減速の行き過ぎは許容できないと考えられ、中国当 局の金融緩和を含む景気支援強化の姿勢は続く見込みです。そして、政策効果が次第に 効果を発揮するにつれて中国の景気は底堅くなり、そのことは、同国と経済関係が深い豪 州、ニュージーランド、ブラジル等の経済にも寄与するとみています。 PBOCは2月に続いてRRR引き下げに踏み切る(引き下げ幅は拡大) PBOCは、19日夕刻、大手銀行を含む金融機関向けのRRRを1.00%引き下げることを決 定しました(実施は20日で、大手銀行向けのRRRは18.50%となる)。また、構造改革の推進 と中小企業、農業、重要な水利事業支援のため、農村金融機関に対してはさらに1.00%、 農業発展銀行に対してはさらに2.00%、農業向け、あるいは一定比率以上の中小企業向け 融資を行う商業銀行等に対してはさらに0.50%、それぞれRRRの引き下げを認めることも示し ました。なお、今回の引き下げ幅は市場予想より大きく、サプライズであったとみています。 (%) 中国 預金準備率(大手銀行) 22 21 20 19 18 17 16 15 09/4/20 10/4/20 11/4/20 (出所)Bloombergのデータを基に三菱UFJ投信作成 12/4/20 13/4/20 14/4/20 15/4/20 (年/月/日) 当資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。投資の最終決定 はお客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。当資料に示されたコメント等は、当資料作成日現在の見解であり、事前 の連絡なしに変更されることがあります。投資信託は株式、公社債等値動きのある証券に投資しますので、基準価額は変動し ます。したがって、金融機関の預金とは異なり元本が保証されているものではありません。投資信託は、預金保険の対象とは なりません。金融商品取引業者以外でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象ではありません。本資料は当 社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、完全性等について保証・約束するものではありません。 Strategy Report Mitsubishi UFJ Asset Management 中国当局は金融面での刺激によって景気支援を強化へ PBOCが2月に続いてRRRを引き下げ、かつ引き下げ幅を拡大させた背景には、①1-3月 期の実質GDP(国内総生産)が前年比7.0%成長と、3月の全人代(第12期全国人民代表 大会第3回会議)で発表された今年の成長目標(7.0%)と並ぶまでに鈍化したこと、②3月の 鉱工業生産指数が前年比5.6%の増加と、2008年11月以来の低い伸びとなったこと、③1- 3月期の輸入額が前年比17.6%の減少となり、内需の弱さを示唆したこと、などから景気減 速が顕著になってきたことがあると考えています。 さらに、3月のマネーサプライ(M2)が前年比11.6%の増加と今年の年間目標(12.0%)を 下回り、加えて外貨準備高が昨年9月以降減少し続けるなど、金融関連指標にも翳りがみら れたこともあるとみています。このようなことを受け、PBOCを含む中国当局は、最近の金融 緩和策が不十分であると認識し、金融面からの刺激を強め、景気支援強化を図る判断を下 すに至ったと考えています。 景気支援強化策の効果浸透によって景気は底堅い動きに(海外に好影響も) 中国では、3月の全人代で、経済の質的向上のための構造改革の推進と安定成長持続を 両立させる方針、即ち「ニューノーマル(新常態)」を目指すことが示されました。ここで肝要な ことは、中国当局が経済構造改革を推進する一方で、一定の経済成長の維持も重視してい ることです。それは、RRRや政策金利の引き下げといった金融緩和策の他に、昨年9月以来、 住宅ローン規制や購入制限といった不動産規制が緩和されてきたことや、財政政策による交 通や水利等のインフラ投資等が進められつつあることなどに表れていると考えています。 このような観点から、今後も7.0%という成長目標を意識しながら中国当局の景気支援強化 の姿勢は続くとみられ、当面は金融面でもRRRや政策金利の追加的な引き下げの可能性が 十分あるとみています。そして、こうした中国金融当局の政策効果が次第に効果を発揮する につれて中国の景気は底堅くなる見込みであり、また、そのことは貿易等を通じて同国と経済 関係が深い豪州、ニュージーランド、ブラジル等の経済にも寄与するとみています。 (%) 16 (%) 5.4 中国 長短金利の推移 SHIBOR(翌日物)〔左軸〕 14 10年国債利回り〔右軸〕 5.1 12 4.8 10 4.5 8 4.2 6 3.9 4 3.6 2 3.3 0 2012/4/17 2012/10/17 2013/4/17 (出所)Bloombergのデータを基に三菱UFJ投信作成 2013/10/17 2014/4/17 2014/10/17 3.0 2015/4/17 (年/月/日) 当資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。投資の最終決定 はお客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。当資料に示されたコメント等は、当資料作成日現在の見解であり、事前 の連絡なしに変更されることがあります。投資信託は株式、公社債等値動きのある証券に投資しますので、基準価額は変動し ます。したがって、金融機関の預金とは異なり元本が保証されているものではありません。投資信託は、預金保険の対象とは なりません。金融商品取引業者以外でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象ではありません。本資料は当 社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、完全性等について保証・約束するものではありません。 商品内容説明資料補完書面(投資信託) リスクについて 投資信託、投資証券はその投資対象となっている株券、債券、投資信託、不動産、商品 等(以下、 『裏付け資産』 『※』といいます。 )の価格や評価額に連動して基準価格が変動 し損失が生じるおそれがあります。したがって、投資元本が保証されているものではな く、これを割込むことがあります。その他外貨建て資産に投資した場合には為替変動リ スク等もあります。 投資信託、投資証券は裏付け資産の発行者の業務や財産の状況等に変化が生じた場合、 投資信託、投資証券の価格が変動することによって損失が生じるおそれがあります。 投資信託等には、解約することができない一定の期間(クローズド期間)が定められて いるものもありますのでご留意下さい。 ※ 裏付け資産が、投資信託、投資証券、預託証券、受益証券発行信託の受益証券等である場 合には、その最終的な裏付け資産を含みます。 手数料等諸費用について ■ 申込時に直接ご負担いただく費用等 ・申込手数料等 上限 3.78%(税込) ■ 換金時に直接ご負担いただく費用等 ・換金(解約)手数料 販売時に手数料がかかり、売却時にも手数料がかかるもの 該当する投資信託はありません 販売時に手数料がかからず、売却時に手数料がかかるもの 上限 3.00%(税込) ・信託財産留保額 上限 0.5% ※外国投資信託の売買時、分配時、償還時の為替レートは、外国為替市場の動向をふまえ て当社が決定いたします。 ■ 投資信託の保有期間中に間接的にご負担いただく費用等 ・信託報酬 上限 3.30%(税込)程度 ・その他の費用・手数料 監査費用、有価証券等の売買にかかる手数料等、その他のファンドの運営・管理に関 する費用・手数料等をご負担いただく場合がございますが、これらの費用・手数料等は、 事前に計算が出来ないため、その総額・計算方法を記載しておりません。 ※当該手数料等の合計額については、保有期間等に応じて異なりますので、表示することはでき ません。 投資信託に係るリスク、手数料等の詳細については投資信託説明書(交付目論見書)に詳しく記 載されておりますのでご覧ください。 当ファンドの販売会社について 商号等: 東海東京証券株式会社 加入協会: 金融商品取引業者 東海財務局長(金商)第 140 号 日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会 一般社団法人第二種金融商品取引業協会 201108
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