廃棄物管理の実務 ~こんな時、どうする?どうなる?廃棄物処理法~ 第 21 回【 取引を停止している処理業者との処理委託契約書】 こんな時… 複数の処理業者と産業廃棄物処理委託契約を締結しており、 その中で、取引を数年間行っていない処理業者が 1 社ある。 その業者との処理委託契約書の契約期間は自動更新の扱いとしている ので有効なものとなっているが、契約書に添付された処理業許可証(写 し)の有効期限が切れている状況。 この場合、許可証を更新する必要はあるか? どうする? 取引停止中であっても、契約書に記載された委託期間が有効である以上、廃棄物の処理委 託は継続しているものとみなされます。よって、業許可証の写しは必ず更新しておきまし ょう。 処理委託契約書が有効だからといって、取引停止中の処理業者と取引を再開したときに、 万が一業者が業許可を更新していない(失効している)状態だった場合、無許可業者への 委託となってしまいます。委託基準違反に問われる可能性が高まり、不法投棄に巻き込ま れるといったリスクも生じやすくなります。 排出事業者のリスクマネジメントとしては、ある業者との取引が停止中で今後も見込みが ない場合は、契約解除を申し入れ、いったん契約を終了させておく方がよいでしょう。 無許可業者への委託リスクを回避する上で最も重要なのは、処理業許可証です。有効期限・ 許可品目・許可能力等、しっかりと確認するようにしましょう。 □□ □ご参考□□□ 委託契約が終了した場合、処理を委託した排出事業者は、その契約が終了した日から 5 年間、契約書を保存する必要があります。 自動更新の条文例 (契約期間) 第○条 本契約の有効期間は、平成**年*月*日から平成**年*月**日までの 1 年間とする。但し、 期間満了の 1 ヶ月前までに、甲、乙の一方から相手方に対する書面による解約の申し入れがな い限り、同一条件で更新されたものとし、その後も同様とする。 監修:弊社顧問 尾上雅典氏(行政書士エース環境法務事務所代表)
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