廃棄物管理の実務 ~こんな時、どうする?どうなる?廃棄物処理法~ 第 20 回【産業廃棄物収集運搬時の過積載に対する排出事業者の責任】 こんな時… 産業廃棄物の収集運搬において過積載があった場合、 委託した排出事業者(荷主)に対する責任(罰則)には どのようなものがあるのか? どうなる? 産業廃棄物の収集運搬の場合も含めて、過積載に対する罰則は道路交通法で規定されてい ます。 まず、委託する排出事業者(荷主)は、過積載となることを知りながら産業廃棄物(積載 物)を引き渡してはなりません<道路交通法第 58 条の 5 第 1 項>。 排出事業者(荷主)が反復して過積載を要求する恐れがあると認められるときは、警察署 長から「再発防止命令」が出され<同法第 58 条の 5 第 2 項>、これに違反すると、 6 か月以下の懲役または 10 万円以下の罰金が科せられます<同法第 118 条第 3 号>。 また、違反した収集運搬事業者が運送業の許可を持つトラック運送事業者であった場合、 貨物自動車運送事業法第 33 条の規定による許可取消等の行政処分を受ける際に、荷主であ る排出事業者に対しても、過積載運行の再発防止等のための「協力要請書」が発出されま す。さらに、過去 3 年間に 2 回協力要請書が発出された排出事業者(荷主)には、 「警告書」 が発出されてしまいます。 なお、貨物自動車運送事業法第 64 条に基づき、 ①過積載しなければどうしても輸送でき ない依頼をした場合 合 ②過積載となることがわかっていながら、過積載運行を要求した場 にも、排出事業者(荷主)は再発防止の措置を執るよう国土交通大臣から勧告を受け ます。 このように、荷主がトラック運送事業者に過積載をさせると、荷主側にもその責任を厳し く追及されることになります。 トラック運送事業者が法令を順守し、安全で良質なサービスを提供していくためには、荷 主とトラック運送事業者との間の理解と協力が不可欠なのです。 □□ □ご参考□□□ 国土交通省 報道発表資料「貨物自動車運送事業法における荷主勧告の運用通達を改正します!」 ⇒ http://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha04_hh_000065.html 国土交通省 参考資料「しない・させない・過積載!」 ⇒ http://www.dinsgr.co.jp/common/img/jitsumu/shinai_sasenani.pdf 監修:弊社顧問 尾上雅典氏(行政書士エース環境法務事務所代表)
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