委託契約書編

廃棄物管理の実務 ~こんな時、どうする?どうなる?廃棄物処理法~
第 8 回【こんな時、どうする?どうなる?委託契約書編】
『複数の事業場から排出する場合の処理委託契約書締結方法について』
▼こんな時…▼
複数の事業場から排出される産業廃棄物の処理を同一処理業者に委託する時
~処理委託契約書は、事業場ごとに締結する必要があるか?~
●どうする?●
排出事業場ごとに処理業者(同一の処理業者が大前提)と処理委託契約書を締結する必要
はなく、処理業者とは一種類の処理委託契約書を締結すれば事足ります。
各排出事業場についての事項は、処理委託契約書内に記載するか、もしくは別紙にまとめて
処理委託契約書と一対で管理しておくことが望ましいです。
理由は、収集運搬の処理委託契約書には、積込み及び積卸し場所の自治体の許可証添付(許
可内容の確認)、及びマニフェストの排出事業場欄への記入が法的に定められています。よ
って各排出事業場の事項は、いずれかの書面において明確にしておくことをお奨めします。
上記のような対応が認められる法的根拠は、以下の通りです。
根拠① 排出事業場は処理委託契約書の法定記載事項ではないため。
法定記載事項として定められていない内容は、法律で拘束されることはありません。
よって排出事業場ごとに処理委託契約書を締結する必要はないということになり
ます。
※逆に、排出事業場ごとに処理委託契約書を締結したとしても、もちろん違法では
ありません。
※法定記載事項の内容確認は
⇒ http://www.dinsgr.co.jp/faq/sanpai_faq.html#q01
根拠② 排出事業場が法定記載事項ではない以上、個別の排出事業場を処理委託契約書に
明記していないという理由で罰則の対象になることはありません。廃棄物処理法
の法定記載事項を網羅していれば、あとは処理委託契約書に何を書くか、あるいは
何を書かないかは、契約当事者の自由となります。
以上