(第30回) 産業廃棄物処理委託時の情報提供について

廃棄物管理の実務
第 30 回【
~こんな時、どうする?どうなる?廃棄物処理法~
産業廃棄物処理委託時の情報提供について 】
こんな時…
産業廃棄物を処理委託する際、排出事業者は、適正処理をするため
に必要とされる廃棄物の性状及び荷姿等の情報を処理業者に提供す
る必要があるとされていますが、具体的にはどのような情報を提供
すれば良いか。
どうなる?
産業廃棄物処理委託契約については、法令で定められた事項が記載されている書面により
行うこととされ、
「委託する産業廃棄物の適正な処理のために必要な次に掲げる事項に関す
る情報」として、以下の事項が含まれていることとされています。
①
産業廃棄物の性状及び荷姿に関する事項
②
通常の保管状況の下での腐敗、揮発等産業廃棄物の性状の変化に関する事項
③ 他の廃棄物との混合等により生ずる支障に関する事項
④ 下記の 7 種類の産業廃棄物に該当し、日本工業規格C0950 号に規定する「含有マーク」
が付されたものである場合は、
「含有マーク」の表示に関する事項
A)廃パーソナルコンピューター
B)廃ユニット型エアコンディショナー
C)廃テレビジョン受信機
D)廃電子機器
E)廃衣類乾燥機
F)廃冷蔵庫
G)廃電気洗濯機
⑤
委託する産業廃棄物に石綿含有産業廃棄物が含まれる場合はその旨
⑥ その他産業廃棄物を取り扱う際に注意すべき事項
また、具体的な情報の提供方法等については、「廃棄物情報の提供に関するガイドライン」
では、WDS(廃棄物データシート)の活用が推奨されています。
本ガイドラインに示されている廃棄物情報が必要な項目等についての詳細は、以下の通り
です。
■「廃棄物情報の提供に関するガイドライン」
― WDS ガイドライン ―(Waste Data Sheet ガイドライン)
⇒
http://www.env.go.jp/recycle/misc/wds/main.pdf
また、ガイドラインが対象としている廃棄物は、特別管理産業廃棄物を含む産業廃棄物全
般とされていますが、特に外観から含有物質や有害特性がわかりにくい次の 4 品目につい
ては、WDSを用いて情報提供を行うべきと示されています。
① 汚泥
②廃油
③廃酸
④廃アルカリ
そのほか、燃えがらやばいじんのほか、付着・混入等により有害物質等を含有するなど環
境保全上の支障が生ずる可能性があると考えられる場合も、ガイドラインを適用して「W
DSにより情報提供することが重要であるとされていますが、性状が明確で、環境保全上
の支障のおそれのない廃棄物の場合は、廃棄物の性状等に応じてWDS以外の方法で情報
提供をしても良いとされています。
監修:弊社顧問
尾上雅典氏(行政書士エース環境法務事務所代表)