専ら物の処理委託契約について

廃棄物管理の実務
~こんな時、どうする?どうなる?廃棄物処理法~
第 18 回【 こんな時、どうする?どうなる?委託契約書編 】
こんな時…
専ら物(くず鉄)を、専ら物処理業者に委託する場合
廃棄物処理法上、処理委託契約書を締結しておく必要があるか?
また、処理終了報告書も提出してもらう必要があるか?
どうする?
廃棄物のうち、専ら物(古紙・くず鉄・あきびん類・古繊維の 4 種類)とされているのは、
専ら再生利用の目的となる廃棄物です。
専ら物は一般廃棄物に該当する場合と産業廃棄物に該当する場合とがありますが、それを
業として処理するのに、都道府県知事または市町村長の許可は必要ありません。
マニフェストについても、専ら物の処理委託にはマニフェストの交付を要しない、とあり
ます。しかし、
「マニフェスト」の交付不要は定められていても、
「委託契約書」が不要と
いう例外規定は置かれていません。
よって、有価売却でなく、処理委託に当てはまるのであれば、廃棄物処理法の原則どおり、
委託契約書の作成および処理終了報告書の提出は必要になります。
取引状況によって区分すると、以下の表の通りとなります。
①有価売却する場合
有価物
委託契約書
マニフェスト
不要
不要
許
可
不要
②専ら物業者に廃棄物として処理委託する場合
委託契約書
マニフェスト
許
可
専ら物(産廃)
必要
不要(特例による)
不要(特例による)
専ら物(一廃)
不要
不要
不要(特例による)
③上記②に該当せず(専ら物として扱わない)
、廃棄物処理業者に委託する場合
委託契約書
マニフェスト
産業廃棄物
必要
必要
必要
一般廃棄物
不要
不要
必要
監修:弊社顧問
許
可
尾上雅典氏(行政書士エース環境法務事務所代表)