廃棄物管理の実務 第 16 回【 番外編 ~こんな時、どうする?どうなる?廃棄物処理法~ ~新聞報道事例から学ぶ!コンプライアンス~ 】 今回は「番外編」として、とある新聞報道記事を例に 【 思わぬところで排出事業者が廃棄物処理法違反となってしまった! 排出事業者は、どうすれば違反を回避できたのか? 】 についてポイントを解説します。 工場爆発:支店長ら書類送検へ 業過致死傷容疑で千葉県警 (毎日新聞 2014 年 12 月 30 日) 千葉県野田市の廃棄物処理施設「エバークリーン千葉支店」で昨年11月、廃油蒸留処理施設が爆発し作 業員2人が死亡するなどした事故で、県警は来月にも、当時の同支店長 (43)ら数人を業務上過失致 死傷の疑いで書類送検する方針を固めた。 事故は昨年11月15日、廃油を蒸留処理する工程で、不純物を取り除く遠心分離機が爆発・炎上し二十 数人が死傷した。 捜査関係者によると、支店長らはハイオクガソリン8560リットルに軽油の混ざった揮発性の高い「特 別管理産業廃棄物」と知りつつ、高熱の発生する蒸留処理施設に流し込んだ疑いがある。社内規定では、 特別管理産業廃棄物を高熱の発生する工程に投入してはならないが、県警は支店では日常的に同様の作業 を行っていたとみている。 廃油処理を依頼した県内の石油運送会社の当時の幹部についても、エ社側と正式な契約を交わしていなか ったとして、県警は廃棄物処理法違反の疑いで書類送検する方針。 □□ □ポイント解説□□□ このケースにおいて、なぜ排出事業者の幹部が書類送検されてしまったのでしょうか? 新聞報道の内容では「正式な契約を交わしていなかった」としか 書かれていないため、 ・そもそも【契約を交わしていなかった】のか ・契約は交わしていたが、 【委託契約書を作成していなかった】のか、あるいは ・委託契約書も作成し契約は交わしていたが【契約書の内容に不備があった】 と、想定できる状況は様々です。 が、少なくとも、委託基準の何らかの条項に違反していたために、廃棄物処理法違反として問わ れる結果となったことは明白です。 このように、廃棄物処理の管理体制に少しでも不備があると、思わぬ側面から委託基準違反を 指摘され、取り返しのつかないこととなる可能性がゼロではない、ということです。 次ページに、日頃から気をつけるべき注意点と対策例をまとめました。 ぜひご確認ください。
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