【変更】検体保管時の温度管理についてのお願い

No.2015-21 Date 2015.5.1
検体保管時の温度管理についてのお願い
謹啓 時下益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別なご愛顧を賜り厚くお礼申し上げます。
さて、血液学的検査や生化学的検査は、検体の保存時間や保存温度の影響を受けやすいこと
から、日頃よりご配慮をいただいていることに感謝申し上げます。
特に全血を用いたヘマトクリット値やカリウム値は、温度の影響を受けやすい項目です。
検体の搬送時及び施設様での保存条件によっては影響を受けることが考えられます。
つきましては全血で採取された検体を至適温度で保管していただきたくお願い申しあげます。
弊社といたしましても検体搬送時の温度管理については細心の注意を払っておりますが、
影響を受ける可能性を否定できないためデータの取り扱いにはご留意ください。
謹白 ● ヘマトクリット値(Ht)
: 全 血 のまま高温状態が続くことで高値化が認められます。
受託要領につきましては、総合検査案内123 ペ ージをご参照ください。
採血後の検体保存において、25℃の室温に保管すると赤血球の形態が変化して、保存時間依存的
にヘマトクリット値(Ht)の上昇が認められます。
保存安定性
108
血液像(赤血球形態)
25℃
106
20℃
変動率(%)
15℃
104
10℃
4℃
102
25℃保 存(24時間後)
100
98
96
採血直後
6h
12h
保存時間(時間)
採血直後
4℃保 存(24時間後)
自社検 討 資 料
○ 同 様に、赤 血 球 指 数( 恒 数 )等でも影響が知られています。
裏面に続きます
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本 社:〒 151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷 5–21–3
総合研究所:〒 350-1101 埼玉県川越市的場 1361–1 ☎ 049(232)3131 FAX 049(232)3132
URL:http : //www . bml . co . jp/
資料、お問い合わせは担当者または最寄りの営業所までお願いいたします。
● カリウム(K)
: 全血のまま保存する場合、温度によりK値が高値化又は低値化する
ことが認められます。
受託要領につきましては、総合検査案内17 ペ ージをご参照ください。
採血後の検体の保存において、20℃以下の条件で保管すると高値化が認められます。又、30℃では
9 時間頃まで低値化を認めます。
夏季に低値傾向、冬季に高値傾向となりやすく、全血では20〜25℃で保管することが望まれます。
保存安定性(全血)
5.5
30℃
カリウム(mEq /L)
5.0
25℃
20℃
15℃
4.5
10℃
5℃
4.0
3.5
3.0
2.5
1h
5h
9h
保存時間(時間)
自社検討資料
【参考資料】
ヘマトクリット値(Ht)
・河野麻理 , 他 : 日本 検 査 血 液 学 会 雑 誌 10 (3 ), 334 - 343, 2009.
「電子顕微鏡を用 いた採 血 管 内での 経 時 的な血 球 形 態 変 化と多 項目自動 血 球 分 析 装 置 測 定 値との 比 較 」
・浜口行雄 , 他 : Sysmex Journal 7(2), 124 -132, 1984.
「採血後の経時変 化について( ヘマトクリット値 の 経 時 変 化を中 心に)」
カリウム(K)
・津田聡一郎 , 他 : Medical Technology 37(臨時増刊), 1600 -1604, 2009.
「 外注検体の保管 」