高分子化学Ⅱ 平常テスト⑦標準解答(H24.05.31) 1 次のポリマー合成に関し、反応式(物質収支は正確に)と生成ポリマーの IUPAC 名を答えよ。 (1) 等物質量の 1,6-ジアミノヘキサンとヘキサメチレンジイソシアナートを反応させる n・H2N-R-NH2+n・OCN-R-NCO → -[NHRNH-CONHRNHCO]n-(≡ -[NHCONH-R]2n-) ただし、-R- ≡ -(CH2)6- とする。IU は-[NHCONH-R]2n-の構造式を採用して、 poly(iminocarbonyliminohexamethylene) (2) AlCl3 存在下に等物質量のイソフタル酸クロリドとジフェニルエーテルを反応させる 2n・AlCl3 n・ClCO-φ’-COCl+n・Ph-O-Ph -[CO-φ’-CO-φ-O-φ]n-+(2n-1)・HCl ≡ -[O-φ-CO-φ’-CO-φ]n- poly[oxy(p-phenylene)isophthaloyl(p-phenylene)] ただし、-φ’-と-φ-は、それぞれ m-と p-C6H4 基。AlCl3 は、最低 2n モル必要(Friedel-Crafts アシル 化では、生成するカルボニル化合物と AlCl3 が >C=O・・・AlCl3 ⇌ >C+-O-Al-Cl3 のような安定錯 体を作るので、AlCl3 は消費されていく。有機化学Ⅲで学習したはず)。 (3) 等物質量の炭酸ジフェニルとビスフェノール A を 200~300℃で加熱する n・Ph-OC(=O)O-Ph+n・HO-φ-C(CH3)2-φ-OH → -[C(=O)-O-φ-C(CH3)2-φ-O]n-+(2n-1)・PhOH ≡ -[O-C(=O)-O-φ-C(CH3)2-φ]n- poly[oxycarbonyloxy(p-phenylene)(2,2-propylidene)(p-phenylene)] -φ-の定義は(2)と同じ。 2 等物質量仕込み(初期濃度を C0 とする)の二官能性モノマー同士の重付加の素反応を平衡とみな し、平衡定数を K とするときの、平衡時における到達最高重合度 Xn を計算せよ。 K= C0p C02(1-p)2 Xn = 3 1 1-p = = p , p= 2KC0+1-(4KC0+1)1/2 C0(1-p)2 2KC0 (4KC0 +1)1/2-1 ≒ 2KC0 2KC0 (4KC0 )1/2 ≒ (KC0)1/2 (∵KC0≫1) トリレン-2,6-ジイソシアナート 80.00(g)に対し、その官能基の 80.00mol%に相当する Xn=15.00 の両末端アルコール型オリゴエチレングリコールχ(g)を加え、残るイソシアナートをちょうど満足す べく水y(g)とグリセリンz(g)を加えて反応させた。ただし、『モル比(水/グリセリン)=ぴったり 1/1』である。χ,y,zを求めよ。原子量は、C:12.01,H:1.01,O:16.00,N:14.01。 Mw(トリレン-2,6-ジイソシアナート):C9H6O2N2=174.17, Mw(オリゴ EG):C30.00H62.00O16.00=678.92 χ=(80.00/174.17)×0.8000×678.92=249.4740≒249.5(g)// イソシアナート官能基は、(80.00/174.17)×(1-0.8000)×2(個) (formol,通常 F で表す)だけ残存する。 [水]=[グリセリン]=α(mol)とすると、それぞれの官能基当量は 2αおよび 3α(F)である。 したがって、(80.00/174.17)×(1-0.8000)×2=2α+3α,α=3.674570822・10-2(mol) Mw(水)=18.02, y=18.02×3.674570822・10-2=0.6621576621≒0.6622(g)// Mw(Gly)=92.11, z=92.11×3.674570822・10-2=3.384647184≒3.385(g)//
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