440号 - 衣笠病院

衣笠
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I
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U
G
A
A
440
第
号
June.2011
2011年6月1日発行
社会福祉法人
わたしの兄弟である
この最も小さい者の一人にしたのは
わたしにしてくれたことなのである
日本医療伝道会
Japan Medical Mission
http://www.kinugasa.or.jp
マタイによる福音書 25章40節
2
被災地を訪れて
社会福祉法人 日本医療伝道会 衣笠病院との
出会いからの出発
社会福祉法人 日本医療伝道会 監事
S
法人事務局次長 阿部 誠
被災地釜石市での活動報告
衣笠病院 副看護部長 生野 彦
1966年に三崎教会に赴任した翌年、妻が胃潰瘍を患い衣笠病院に長
期入院しました。そのときの主治医が宮地利彦先生(第3代衣笠病院院長・
3
4
初代衣笠ホーム長)でした。その頃は三浦半島には全く不案内の私たち
ホスピスお花見
ホスピス病棟 看護師 尾関あい
柳井芳明(ケアセンター事務長)
5
近隣教会のご紹介
日本キリスト教団 浦賀教会
きに強い影響を与え、三浦半島が自分の人生で一番長い歳月を歩む所と
今月の聖句
なりましたのは、この妻の入院生活からの出発でありました。
日本キリスト教団 浦賀教会 牧師 楠原博行
衣笠病院は戦後の荒廃のなかで、キリストの愛の精神である、聖書の
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礎を築いてきたことを教えられました。ところが創立12年後に発生し
た再起不能とさえ言われた1960年の火災事故から受けた衝撃はこの
施設サービス課長 角屋吉位
法人ボランティア委員会委員長
キリスト教主義病院を知り、そして戦後の横須賀にある病院、教会、学校、
み言葉を掲げ、病院の草創期に働かれたすべての人々の奉仕の精神が基
大規模災害対策について
ボランティア感謝会報告
でしたが、宮地先生のお人柄とそこに働く人々のひた向きな姿を通して
福祉を築いてきた人々の群像を知る機会となりました。私の三浦での働
中村晃子
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職員の研修について
研修委員会委員長 大坪まゆ美
(衣笠病院副看護部長)
新任ドクター紹介
人々にとってあまりにも大きかった。16名の犠牲者の弔慰と事後処理
定年を迎えた皆様
に病院側の人々は、自責とお詫びの日々、ゆるしを乞うのみで何も考え
行事カレンダー
る余裕はなかったと記念誌に書かれています。筆舌に尽くし難い出来事
であったのです。
この試練を乗り越えてきた病院の歴史が、今の衣笠グループの施設を
支えていることを忘れてはならないでしょう。この原稿を書いている折
りしも東日本大地震の災害が発生し、被災地で苦しみに耐える人々を前
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ぶどうの木
放射線技術科 主任 田中裕樹
衣笠ろうけんに軽自動車寄贈
衣笠ホームからお知らせ
にできることは、神のみ旨を求め、ただひたすらにその悲しみを受け止
めて神の助けを祈るだけです。
プロフィール
京都府出身。大阪府立大学、麻布獣医科大学、大阪基督教学院卒業。
日本自由メソ
ジスト教団牧師を経て、1966 年より日本基督教団三崎教会牧師。
本年より同教
会協力牧師。その間、社会福祉法人三崎二葉会を設立(保育 3 施設、
介護 2 施設)
し、
運営管理者として現在に至る。
衣笠ホーム・イースター
被災地を訪れて
社会福祉法人 日本医療伝道会
法人事務局次長 阿部
誠
当法人の生活支援チーム派遣のため、私と角屋施設サービ
ス課長が被災地へ事前調査に行きました。
4 月 7 日早朝病院を出発し、午後 2 時宮古市に到着。津波
左から松田総主事、森分牧師、筆者(宮古教会にて)
が到達しなかった場所は家屋の倒壊もない通常の風景も、到
達現場に入ると全てが押し流された異様な状況でした。宮古
台市街は建物の倒壊は見られませんでしたが、屋根の破損の
教会では森分和基牧師と富山 YMCA 松田誠一総主事が迎え
ため補修している家が随所にあり、
道路も各所に段差が見られ、
てくれました。教会は「ボランティア事務局」として YMCA
激しい揺れがあったことが感じられました。
が調整担当をしており、病院で預った応援メッセージと支援
森分牧師からは
「困難の中にもボランティアと共に礼拝を守っ
物資の半分を届けました。その後松田総主事の助言を受け、
ている」こと、松田総主事からは「子供たちの精神ケアが必
田老地区を訪れました。町全体が壊滅し、
震災から 4 週間経っ
要である」こと、また高橋理事長からは「東北の方々は我慢
ても自衛隊の遺体捜索と瓦礫撤去作業が行われていました。
強く、なかなか自分の心の苦しみを他人に打ち明けることが
盛岡で震度 6 の余震があったため、翌 8 日は釜石への訪
出来ない方が多い」ことを伺い、今後被災地の方々に心のケ
問予定を中止し、支援物資は日本基督教団奥羽教区に委ね
て、仙台へ移動しました。翌 9 日朝に現地の精神障害者支援
アが特に必要であることを教えられました。
復興に当たっては、いくつもの課題が山積していますが、
NPO 法人の高橋理事長と面会し、当法人の生活支援チーム
被災者の方々の立場に立って、出来ることを共に考え、祈り
の受け入れ先を打診し、震災支援の情報を交換しました。仙
続ける事が求められているのではないでしょうか。
被災地釜石市での活動報告
衣笠病院 副看護部長 中村 晃子
JCMA(日本キリスト者医科連盟)と JOCS(日本キリス
私 達 の滞 在中に
ト教海外医療協力会)の依頼で、東日本大震災看護師ボラン
は インフ ル エン
ティアとして、ホスピス看護師と共に岩手県釜石市に行って
ザや急 性胃腸炎
まいりました。4 月17日池袋駅より大槌駅前行き夜行高速バ
で の 隔 離、ま た
ス(遠野・釜石号)に乗り、4 月18日午前 8時に釜石駅前到
肝硬変の悪化で
着。活動拠点となる釜石市民体育館では保健室として一室頂き、 の入院や救急で
秋田県から来られた保健師さんと(筆者中央)
JOCS の医師・JCMA の看護師・保健師等が活動しておりま
の受診など私達看護師として関わる部分が沢山ありました。
した。私達の活動場所は、釜石市体育館(245 名)と釜石中
17時からはシープラザ釜石での活動報告会にも参加させて頂
学体育館(124 名)
、中妻体育館(141名)の 3 箇所。活動
きました。衣笠病院グループから看護師 2 名が一週間ずつボ
内容は釜石市民体育館での 24 時間健康相談、健康管理と 3
ランティアに行っておりますが、5 月15日からの第 4 班でボ
箇所の巡回診療と秋田県の保健師、
和歌山県の心のケアチーム、 ランティアが終了致します。私達が日頃忘れがちな、労わり
県立釜石病院医療チームとの連携でした。避難場所の食事は、 や思いやり、感謝の言葉、必要以上の物を欲しがらず分け合
朝白いご飯のおにぎり2 個、昼菓子パン、夕は避難所共通の
う精神を被災して大変な中にある方々から学ばせて頂きました。
お弁当でした。野菜不足や運動不足、既往疾患などから日頃
釜石市長の「撓まず屈せず」のメッセージを心に留め、微力
の血圧より20mmHg 以上高い方が大勢いらっしゃいました。
ながらも復興まちづくりを支援していきたいと思っております。
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No.440 June 2011
たわ
大規模災害対策について
施設サービス課長 角屋 吉位
2011 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災(東北地方太
ホームが対象地区となりました(衣笠病院・ろうけんは対
平洋沖地震)は、東北地方太平洋沿岸部に壊滅的な被害を
象区域外)。電気の消費状況によっては大規模停電の可能性
もたらしました。死者・行方不明者は約 26,000 人、建造
もある中での運営となり、この日以降 3 月 23 日まで毎朝
物の全半壊は 10 万棟以上、ピーク時の避難者は 40 万人以
夕に全体のミーティングを行い、情報の共有に努めました。
上とも伝えられています。亡くなられた方のご冥福をお祈
その後計画停電は終了し、今日までほぼ通常通りの運営が
りし、被災された方へお見舞い申し上げます。
できています。しかし今後も夏季に向かって電力不足が懸
地震発生後に行われた、当法人各施設の対応についてご
念されており、大幅な節電対策を求められています。
報告いたします。地震発生直後、法人ではただちに「災害
今回の震災による人的・物的被害はありませんでしたが、
対策本部」を設置し、各施設の被害状況の把握と以後の対
災害発生直後の通信機能の麻痺で、各施設の被災状況の把
応を協議しました。当日は各施設間でも電話が繋がらない
握には時間を要すること、停電による影響は非常に大きい
状況が続き、正確な情報収集には困難が伴いました。結果
ことを実感させられました。
的には、地震による直接的な患者様・利用者様・職員への
地震、津波等の自然災害を防ぐことは出来ませんが、被
被害は無く、施設の損壊も無かったことが判明し、幸いで
害を最小限にとどめ、二次災害を防ぐことは可能です。正
した。なお地震発生後から東京電力管内では大規模な停電
確な情報を短時間で把握し、必要な対策を 24 時間、速やか
が発生し、衣笠ホームおよび長瀬ケアセンターへの電力供
に行える体制を構築する必要があります。被災地に想いを
給も止まったため、自家発電機が稼動いたしました。一方、
馳せつつ、今後とも安全な施設の運営に努めて参りたいと
衣笠病院はエレベーターが停止したのみで、
停電は発生せず、
思います。
通常の診療を継続することができました。このため、病院
から人員を停電中の各施設に派遣し、
自家発電機の燃料補給、
施設内安全確認などの応援に努めました。商用電源は翌朝
には復旧しましたが、長瀬ケアセンターの 3 月 12 日のデイ
サービスは休止させて頂きました。
15 日からは計画停電が開始し、長瀬ケアセンターと衣笠
お 詫 び
3 月19 日(土)に横須賀学院で予定しておりました「衣笠
ホスピス公開セミナー」は、震災の影響により中止させてい
ただきました。
開催を心待ちにされていた方、また関係者の皆様には心よ
りお詫び申し上げます。なお、震災の影響が落ち着きました
ら改めて企画をし、皆様にお知らせいたします。
謹んで震災のお見舞いを申し上げます
この度の東日本大震災で多くの方が亡くなられたことに深い哀悼の意を表します。
また被災され、今なお大きな苦しみと困難の中におかれている方々に心よりお見舞い
申し上げます。一日も早い復旧・復興がなされ、
皆様に癒しと平安がもたらされますよう、
お祈りいたします。
衣笠病院グループでは、被災された方への医療・福祉サービスの提供に積極的に取り組んでまいります。
社会福祉法人 日本医療伝道会(衣笠病院グループ)
理事長 室谷 千英
役員・職員一同
2011 年 6 月 1 日
No.440 June 2011
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ホスピスお花見
ホスピス病棟 看護師 尾関 あい
『ホスピスの花見は、患者さんにとっての最後の花見になる
いお茶・ビールなども用意しました。4 月7日花見当日、空は
から出来れば見せてあげたいね』
やや薄曇り。天気予報では一番の最高気温と予想されて、予定
毎年行われるホスピスの病棟のお花見は、衣笠山公園で行
通りに衣笠山へ出発。10 分程度のドライブの後、山頂へと到
われています。しかし今年は震災の影響もあり、衣笠山公園で
着し目の前に広がったのは満開の桜。普段眠ったままでいるこ
の桜祭りは中止になってしまいました。例年ならボランティア
とが多い患者さんも、この時ばかりは目を開けて視界に映る桜
で踊りなどを披露してもらったりして花見を盛り上げて頂いて
の花を嬉しそうに眺めていた表情がとても印象的で、準備の忙
いましたが、今年はそれができず、また例年より開花も遅かっ
しさや大変さなど一瞬で吹き飛んでしまい、ご家族と共に患者
たため、時期の決断が難しかったです。続く余震。行く前はや
さんを囲んで微笑み返してしまう医療者の姿が多く見られました。
。そう言ったのは、食べる
はり不安もありましたが、それ以上に花見に対する気持ちが大 「空気の匂いが違うって言うんです」
きく、スタッフにあった「きれいな桜を見せてあげたい」とい
ことが出来ず日々のほとんどを眠って過される患者さんのご家族。
う気持ちと、患者や家族も「花見に行きたい」
「花見をさせて 「どうせ行っても動けないし、やる事なんてない」と最初は参
あげたい」との共通の気持ちがあり、例年通り行う事になりま
加を迷っていましたが、当日「行きます」と首を縦に振ってく
した。食べられな
れました。妻と愛犬を連れての花見。リクライニング車椅子に座っ
い 患 者 さ ん に は、
たまま、気持ち良さげに目を閉じ眠っている姿は、とても幸せ
ゼリーやプリンな
そうに見えました。結局何も口にする事は出来ませんでしたが、
どの軟らかいもの。
花の匂いがその患者さんにとってのご馳走のように見えました。
ご家族も一緒に楽
『ホスピスの患者さんにとっては最後となる桜』その言葉の
しめるようにとオー
深い意味を花見をする患者さんやご家族の姿を見るたびに思
ドブルなども用意。
い知る。どうか思い出すたびに、
笑顔になるような思い出となっ
温かいお茶に冷た
てくれることを願ってやまないです。
ボランティア感謝会報告
法人ボランティア委員会委員長 柳井 芳明(ケアセンター事務長)
2 月 26 日(土)
、
毎年恒例の衣笠病院グループ「ボランティ
の思い込みではなく、
ア感謝会」を開催いたしました。今年度は過去最高の 103
相手が何をして欲し
名ものボランティアの皆様にご参加いただきました。感謝
いかを確認する大切
申し上げます。
さを再認識できた」
室谷理事長の挨拶で開会され、基調講演はルーテル学院
などの感想をいただ
大学の市川一宏学長をお招きして「明日を拓くボランティ
きました。
ア活動」と題したご講演をいただきました。
茶話会では、日頃
さすが学長です、まるで授業のように、教室の中を歩き
会えないボランティアさん同士の会話も弾み、各事業所、
参加者の方々に質問される場面もあり生徒になった気分で
施設の活動報告がされました。また代表のボランティアさ
程よい緊張感も有りました。
んからの挨拶もあり、情報共有と良き歓談の一時となった
その楽しい授業の中からボランティア活動の新しい視点
と思います。
4
No.440 June 2011
を見いだす事が出来
最後に秋山看護部長より日頃の活動に対する感謝と、今
とても良い学びの時
後さらに活躍が広がるよう祈るメッセージが語られ、閉会
となりました。参加
となりました。
されたボランティア
短い時間ではありましたが、ささやかな感謝と交流の場
さんからは、
「とても
とさせていただきました。今後も衣笠病院グループでの良
よい話だった」、「声
きボランティアの働きが出来ますよう法人としても努力し
掛けの大切さ、自分
てまいります。皆様のご健康とご活躍をお祈り申し上げます。
近隣教会のご紹介
み き ぞ う
日本キリスト教団
浦賀教会
松尾造酒蔵牧師
(衣笠病院第 2 代理事長)
の三浦伝道の幻は、
チワークなどの
浦賀の地でも実りました。東京湾を往来する船舶を見守り、
趣味の会も開か
浦賀船渠で栄えたこの街で家庭集会が始まったのは 1951 年。
れています。教
4 年後には教会が設立されました。2006 年には、創立 50
会外壁に掲げら
周年を記念して、京急浦賀駅にほど近い現在地に移転、新
れた「日曜日は
会堂を建築されています。
教会へ」との垂
ドック
「この会堂は、説教壇と会衆席の間が狭いでしょ。私はそ
れ幕は、心から
れがとてもいいと思っているんです」と楠原博行牧師。教
来会者を歓迎す
会に来られる方と一緒に聖書を味わうことを大切にされて
る印。楠原牧師とご伴侶・彰子牧師(武山教会:本誌 438
いるそうです。ドイツで博士号を取得された楠原牧師の専
号掲載)が、横須賀市東端と西端のそれぞれの教会で、地
門は旧約聖書神学。
「たくさんの人が聖書の物語を自分たち
域の伝道を担っておられます。
の生活の中で受け止めてきました。それを知るのも楽しい
■牧 師 楠原 博行
関心は文学や映画
■主日礼拝 毎週日曜日 午前 10:30
ています。
初 め て 来 て も、
長くいても居心地
の良い教会。パッ
日本キリスト教団
浦賀教会
ひろゆき
で す よ 」。 先 生 の
の世界にも広がっ
今月の聖句
くすはら
(ふれあい広報課 大野)
■教会学校 毎週日曜日 午前 9:00
■祈 祷 会 毎月第 1・3・4 週の水曜日 午前 10:30
毎月第 2 週の火曜日 午後 7 時
所在地:横須賀市浦上台 3-11-13
TEL:046-841-6912
「高い所にいるものも、
低い所にいるものも、
他のどんな被造物も、
わたしたちの主キリスト・イエスによって示された神の愛から、
わたしたちを引き離すことはできないのです」
ローマの信徒への手紙 第8章39節
牧師 楠原 博行
大きな災害がありました。なぜこのような大きな被害が。なぜ多く
の人々の命が。なぜ愛する私の家族が。それは私たち皆の思いです。直後に仲間の牧師
「礼拝する私たち」
がインターネットを通じて諸教会の状況を知らせてくれました。多くの人々の命が奪わ
れたこと。また心配していた方々の無事について。今、私たちの信仰が問われる時だと
思います。忘れられませんのは、地震翌日土曜日に現地の牧師達が記していた明日の礼拝だけはという思いです。そ
の主の日の礼拝で思いました。私たちも、なお災害のまなかにある方々も、時を全く同じくして礼拝を守っているの
だということを。阪神淡路の震災直後に、呼ばれて関西にある私の出身教会の講壇を守ったことを思い出します。あ
る新聞が震災について「まったく、不条理としか言いようがない…一夜にして、すべて灰燼に帰した…この世の無常
を感じさせた」と記していたと告げたのです。条理とは物事の筋道が通っていることを言う言葉だそうです。しかし
それが通っておらず、この世界は無常と言うのです。不条理との言葉に対峙します時、私たちは正反対のところに立っ
ています。その声に逆らって、私たちは神さまが導いて下さる道に立っているからです。条理の条は枝の先の末端を
意味するそうです。つまり不条理とは枝の先々がうまくつながっていないとの語なのです。不思議に思います。私た
ちはキリストという木の枝であると自らを言いあらわしているからです。その枝は先々までつながり、決してキリス
トから切り離されないと信じているのです。大きな災害に心を配りつつも、私どもが礼拝に集うのは、そこにあるか
らだと思います。ロマ書の御言葉は、私たちが神様の愛から切り離されないことを告げます。災いも、何によっても、
イエス・キリストと共にある人生を送る人は、
神様の愛から切り離されることはあり得ない。それが人間を支え励ます、
慰めとなる、これが私たちに与えられた言葉です。
No.440 June 2011
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職員の研修について
平成21年度、衣笠病院グループの全職員を対象にした研修
研修委員会委員長 大坪 まゆ美(衣笠病院副看護部長)
会のなかった部署からの参加をいただけるようお願いします。
は21回行われました。採用研修(新人オリエンテーション)
、 *衣笠病院ケアセンター所長 佐野かず江 業務改善報告を
管理職研修、倫理研修等々延べ1666 人の職員の参加があり
するのか、もう少しダイナミクスに研究発表形式がいいのか
「法人各部署間での活動や業
ました。企画・運営・実施・評価を担う、
「研修委員会」は、 など企画に悩みました。今回は、
法人内職員15 名で構成されています。今回は主に携わった研
務改善への取り組みを知る機会となり、業務改善に取り組む
修委員の声と共に、今年度で第 4 回目となる業務改善報告会
ことを意識し、経営に参画している実感を持つ」という第1回
と新人オリエンテーションの紹介をさせて頂きます。
開催趣旨に立ち返り、準備をスタートしました。個人的には
準備が十分にできなかったという反省点もありますが、皆様
のご協力もいただき無事に終えることができ感謝しています。
第 4 回 業務改善報告会
「衣笠病院グループ職員の行動指針」
において、
「全人的医療・
全人的介護」の理念を実践し、利用される全ての方々の意向
今回発表希望があっても発表演題に制限があるため発表でき
なかった部署もありますが、次回へつなげたいと思います。
を尊重して最善のサービスを総合的に提供することが求めら
れています。行動指針を真摯に受け止め、職員の高い理想と、 新人オリエンテーションを担当した
相互理解があったからこそ実現できた改善内容でした。
「食事指導研修増加の取り組み」衣笠病院 栄養科
*総務部長 赤澤 均
4 月1日新人オリエンテーションを実施しました。37 名の
「健診システム導入における改善点」健康管理センター
出席者に対し法人のビジョンや組織、基本方針や行動指針、災
「メディカルクラークを取得して」衣笠病院医事課
害対策、個人情報保護、医療安全管理など、幹部職員により
「衣笠ろうけんデイケア加算取得への取り組み」衣笠ろうけん
社会人としてこの法人で働いていくための基礎講義を行った他、
「なんたって 23名自立支援とチームワーク」
各所長や事務長らによる敷地内各施設の紹介、
またバスをチャー
ケアセンター 葉山通所介護事業所
「身体拘束廃止委員会の取り組みについて」衣笠ホーム 「湘南国際村クリニックという名の業務改善」湘南国際村クリニック
ターした上での敷地外施設の見学ツアーを行いました。
辞令交付の時にガチガチ固まっていた新規採用職員も、バ
スによる見学ツアーの頃になるとそれぞれの顔から笑みがこ
ぼれ、
なごやかな雰囲気となっていました。参加者対象のアンケー
業務改善報告会を担当した研修委員
トからは、この見学ツアーが非常に有意義であるとの結果が
*医事課 主任 宮崎哲平 各施設の発表という事で業務改
得られました。今後の法人を担ってくれるであろう若い力をう
善の内容を直接関係される施設のみならず、多くの方にその
まく引き出し、段階的に成長してくれるよう促進し見守ること
内容を広める事が出来、普段は接点が少ない部署・各施設間
が、我々研修委員会の重要な任務であると思っています。
の理解を深めるという点でも良かったです。しかし研修委員
としては、準備で研修委員間でのやりとりはもっぱら電話・伝
言などになってしまいました。勤務もあり、本番等の打ち合わ
せも一同に集まる事は難しかったのですが、最終的には皆さ
んのご協力のもと報告会を無事に開催することが出来ました。
*リハビリテーション技術科主任 根岸ひろ美 法人内の各施
設からの発表をお願いし、それぞれの特徴のある内容での報
告会になりました。職種や業務内容の違いはあるものの、で
きる限りのサービス提供への努力をしていることを感じ、自分
の振り返りの機会ともなりました。今後はこれまでに発表の機
ヘルパー川柳 Vol.4
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No.440 June 2011
入浴(ふろ)
介助 眉毛なくなり 「あなた誰?」
真剣に施設の説明を聞く新入職員(葉山町デイサービスにて)
ガソリンなし ひやひやしながら 先急ぐ
新 任 ド ク タ ー 紹 介
耳鼻咽喉科主任医長
仁保 達夫
新たにお迎えした先生にお伺いしました…
①出 身 地 ②出身大学・専門分野 ③趣 味 ④心掛けていること
整形外科医師
藤井 厚司
2011 年 4 月就任
①横浜
②札幌医科大学
横 浜市大在職中は、音声・嚥下外来の担
当でした。
③学 生時代水泳部でした。定期的に泳ぎに
行こうと考えています。
④患者様たちのお話をまずよく聞いて、それら
を整理してお伝えするように心掛けています。
2011 年 4 月就任
①川崎
②聖マリアンナ医科大学
整形外科 一般整形・脊椎
③食べ歩き、旅行
④親 切に分かりやすく丁寧に説明いたしま
す。
定年を迎えた
皆様
衣笠病院 看護師
勤続:30 年余
浜口 寿々子さん
衣笠病院 看護師
勤続:20 年余
山村 みよ子さん
衣笠ホーム 介助員
勤続:16 年余
岩崎 江里子さん
衣笠ホーム 介護員
勤続:6 年余
栗本 加代子さん
あなたの出で立つのも帰るのも
主が見守ってくださるように。
今も、そしてとこしえに。
衣笠ホーム 介護員
勤続:5 年余
服部 美千代さん
長瀬ケアセンター 介護支援専門員
勤続:3 年余
田中 真理さん
行事カレンダー
●健康講座
行事カレンダー
連絡先:046-852-1356 担当 大塚
第 111 回 肩こり予防改善
~効果的な運動とストレッチング~
6 月 30 日(木)
運動指導室 室長 大塚 洋
第 112 回 足と運動
7 月 29 日(金)
健康運動指導士 中村 修
第 113 回 疲労と身体の変化
8 月 30 日(火)
健康運動指導士 三井 つた恵
皆様のご参加
お待ちしています
衣笠ホーム 介助員
勤続:1 年余
荒井 美佐江さん
詩編 121:8
●がん緩和ケア相談サロン
連絡先:046-852-1182
医療福祉相談室・ふれあい広報課
対 象:がん患者さんおよびご家族、緩和ケアに関心があ
る医療従事者
6月11日(土) ホスピス看護師によるレクチャーとサロン
8月13日(土) 薬剤師によるレクチャーとサロン
●糖尿病教室
連絡先 046-852-1490 総務課
食事療法・栄養指導・糖尿病の検査 他
6月9日(木) 14:00~16:00
食事療法・栄養指導・薬物療法 他
7月14日(木) 14:00~16:00
食事療法・栄養指導・運動療法 他
8月11日(木) 14:00~16:00
●パイプオルガンミニコンサート
第 186 回 6 月 25 日(土)15 時~
第 187 回 7 月 23 日(土)15 時~
第 188 回 8 月 27 日(土)15 時~
演奏:八木 史子
演奏:小林ゆかり
演奏:江川 郁代
No.440 June 2011
7
第2回
ぶどうの 木
胃がん検診専門技師
マンモグラフィ技術試験成績認定者
放射線技術科 主任 田中
専門的な分野で活躍するスタッフによるリレー連載です。
私たち診療放射線技師の仕事は、医師の指示のもと放射線
裕樹
び技術的サポート、
を人体に照射し撮影した画像を医師に提供しています。当院
共同研究の参与等
での業務内容は、一般撮影・CT・X 線造影などの放射線を
により、専門性・
利用する検査と放射線を利用しない強力な磁石を利用して画
安全性を担保でき
像を作る MRI などの検査を行っています。医療の高度化・複
る人材を育成する
雑化に伴い放射線検査や画像管理に関する業務が増える一方、
事です。この専門
患者様・家族の方々からは、質が高く、安全・安心な医療を
的な撮影技術の普
求める声が高まっている状況にあります。私たち放射線技術
及と実践とが伴えば、適切な画質による医療の有益な情報提
科では、初心・チーム医療・技術向上を基本方針に掲げ、患
供が出来、さらには患者様から見た医療に対する満足度と安
者様の状況に的確に対応した医療の提供を心がけています。
心に貢献すると私たちは考えています。
当該業務の専門家として技師の中には特定の検査に精通し
私も診療放射線技師として当院に勤務すること13 年にな
た専門認定技師がいます。当院には、胃がん検診認定・マン
りますが、日々学習の毎日です。患者様はじめ多くの方々と
モグラフィー認定の資格を持つ技師が在籍しています。その
のご縁を大切にし、初心を忘れず情熱を持って邁進して行き
役割は例えば、安全管理や技術の指導教育、ガイドライン及
たいと思います。
去る 4 月 22 日、
「神奈川県遊技場協同組合・神奈川福祉事業協会」
衣笠ろうけんに
様より、衣笠ろうけんに軽自動車 1 台が寄贈されました。横須賀
軽自動車 1 台が
は谷戸や細い道が多く、軽自動車は活躍が期待されます。感謝を
寄贈されました
もって在宅訪問サービスなどに使用させて頂きます。
衣笠ホームからお知らせ
●第 8 回 衣笠ホーム芦名まつり
●喫茶オリーブ
毎年 7 月実施の “ 衣笠ホーム納涼会 ” を 11 月 3 日(祝日)
毎月 “ 第 2・第 4 土曜日、午後 1 時 ” より喫茶オリーブ
11 時〜 15 時に “ 第 8 回 衣笠ホーム 芦名まつり ” と日
を開店しております。ご好評のケーキセットや手作り無
程、名称を変更し開催致します。バザーの充実を図り、よ
添加パンの販売、どなた
り一層地域交流を目的とし地域に根差した “ まつり ” にし
でもご利用いただけます。
て行きたいと思っております。ご協力、ご参加をお願いい
お 気 軽 に お 越 し 下 さ い。
たします。場所:横須賀市芦名 2-4-1 衣笠ホーム(屋外)
月 1 回ヴィオールの演奏
会も開催しております。
※雨天決行
今回の「ちょっとよりみち」はお休みしました。
編集後記
「衣笠」No.440
2011 年 6 月 1 日発行
本号は 3 月 19 日に行われるはずだったホ 子供の手をひき、逃げ惑い、最後に手を離し
スピス公開セミナーの特集をくむ予定であり てしまい、愛する子を失った女性の話を聞き
ました。3 月 11 日に発生した東日本大震災 ました。震災から 3 ヶ月近くたち新たな悲し
のため講師の柏木哲夫先生の了解を得て開催 みのうちにいると思います。神様の慰めがあ
中止となり、被災地支援報告を中心として編 りますよう祈ります。
集させていただきました。襲ってくる津波に
8
No.440 June 2011
(M.A.)
発行人
室谷千英
発 行
社会福祉法人日本医療伝道会
〒 238-8588 横須賀市小矢部 2-23-1
TEL. 046-852-1182(代表)
郵便振替口座 00220-2-13963
編 集
社会福祉法人日本医療伝道会
広報委員会
印 刷 (株)ポートサイド印刷