解析学演習(1)

解析学演習(1)
1
(X, · ) をノルム空間, A ⊂ X, A = ∅ とする. x, y ∈ A に対して, d(x, y) = x − y
と定義すると, (A, d) は距離空間であることを示せ.
2
(X, ·
X)
を Banach 空間, A を X の閉部分空間とする. このとき, x
(x ∈ A) とすると, (A, ·
3
A)
A
= x
X
は Banach 空間であることを示せ.
集合 X から集合 Y への写像全体の集合を F(X, Y ) で表す. K を実数体 R または
複素数体 C とする. Y が K 上の線形空間であるとき, f , g ∈ F (X, Y ), c ∈ K に対して,
f + g, cf ∈ F(X, Y ) を
(f + g)(x) = f (x) + g(x) (x ∈ X),
(cf )(x) = cf (x) (x ∈ X)
と定義すると, F(X, Y ) は K 上の線形空間であることを示せ.
4
X を集合, Y をノルム空間, f ∈ F (X, Y ) とする. { f (x) : x ∈ X} が上に有界であ
るとき, f は有界であるという. X から Y への有界な写像全体の集合を F∞ (X, Y ) で表す.
このとき, F∞ (X, Y ) は F(X, Y ) の部分空間であることを示せ.
5
f
X を集合, Y をノルム空間とする. f ∈ F∞ (X, Y ) に対して,
∞
= sup{ f (x) : x ∈ X} と定める. このとき
(1) F∞ (X, Y ) はノルム空間であることを示せ.
(2) Y が Banach 空間であるとき, F∞ (X, Y ) は Banach 空間であることを示せ.
ˆ = {1, · · · , N } とおく. f ∈ F (N
ˆ , R) と (f (1), · · · , f (N )) ∈ RN
N ∈ N に対して, N
ˆ , R) は RN と同一視することができる. また, F(N
ˆ , R) =
を同一視することにより, F(N
注意
ˆ , R) だから, x = (ξ1 , · · · , ξN ) ∈ RN に対して, x
F∞ ( N
定めると, 5 (2) より, (RN , ·
注意
∞)
∞
= max{|ξk | : k = 1, · · · , N } と
は Banach 空間であることが分る.
f ∈ F(N, R) と実数列 (f (k))k∈N を同一視することにより, F(N, R) は実数列全体の集
合と同一視することができる. また, 有界な実数列全体の集合を l∞ と表すと, l∞ = F∞ (N, R)
だから, x = (ξk )k∈N ∈ l∞ に対して, x
l∞
= sup{|ξk | : k ∈ N} と定めると, 5 (2) より, l∞
は Banach 空間であることが分る.
1 1
+ = 1 とする. このとき, − log が (0, ∞) 上の凸関数であることを用いて,
p q
1
1
∀a, b ≥ 0 に対して, ab ≤ ap + bq が成り立つことを示せ.
p
q
6
p > 1,
1
7 (H¨older の不等式)
p > 1,
N
RN に対して,
1 1
+ = 1 とする. このとき, ∀(ξ1 , · · · , ξN ), (η1 , · · · , ηN ) ∈
p q
1/p
N
|ξk ηk | ≤
|ξk |
k=1
1/q
N
p
|ηk |
k=1
q
が成り立つことを示せ.
k=1
1/p
N
8
N
0 < p < ∞, x = (ξ1 , · · · , ξN ) ∈ R
に対して, x
p
=
|ξk |
p
と定める.
k=1
(1) 1 ≤ p < ∞ のとき, (RN , ·
p)
N
(2) 0 < p < 1 のとき, (R , ·
p)
はノルム空間であることを示せ.
はノルム空間でないことを示せ.
(3) 1 ≤ p < q < ∞ のとき, ∀x ∈ RN , x
(4) 1 ≤ p < ∞ のとき, (RN , ·
(5) ∀x ∈ RN , lim x
p→∞
9
p
= x
p)
∞
∞
≤ x
q
≤ x
p
≤ N 1/p x
∞
を示せ.
は Banach 空間であることを示せ.
を示せ.
1 ≤ p < ∞ に対して, 数列空間 lp を次のように定義する.
1/p
∞
p
l = {x = (ξk )k∈N ∈ F(N, R) : x
lp
< ∞},
x
lp
|ξk |
=
p
.
k=1
p
(1) 1 ≤ p < ∞ のとき, l はノルム空間であることを示せ.
(2) 1 ≤ p < ∞ のとき, lp は Banach 空間であることを示せ.
10
収束実数列全体の集合を (c), 0 に収束する実数列全体の集合を (c0 ) で表す.
(1) (c) は l∞ の閉部分空間であることを示せ.
(2) (c0 ) は l∞ の閉部分空間であることを示せ.
(3) 1 ≤ p < q < ∞ のとき, x
l∞
≤ x
lq
≤ x
lp ,
lp ⊂ lq ⊂ (c0 ) ⊂ (c) ⊂ l∞ を示せ.
(4) 1 ≤ p < q < ∞ のとき, lp = lq , lq = (c0 ), (c) = l∞ を示せ.
11
X, Y をノルム空間, A ⊂ X, a ∈ A, f ∈ F (A, Y ) とする.
(1) f が a で連続であることの定義を述べよ.
(2) f が A で連続であることの定義を述べよ.
(3) f が A で一様連続であることの定義を述べよ.
12
X, Y をノルム空間, A ⊂ X とする. A から Y への連続な写像全体の集合を C(A, Y )
で表す. また, A から Y への連続かつ有界な写像全体の集合を C∞ (A, Y ) で表す.
(1) C(A, Y ) は F(A, Y ) の部分空間であることを示せ.
(2) C∞ (A, Y ) は F∞ (A, Y ) の閉部分空間であることを示せ.
(3) Y が Banach 空間であるとき, C∞ (A, Y ) は Banach 空間であることを示せ.
(4) A がコンパクトであるとき, C(A, Y ) = C∞ (A, Y ) を示せ.
2
解析学演習(2)
記号
空でない集合 X の部分集合全体の集合を 2X で表す. また, A, B ∈ 2X に対して,
A \ B = {x ∈ A : x ∈ B}, Ac = X \ A とする.
定義
X を空でない集合とする. M ⊂ 2X が次の (1), (2), (3) をみたすとき, M を X に
おける有限加法族という.
(1) X ∈ M.
13
(2) A ∈ M ⇒ Ac ∈ M.
M を X における有限加法族とするとき, 次を示せ.
(1) ∅ ∈ M.
(2) A1 , A2 ∈ M ⇒ A1 ∩ A2 , A1 \ A2 ∈ M.
n
(3) n ∈ N, A1 , · · · , An ∈ M ⇒
n
Ai ,
i=1
定義
(3) A1 , A2 ∈ M ⇒ A1 ∪ A2 ∈ M.
Ai ∈ M.
i=1
X を空でない集合とする. M ⊂ 2X が次の (1), (2), (3) をみたすとき, M を X に
おける σ 加法族という.
(1) X ∈ M.
∞
c
(2) A ∈ M ⇒ A ∈ M.
(3) Ai ∈ M (i ∈ N) ⇒
Ai ∈ M.
i=1
14
M を X における σ 加法族とするとき, 次を示せ.
(1) M は X における有限加法族である.
∞
(2) Ai ∈ M (i ∈ N) ⇒
Ai ∈ M.
i=1
15
M を X における σ 加法族, E ∈ M, E = ∅ とする. このとき,
ME = {A ∈ M : A ⊂ E} とおくと, ME は E における σ 加法族であることを示せ.
定義
M が X における σ 加法族であるとき, (X, M) を可測空間という.
定義
(X, M) を可測空間とする. µ : M → [0, ∞] が次の (1), (2) をみたすとき,
µ を σ 加法的測度という.
(1) µ(∅) = 0.
∞
∞
Ai
(2) Ai ∈ M (i ∈ N), {Ai }i∈N は互いに素 ⇒ µ
i=1
定義
µ(Ai ).
=
i=1
(X, M) が可測空間, µ : M → [0, ∞] が σ 加法的測度であるとき, (X, M, µ) を
測度空間という.
16
(σ 加法性)
(X, M, µ) を測度空間とするとき, 次を示せ.
(1) A, B ∈ M, A ⊂ B ⇒ µ(A) ≤ µ(B).
∞
(2) Ai ∈ M (i ∈ N) ⇒ µ
Ai
i=1
(単調性)
∞
≤
µ(Ai ).
i=1
3
(劣加法性)
17
X を空でない集合, a ∈ X とし, δa : 2X → [0, ∞] を
1 (a ∈ A のとき)
δa (A) =
0 (a ∈ A のとき)
と定義する. このとき, (X, 2X , δa ) は測度空間であることを示せ. (δa を Dirac 測度という.)
18
X を空でない集合とし,



 0
ν(A) =
n


 ∞
ν : 2X → [0, ∞] を
(A = ∅ のとき)
(A が n 個の元からなる有限集合のとき)
(A が無限集合のとき)
と定義する. このとき, (X, 2X , ν) は測度空間であることを示せ. (ν を計数測度という.)
定義
X を空でない集合とする. µ : 2X → [0, ∞] が次の (1), (2) をみたすとき,
µ を外測度という.
(1) µ(∅) = 0.
19
∞
(2) A ⊂
∞
Ai ⇒ µ(A) ≤
i=1
X
µ(Ai ).
i=1
X を空でない集合, µ : 2 → [0, ∞] とする. このとき, µ が外測度であるための必要
十分条件は, µ が次の (1), (2), (3) をみたすことであることを示せ.
∞
(1) µ(∅) = 0.
(2) A ⊂ B ⇒ µ(A) ≤ µ(B).
(3) µ
∞
Ai
≤
i=1
20
µ(Ai ).
i=1
n ∈ N とし, I = {[a1 , b1 ) × · · · × [an , bn ) : ak , bk ∈ R, ak < bk (k = 1, · · · , n)} とお
く. また, I = [a1 , b1 ) × · · · × [an , bn ) ∈ I に対して, |I| = (b1 − a1 ) · · · (bn − an ) とおく. こ
のとき, A ⊂ Rn に対して
∞
me (A) = inf
∞
|Ii | : A ⊂
i=1
Ii , Ii ∈ I (i ∈ N)
i=1
と定めると, me は外測度であることを示せ. (me を Lebesgue 外測度という.)
21
(X, M, µ) を測度空間とするとき, 次を示せ.
∞
(1) Ai ∈ M, Ai ⊂ Ai+1 (i ∈ N) ⇒ lim µ(Ai ) = µ
i→∞
Ai .
i=1
∞
(2) Ai ∈ M, Ai+1 ⊂ Ai (i ∈ N), µ(A1 ) < ∞ ⇒ lim µ(Ai ) = µ
i→∞
22
Ai .
i=1
ν を N における計数測度とする. Ai = {n ∈ N : n ≥ i} (i ∈ N) とおくと, Ai+1 ⊂ Ai
∞
(i ∈ N) だが, lim ν(Ai ) = ν
i→∞
Ai
であることを示せ.
i=1
4
解析学演習(3)
定義
X = R∪{−∞, ∞} とおく. D : X ×X → X を, a ∈ R, b ∈ R のとき D(a, b) = b−a;
a ∈ R, b = ∞ のとき D(a, b) = ∞;
a ∈ R, b = −∞ のとき D(a, b) = −∞;
a = ∞, b ∈ R ∪ {−∞} のとき D(a, b) = −∞;
a = −∞, b ∈ R ∪ {∞} のとき D(a, b) = ∞;
a = ∞, b = ∞ のとき D(a, b) = 0;
a = −∞, b = −∞ のとき D(a, b) = 0,
と定める. また, P = {x ∈ R : x ≥ 0} ∪ {∞} とおき, a, b ∈ X に対して, D(a, b) ∈ P のと
き, a ≤ b と定める.
23
上で定義した (X, ≤) は全順序集合であることを示せ.
a, b ∈ X, a ≤ b とするとき,
定義
[a, b] = {x ∈ X : a ≤ x ≤ b},
(a, b) = {x ∈ X : a < x < b},
[a, b) = {x ∈ X : a ≤ x < b},
(a, b] = {x ∈ X : a < x ≤ b}
と定義する. このとき, X = [−∞, ∞] である.
24
空でない任意の A ⊂ [−∞, ∞] に対して, sup A と inf A が [−∞, ∞] に存在すること
を示せ.
{an }n∈N を [−∞, ∞] 内の列, I ⊂ N とする. このとき, sup{an : n ∈ I} を sup an ,
定義
n∈I
inf{an : n ∈ I} を inf an とかく. また, {an }n∈N の上極限 lim sup an , 下極限 lim inf an を
n∈I
n→∞
lim sup an = inf sup ak ,
n→∞
n→∞
lim inf an = sup inf ak
n→∞
n∈N k≥n
n∈N k≥n
と定義する.
25
[−∞, ∞] の任意の列 {an }n∈N に対して, lim sup an と lim inf an が存在することを示
n→∞
n→∞
せ. また, −∞ ≤ lim inf an ≤ lim sup an ≤ ∞ を示せ.
n→∞
n→∞
x ∈ [−∞, ∞] に対して, B(x) を, x ∈ R のとき, B(x) = {(x − r, x + r) : r ∈ (0, ∞)};
定義
B(∞) = {(a, ∞] : a ∈ R}; B(−∞) = {[−∞, a) : a ∈ R}, と定義する. また,
O = {A ⊂ [−∞, ∞] : ∀x ∈ A, ∃U ∈ B(x), U ⊂ A} とおく.
26
[−∞, ∞] は O を開集合系とする位相空間になることを示せ.
定義
{an }n∈N を [−∞, ∞] 内の列, a ∈ [−∞, ∞] とする.
∀U ∈ B(a), ∃N ∈ N, {an : n ≥ N } ⊂ U であるとき, a を {an }n∈N の極限といい, lim an = a
n→∞
と表す.
5
27
{an }n∈N を [−∞, ∞] 内の列とするとき, 次を示せ.
(1) {an }n∈N の極限は一意的である.
(2) {an }n∈N の極限が存在する ⇐⇒ lim sup an = lim inf an .
n→∞
n→∞
定義
X
X を空でない集合, µ : 2 → [0, ∞] を外測度とする. A ⊂ X が,
∀T ∈ 2X , µ(T ) = µ(T ∩ A) + µ(T ∩ Ac ) をみたすとき, A を µ 可測集合という.
28
X を空でない集合, µ : 2X → [0, ∞] を外測度, A ⊂ X とするとき, 次を示せ.
A が µ 可測集合 ⇐⇒ ∀T ∈ 2X , µ(T ) ≥ µ(T ∩ A) + µ(T ∩ Ac ).
29
X を空でない集合, µ : 2X → [0, ∞] を外測度とする. µ(A) = 0 のとき, A は µ 可測
集合であることを示せ.
Carath´
eodory の定理
X を空でない集合, µ : 2X → [0, ∞] を外測度とする. µ 可測
集合全体の集合を M(µ) と表し, µ0 = µ|M(µ) とすると, (X, M(µ), µ0 ) は測度空間である.
(X, M(µ), µ0 ) を, 外測度 µ から導かれる測度空間という.
定義
(Rn , Mn , m) を Lebesgue 外測度 me から導かれる測度空間とする. このとき, m を
Lebesgue 測度という. また, A ∈ Mn のとき, A を Lebesgue 可測集合という.
30
I を 20 で定義した Rn の部分集合族とするとき, 次を示せ.
(1) I ∈ I とすると, I は Lebesgue 可測集合で, m(I) = |I|.
∞
n
(2) G を R の開集合とすると, G =
Ii をみたす I の列 {Ii }i∈N が存在する.
i=1
(3) Rn の開集合は Lebesgue 可測集合である.
31
(X, M) を可測空間, f : X → [−∞, ∞] とする. このとき, 次の (1)∼(4) は互いに同
値であることを示せ.
(1) ∀t ∈ R, {x ∈ X : f (x) > t} ∈ M.
(2) ∀t ∈ R, {x ∈ X : f (x) ≥ t} ∈ M.
(3) ∀t ∈ R, {x ∈ X : f (x) < t} ∈ M.
(4) ∀t ∈ R, {x ∈ X : f (x) ≤ t} ∈ M.
定義
(X, M) を可測空間とする. f : X → [−∞, ∞] が上の問題の (1) をみたすとき,
f を M 可測関数という.
32
(X, M) を可測空間, f : X → [−∞, ∞] を M 可測関数とするとき, 次を示せ.
(1) ∀t ∈ R, {x ∈ X : f (x) = t} ∈ M.
(2) {x ∈ X : f (x) = ∞}, {x ∈ X : f (x) = −∞}, {x ∈ X : f (x) ∈ R} ∈ M.
(3) p ∈ (0, ∞) とすると, |f |p は M 可測関数である.
33
(X, M) を可測空間, E ⊂ X とし, E の特性関数を χE で表す. このとき次を示せ.
E ∈ M ⇐⇒ χE が M 可測関数.
6
解析学演習(4)
34
1 ≤ p < ∞ のとき, 数列空間 lp は可分であることを示せ.
35
数列空間 l∞ は可分でないことを示せ.
36
(X, ·
(x, y)
X ),
= x
X×Y
(Y, ·
X
+ y
Y)
Y
を Banach 空間とする. このとき, (x, y) ∈ X × Y に対して,
と定義すると, (X × Y, ·
X×Y )
は Banach 空間であることを
示せ.
注意
(R, | · |) が Banach 空間であることと上の問題から, (RN , ·
1)
は Banach 空間で
あることが分る.
N
定義
(X, · ) をノルム空間, xn ∈ X (n ∈ N) とする. lim
∞
n=1
∞
∞
xn は収束するという. また,
n=1
37
xn < ∞ であるとき,
n=1
∞
Banach 空間 X において,
xn は絶対収束するという.
n=1
∞
xn が絶対収束するならば,
n=1
示せ.
38
xn が存在するとき, 級数
N →∞
ノルム空間 X において,
∞
xn は収束することを
n=1
∞
xn が絶対収束するならば,
n=1
xn は収束する
n=1
という性質が成り立つならば, X は Banach 空間であることを示せ.
N
39
N
x = (ξ1 , · · · , ξN ), y = (η1 , · · · , ηN ) ∈ C
とき, 次を示せ.
ξk ηk と定める. この
に対して, (x, y) =
(1) CN は C 上の内積空間である.
k=1
(2) CN は Hilbert 空間である.
∞
40
2
|ξk |2 < ∞} とし, x = (ξk )k∈N , y = (ηk )k∈N ∈ l2 に対し
l = {(ξk )k∈N ∈ F (N, C) :
∞
て, (x, y)l2 =
k=1
ξk ηk と定める. このとき, 次を示せ.
k=1
(1) l2 は C 上の内積空間である.
41
(2) l2 は Hilbert 空間である.
a, b ∈ R, a < b とする. 区間 [a, b] 上の複素数値連続関数 f , g ∈ C[a, b] に対して,
b
(f, g)2 =
f (t)g(t) dt と定める. このとき, 次を示せ.
a
(1) (C[a, b], (·, ·)2 ) は C 上の内積空間である.
42
(2) (C[a, b], (·, ·)2 ) は Hilbert 空間でない.
n ∈ N に対して, en = (δnk )k∈N と定義すると, {en }n∈N は l2 の完全正規直交系であ
ることを示せ.
7
注意
混乱の恐れのないとき, 可測空間 (X, M) に対して, σ 加法族 M を省略して, 可測
空間 X という. また, A ∈ M のとき, A を X の可測集合, M 可測関数を可測関数という.
43
X を可測空間とする. ∀n ∈ N に対して, fn : X → [−∞, ∞] が可測関数であるとき,
sup fn , inf fn , lim sup fn , lim inf fn は可測関数であることを示せ.
n∈N
44
n∈N
n→∞
n→∞
X を可測空間, f : X → [−∞, ∞] とするとき, 次を示せ.
f は X 上の可測関数 ⇐⇒ R の任意の開集合 G に対して, f −1 (G) は X の可測集合.
45
X を可測空間, Y を R の開集合, f : X → R を可測関数, g : Y → R を連続関数と
し, f (X) ⊂ Y とする. このとき, 合成関数 g ◦ f : X → R は可測関数であることを示せ.
46
f , g : X → R を可測関数, c ∈ R とすると, f + g, cf , f g は X 上の可測関数である
ことを示せ. また, g −1 (0) = ∅ のとき, f /g は X 上の可測関数であることを示せ.
47
X を可測空間, f , g : X → [−∞, ∞] を可測関数とするとき, {x ∈ X : f (x) < g(x)},
{x ∈ X : f (x) = g(x)}, {x ∈ X : f (x) = g(x)} は可測集合であることを示せ.
48
X を可測空間, fn : X → R を可測関数 (n ∈ N) とするとき,
{x ∈ X : ∃ lim fn (x) ∈ R} は可測集合であることを示せ.
n→∞
定義
X を位相空間, f : X → (−∞, ∞] とする. ∀t ∈ R に対して, {x ∈ X : f (x) ≤ t} が
X の閉集合であるとき, f は X で下半連続であるという.
49
X を位相空間とし, f : X → R とする. f が X で連続であるための必要十分条件は,
f と −f が X で下半連続であることであることを示せ.
50
X をコンパクトな位相空間, f : X → (−∞, ∞] を下半連続関数とするとき,
min{f (x) : x ∈ X} が存在することを示せ.
51
X を位相空間とする. ∀n ∈ N に対して, fn : X → (−∞, ∞] が下半連続ならば,
sup fn は X で下半連続であることを示せ.
n∈N
∞
52
区間 [−1, 1] 上の実数値連続関数の列 {fn }n∈N で,
fn ([−1, 1]) ⊂ [0, 1] をみたし,
n=1
かつ inf fn が [−1, 1] で下半連続でないような例を求めよ.
n∈N
53
X を距離空間, f : X → (−∞, ∞] とするとき, 次を示せ.
f が X で下半連続 ⇐⇒ [ lim xn = x in X ⇒ f (x) ≤ lim inf f (xn )].
n→∞
54
n→∞
(X, M) を可測空間とする. また, X は位相空間で, O を X の開集合系, F を X の
閉集合系とする. O ⊂ M であるとき, 次を示せ.
(1) F ⊂ M.
(2) f : X → (−∞, ∞] が下半連続ならば, f は M 可測関数である.
8