第6章 関数の連続性と凹凸 目的関数の最大・最小 関数の連続性 → 最大・最小の存在 凹凸性 → 最大または最小 関数の連続性 関数 y=f(x) が x=a で連続 lim f ( x ) = f ( a ) x→a グラフがつながっている(ジャンプがない) xがわずかに変化したとき yもわずかに変 化する。 ジャンプのある関数 y y1 y0 a x 右極限と左極限 右極限 lim f ( x ) lim f ( x ) x→a +0 x↓ a 左極限 lim f ( x ) lim f ( x ) x→a −0 x↑ a 極限 lim f ( x ) = f ( a ) ⇔ lim f ( x ) = lim f ( x ) = f ( a ) x→a x→a +0 x→ a −0 lim f ( x ) = f ( a ) x→a の厳密な定義 ε-δ法 任意の実数ε>0 に対し、 ある実数δ>0 とれば、 | x − a |< δ ⇒ | f ( x ) − f ( a ) |< ε が成り立つ。 最大値・最小値 最大値 x=x0で最大 最大値M M = f ( x0 ) ≥ f ( x ) ∀ x ∈ X 最小値 x=x0で最小 最小値m m = f ( x0 ) ≤ f ( x ) ∀x ∈ X 最大値・最小値の存在 関数が連続でないケース y1 y0 a b x 最大値・最小値の存在 定義域が閉区間でないケース y a b x 最大値・最小値の存在 定義域が有界でないケース y a x 最大値・最小値の存在 定義域Xは有界かつ閉集合(コンパクト) 関数f(x)はX上で連続 ⇒ f(x)はXにおいて最大値・最小値をもつ b a 最大 最小 最大 極小 極大 最小 内点解・端点解 X = [ a , b ] max f ( x ) x∈ X max f ( x ) = f ( x0 ), x0 ∈ X x∈ X x0=a や x0=bのとき,端点解 そうでないとき, 内点解 a < x0 < b , x0 ∈ ( a , b ) 1-λ 凸結合 x1 λ λx1 +(1-λ)x2 x2 x1 ,x2 の凸結合 xλ (0≦λ≦1) xλ = λx1 + (1 − λ ) x2 (x1 ,y1),(x2 ,y2 ) の凸結合(xλ , yλ ) 2点を結ぶ線分 (0≦λ≦1) xλ = λx1 + (1 − λ ) x2 yλ = λy1 + (1 − λ ) y 2 凸結合 x=(x1, y1) y1 1-λ 1-λ λy1+(1-λ)y2 y2 λx +(1-λ)y λ λ y =(x2, y2) 1-λ x1 λ λx1 +(1-λ)x2 x2 凸集合 Xが凸集合: x1 ,x2 ∈Xのとき xλ = λx1 + (1 − λ ) x2 ∈ X ∀λ (0 ≤ λ ≤ 1) Xが凸集合:(x1 ,y1),(x2 ,y2 ) ∈Xのとき ( xλ , y λ ) = ∀λ (0 ≤ λ ≤ 1) (λx1 + (1 − λ ) x2 , λy1 + (1 − λ ) y 2 ) ∈ X x x y y x x y y 凸集合ではない 凹関数 関数f(x)が凹関数 f ( xλ ) ≥ λf ( x1 ) + (1 − λ ) f ( x2 ) ∀λ (0 ≤ λ ≤ 1) f (λx1 + (1 − λ ) x2 ) ≥ λf ( x1 ) + (1 − λ ) f ( x2 ) ∀λ (0 ≤ λ ≤ 1) 1 1 f ( x 1 2 ) ≥ f ( x1 ) + f ( x2 ) 2 2 凹関数 f(x2) f(xλ) λf(x1)+(1-λ)f(x2) y =f(x) f(x1) 1-λ x1 λ xλ x2 凹関数と最大値 単調増加・単調減少 → 端点解で最大 単調増加でも単調減少でもない凹関数 → 内点解で最大 a 最小 b 最大 最大 最小 凸関数 関数f(x)が凸関数 f ( xλ ) ≤ λf ( x1 ) + (1 − λ ) f ( x2 ) ∀λ (0 ≤ λ ≤ 1) f (λx1 + (1 − λ ) x2 ) ≤ λf ( x1 ) + (1 − λ ) f ( x2 ) ∀λ (0 ≤ λ ≤ 1) 1 1 f ( x 1 2 ) ≤ f ( x1 ) + f ( x2 ) 2 2 凸関数 y =f(x) f(x2) λf(x1)+(1-λ)f(x2) f(xλ) f(x1) 1-λ x1 λ xλ x2 凸関数と最小値 単調増加・単調減少 → 端点解で最小 単調増加でも単調減少でもない凸関数 → 内点解で最小 a 最小 b 最大 最大 最小 例:消費者行動 効用関数 効用関数⇔選好順序 u=u(x) u=u(x1,x2,...,xn) 望ましい選択対象に大きな値を与える関数 無差別曲線⇔効用関数 同程度の望ましさを持つ選択対象の集まりを表 す曲線 y u=u(x1,x2) x2 無差別曲線 x1 x2 u0<u1 u=u1 u=u0 0 x1 予算制約 価格(p1,p2,...,pn)>0 所得M>0 購入計画量(需要量) (x1,x2,...,xn)≧0 予算制約⇒予算集合 支出≦所得 p1x1+x2p2+...+pnxn≦M 予算線(予算制約線) p1x1+x2p2+...+pnxn=M 予算集合 予算集合 ← 予算制約 予算制約を満たす購入可能な消費財バンドルの 集まり(機会集合) p1x1+x2p2+...+pnxn≦M x1≧0, x2≧0,...,xn≧0 予算線,縦軸,横軸に囲まれた三角形の内 部および境界 予算線: x2=-(p1/p2)x1+M/p2 x2 M/p2 x2=-(p1/p2)x1+M/p2 予算集合 0 M/p1 x1 最適消費計画 無差別曲線+予算制約 ⇒最適消費計画の決定 (x1*,x2*) 選好に関する追加的仮定 単調性 財は多いほど望ましい 凸性(限界代替率逓減の法則) 相対的に少ないものほど価値が高く,多いものほど 価値が少ない 極端より中庸を好む x2 限界代替率逓減の法則 MRSA>MRSB>MRSC A 原点に向かって膨らんだ 無差別曲線 B C 0 u=u0 x1 最適消費計画の決定 (x1*,x2*) 予算集合の内点C → 最適ではない 境界方向へ移動することで効用増加 境界線上の点A → 最適ではない E点の方向へ予算線上を移動すると効用増加 境界線上の点A → 最適ではない E点の方向へ予算線上を移動すると効用増加 E点が最適 ⇒ 最適消費計画 最適消費計画では 予算線と無差別曲線が接している ⇒ ①価格比=限界代替率 (p1/p2=MRS=u1/u2) ⇒ ②予算制約を等号で満たす p1x1+x2p2=M y u=u(x1,x2) x2 無差別曲線 x1 x2 最適消費計画の決定 A E 単調性 u0<u1 C B 0 u=u1 u=u0 x1
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