平成26年3月31日 平成25年度農林水産情報交流ネットワーク事業(地方調査) 農業分野におけるICT利活用に関するアンケート結果 この調査は、平成26年1月下旬から2月中旬にかけて、農林水産情報交流ネットワー ク事業の東海農政局管内農業者モニター85名(回答者75名)に対して、現在のICT機 器の所有状況及び農業経営への利活用状況等についてアンケートを実施し、平成24年度 に全国調査として実施した「農業分野におけるIT利活用に関する意識・意向調査」の うち東海農政局管内農業者モニター(回答者79名)のアンケート結果との、この一年間 のICTに関する意識・意向の経年変化について把握するとともに、新たにICT利活 用の具体的な需要(どのような活用方法に興味を持っているか)について把握を行った ものである。 ※ 本調査において、「ICT機器等」とは、パソコン、携帯電話、スマートフォン等、 フィールドセンサー(センサーを用いたほ場の環境測定機器)、監視カメラ等の機器 並びにソフトウェア及びアプリケーションを総称していう。 【アンケート結果】 1 ICT機器の所有状況 「携帯電話」(80.0%)及び「パソコン」(72.0%)の所有の割合が特に高い が、前年度に比べていずれも低下した。 一方、「スマートフォン・タブレット端末・PDA等」(34.7%)は、前年度 に比べて所有の割合が17.0ポイント上昇した。(図1) 図1 ICT機器の所有状況(複数回答) 0% 20% 40% 79.7% 72.0% 17.7% スマートフォン・タブレット端末・PDA等 その他 無回答 100% 80.0% パソコン フィールドセンサー(温度、湿度、気温等のセンサー) 80% 91.1% 携帯電話 監視カメラ 60% 34.7% 3.8% 6.7% 8.9% 4.0% 6.3% 4.0% H.24(回答者 79名) 1.3% H.25(回答者 75名) - 1 - 2 ICT機器等の経営への利用意向 「これまでにも経営に利用しており、今後も利用したい」(46.7%)が最も高 く、前年度と同様の結果となった。次いで「これまでに経営に利用していない が、今後は利用したい」(30.7%)が前年度に比べて6.6ポイント上昇した。 一方、「これまで経営に利用しておらず、今後も利用しするつもりはない」 (14.7%)が、前年度に比べて9.4ポイント低下した。(図2) 図2 ICT機器等の今後の経営への利用意向 0% 20% 40% 46.8% 46.7% これまでにも経営に利用しており、今後も利用したい 24.1% これまで経営に利用していないが、今後は利用したい 30.7% 24.1% これまで経営に利用しておらず、今後も利用するつもりはない 14.7% 1.3% 2.7% 過去に経営に利用していたが、現在は利用しておらず、 今後も利用するつもりはない 3.8% 4.0% その他 無回答 60% H.24(回答者 79名) 1.3% H.25(回答者 75名) 3 現在のICT機器等の経営への利用状況 ICT機器等の今後の経営への利用意向で「これまでにも利用しており、今後 も利用したい」と答えた農業者について、現在の利用状況をみると、「経理事務 や経営に関するデータ分析」(68.6%)が最も高く、次いで「インターネットに よる栽培、防除、気象、市況等情報収集」(62.9%)の順となっている。(図3 -1) 更に、「インターネットによる栽培、防除、気象、市況等情報収集」に利用す ると答えた農業者について、収集している情報をみると、「気象に関する情報」 (90.9%)が最も高く、次いで「農業資材や畜産資材に関する情報」(63.6%) の順となっており、前年度に比べて、それぞれ8.3ポイント、15.8ポイント上昇 した。(図3-2) - 2 - 図3-1 現在のICT機器等の経営への利用状況(複数回答) 0% 20% 40% 60% 64.9% 68.6% 経理事務や経営に関するデータ分析 62.2% 62.9% インターネットによる栽培、防除、気象、市況等情報収集 45.9% 51.4% 農作業履歴や出荷履歴の記録 27.0% 作業計画や出荷計画の作成 37.1% 16.2% 販売者と連携した出荷情報や需要情報の供給 34.3% 40.5% インターネットによる商品の販売やホームページによる 商品情報の発信等 31.4% 16.2% 14.3% センサーやカメラ等を活用したほ場や畜舎の環境測定 8.1% 8.6% 農業技術や飼養管理技術のデータベース化 その他 80% H.24(回答者 37名) 5.4% - H.25(回答者 35名) 図3-2 インターネットで収集している情報(複数回答) 0% 20% 40% 60% 80% 82.6% 気象に関する情報 47.8% 農業資材や畜産資材に関する情報 63.6% 47.8% 50.0% 病害虫や家畜伝染病に関する情報 13.0% 農業機械の売買に関する情報 36.4% 21.7% 行政施策に関する情報 31.8% 30.4% 27.3% 市況等取引に関する情報 - 9.1% 4.3% 9.1% 人材の雇用に関する情報 その他 90.9% 60.9% 59.1% 栽培技術や飼養管理技術に関する情報 農地や耕作放棄地に関する情報 100% - H.24(回答者 23名) H.25(回答者 22名) - 3 - 4 ICT機器等の今後の経営への利用目的 ICT機器等の今後の経営への利用意向について、「これまでにも経営に利用 しており、今後も利用したい」又は「これまでに経営に利用していないが、今後 は利用したい」と答えた農業者の、今後の経営への利用目的をみると、「インター ネットによる栽培、防除、気象、市況等情報収集」(56.9%)が最も高く、次いで 「経理事務や経営に関するデータ分析」(46.6%)と「農作業履歴や出荷履歴の 記録」(46.6%)の順となっている。(図4) 図4 ICT機器等の今後の経営への利用目的(複数回答) 0% 20% 40% 60% 69.6% インターネットによる栽培、防除、気象、市況等情報収集 56.9% 経理事務や経営に関するデータ分析 53.6% 46.6% 農作業履歴や出荷履歴の記録 53.6% 46.6% 51.8% インターネットによる商品の販売やホームページによる 商品情報の発信等 29.3% 35.7% 作業計画や出荷計画の作成 24.1% 19.6% 19.0% 販売者と連携した出荷情報や需要情報の供給 14.3% 8.6% センサーやカメラ等を活用した圃場や畜舎の環境測定 25.0% 農業技術や飼養管理技術のデータベース化 その他 無回答 80% 6.9% 1.7% H.24(回答者 56名) 1.8% 10.3% H.25(回答者 58名) 5 興味を持ったものや、取り組んでみたいと思うICT導入事例 農林水産省及び東海農政局で紹介しているICT導入事例のうち、今回のアン ケートで示した事例の中で最も関心が高いのは、「農作業・栽培履歴等管理シス テム(データの蓄積とその活用)」(42.7%)で、次いで「農業機械の自動操舵シ ステム」(25.3%)、「鳥獣害対策遠隔操作システム」(21.3%)の順となっている。 (図5) - 4 - 図5 興味を持ったものや、取り組んでみたいと思うICT導入事例(複数回答) 0% 20% 40% 60% 農作業・栽培履歴等管理システム (データの蓄積とその活用) 42.7% 25.3% 農業機械の自動操舵システム 21.3% 鳥獣害対策遠隔操作システム 栽培環境自動制御システム 17.3% POSシステム・トレーサビリティーシステム 17.3% フェイスブック等を使用した情報収集 (異業種交流) 12.0% 9.3% 糖度計等各種農産物仕分けシステム H.25(回答者 75名) 18.7% 無回答 6 ICT機器等を経営に利活用する場合の年間投資可能額 今回のアンケートでの紹介事例を参考に、ICT機器等を経営に利活用する場 合の年間投資可能額をみると、「10万円以上20万円未満」(20.0%)が最も高く、 次いで「5万円以上10万円未満」(16.0%)、「20万円以上30万円未満」(14.7%) の順となっている。(図6) 注: 平成24年のデータは、ICT機器の今後の利用意向について「これまでも利用して おり、今後も利用したい」、「これまで利用していないが、今後は利用したい」と回 答しなかった農業者を「利用するつもりはない又は無回答」に含め比較した。 図6 ICT機器等を経営に利活用する場合の年間投資可能額 0 H.24 (回答者 79名) 20% 16.5% 40% 21.5% 60% 21.5% 80% 6.3% 29.1% 3.8% H.25 (回答者 75名) 13.3% 16.0% 20.0% 5万円未満 5~10 10~20 20~30 30~40 40~50 - 5 - 1.3% 14.7% 2.7% 50万円以上 100% 26.7% 4.0% 2.7% 利用するつもりはない又は無回答 7 有識者が行うICT利活用セミナー等への参加意向 「機会があれば参加してみたい」(42.7%)が最も高く、「是非参加してみ たい」(5.3%)と合わせて5割近くの農業者が参加意向を示している。 一方、「あまり参加してみたいと思わない」(28.3%)と「参加しない」 (9.3%)を合わせると、参加意向がない農業者は4割弱となっている。 (図7) 図7 有識者が行うICT利活用セミナー等への参加意向 5.3% 5.3% 是非参加してみたい 9.3% 機会があれば参加してみたい 9.3% 平成25年 回答者75名 (100.0%) あまり参加してみたいとは思わない 42.7% 参加しない 28.0% わからない 無回答 8 ICTを農林水産分野に活用している生産者等の取組事例を知りたいか 「機会があれば知りたい」(44.0%)が最も高く、「是非知りたい」(18.7%)と 合わせて6割以上の農業者が取組事例に対し関心を持っている。 一方、「あまり興味はない」(26.7%)と「興味はない」(2.7%)を合わせ ると興味を持たない農業者は、約3割となっている。(図8) 図8 ICT活用の生産者等の取組事例の情報について 2.7% 2.7% 5.3% 26.7% 是非知りたい 機会があれば知りたい あまり興味はない 興味はない わからない 無回答 18.7% 平成25年 回答者75名 (100.0%) 44.0% - 6 - 【統計表】 1 ICT機器等の所有状況(複数回答) 単位:% 区分 回答者数 パソコン フィールド スマート センサー フォン・タ (温度、湿 携帯電話 監視カメラ ブレット端 度、気温等 末・PDA等 のセン サー) その他 無回答 人 平.24 79 79.7 91.1 17.7 3.8 8.9 6.3 - 25 75 72.0 80.0 34.7 6.7 4.0 4.0 1.3 2 機器等の今後の経営への利用意向 単位:% 区分 これまでに も利用して 回答者数 おり、今後 も利用した い 過去に経営 に利用して いたが、現 在は利用し ておらず、 今後も利用 するつもり はない これまでに 経営に利用 していない が、今後は 利用したい これまでに 利用してお らず、今後 も利用する つもりはな い その他 無回答 人 平.24 79 46.8 1.3 24.1 24.1 3.8 - 25 75 46.7 2.7 30.7 14.7 4.0 1.3 3 現在のICT機器等の経営への利用状況(複数回答) (「機器等の今後の経営への利用意向」で「これまでに経営に利用しており、今後も利用したい」と回答した者のみ回答) 単位:% 区分 インター ネットによ る栽培、防 回答者数 除、気象、 市況等情報 収集 インター ネットによ る商品の販 売やホーム ページによ る商品情報 の発信等 センサーや 経理事務や 農業技術や 農作業履歴 作業計画や カメラ等を 経営に関す 飼養管理技 や出荷履歴 出荷計画の 活用したほ るデータ分 術のデータ の記録 作成 場や畜舎の 析 ベース化 環境測定 販売者と連 携した出荷 情報や需要 情報の供給 その他 無回答 人 平.24 37 62.2 40.5 64.9 45.9 27.0 16.2 8.1 16.2 5.4 - 25 35 62.9 31.4 68.6 51.4 37.1 14.3 8.6 34.3 - - 4 インターネットで収集している情報(複数回答) (「現在のICT機器等の経営への利用状況」で「インターネットによる栽培、防除、気象、市況等情報収集」と回答した 者のみ回答) 単位:% 区分 栽培技術や 市況等取引 病害虫や家 農業資材や 農業機械の 農地や耕作 人材の雇用 気象に関す 飼養管理技 行政施策に 回答者数 に関する情 畜伝染病に 畜産資材に 売買に関す 放棄地に関 に関する情 る情報 術に関する 関する情報 報 関する情報 関する情報 る情報 する情報 報 情報 その他 無回答 人 平.24 23 30.4 82.6 47.8 60.9 47.8 13.0 - 4.3 21.7 - - 25 22 27.3 90.9 50.0 59.1 63.6 36.4 9.1 9.1 31.8 - - - 7 - 5 IT機器等の今後の経営への利用目的(複数回答) (「機器等の今後の経営への利用意向」で「これまでにも利用しており、今後も利用したい」又は「これまでに経営に 利用していないが、今後は利用したい」のいずれかに回答した者のみ回答) 単位:% 区分 インター ネットによ る栽培、防 回答者数 除、気象、 市況等情報 収集 インター ネットによ る商品の販 売やホーム ページによ る商品情報 の発信等 センサーや 経理事務や 農業技術や 農作業履歴 作業計画や カメラ等を 経営に関す 飼養管理技 や出荷履歴 出荷計画の 活用したほ るデータ分 術のデータ の記録 作成 場や畜舎の 析 ベース化 環境測定 販売者と連 携した出荷 情報や需要 情報の供給 その他 無回答 人 平.24 56 69.6 51.8 53.6 53.6 35.7 14.3 25.0 19.6 - 1.8 25 58 56.9 29.3 46.6 46.6 24.1 8.6 6.9 19.0 1.7 10.3 6 興味を持った又は、取り組んでみたいと思うICT導入事例(複数回答) 単位:% 区分 農作業・栽 POSシステ 培履歴等管 糖度計等各 栽培環境自 農業機械の ム・トレー 理システム 種農産物仕 回答者数 動制御シス 自動操舵シ サビリ (データの 分けシステ テム ステム ティーシス 蓄積とその ム テム 活用) フェイス ブック等を 鳥獣害対策 使用した情 遠隔操作シ 報収集(異 ステム 業種交流) 無回答 人 平.24 … … … … … … … … … 25 75 17.3 42.7 25.3 9.3 17.3 12.0 21.3 18.7 7 ICT機器等を経営に利活用する場合の年間投資可能額 単位:% 区分 回答者数 5万円未満 5~10 10~20 20~30 30~40 40~50 利用するつ 50万円以上 もりは無い 無回答 人 平.24 29.1 … 25 75 13.3 16.0 20.0 14.7 2.7 4.0 2.7 13.3 注:平成24年の値については、【アンケート結果の概要】4の(2)を参照の上、利用されたい。 79 16.5 21.5 21.5 6.3 3.8 - 13.3 8 有識者が行うICT利活用セミナー等への参加意向 単位:% 区分 回答者数 あまり参加 機会があれ 是非参加し してみたい ば参加して 参加しない わからない てみたい とは思わな みたい い 無回答 人 平.24 … … … … … … … 25 75 5.3 42.7 28.0 9.3 9.3 5.3 9 ICT活用の生産者等の取組事例の情報について 単位:% 区分 回答者数 是非知りた 機会があれ あまり興味 興味はない わからない い ば知りたい はない 無回答 人 平.24 … … … … … … … 25 75 18.7 44.0 26.7 2.7 2.7 5.3 - 8 - 1.3 【アンケートの概要】 1 アンケートの対象 東海3県(岐阜・愛知・三重)の農林水産情報交流モニターのうち、農業者モニタ ー(85名)に対して実施した。 2 実施時期 平成26年1月下旬から2月中旬までの間に実施した。 3 実施方法、アンケート対象数及び回収率 対象者数85名に対する往復郵送により実施し、回答者数は75名、回収率88.2%であ った。 4 設問及び集計方法 (1) このアンケートの問1~問5については、平成24年度に全国の農業者モニターを 対象に実施した、「農業分野におけるIT利活用に関する意識・意向調査」(以下、 「全国調査」という。)と同じ内容の設問とした。(問5は全国調査の問9。) (2) このアンケートの問7は、全回答者に対する設問としたが、全国調査では問2で 「1」又は「3」のいずれか(今後IT機器を利用したい)を選択した回答者に対 する設問である。このアンケート結果を比較するため、問2で「1」又は「3」を 選択しなかった回答者数を「利用しない」として取り扱い、集計した。 (3) 各項目とも、単純平均により集計した。 5 その他 (1) 統計表の各回答率は、各設問に対する回答対象者数計を100.0とする割合である。 (2) 表示単位未満を四捨五入したため、合計値と内訳の計が一致しない場合がある。 (3) 統計表に使用した記号「-」は、事実のないことを表す。 (4) 統計表に使用した記号「…」は、調査を欠くものを表す。 (5) 統計表の数値の中には、回答者数の少ないものもあるので、利用に当たっては、 注意されたい。 お問合せ先 東海農政局統計部調整課 〒466-0857 名古屋市昭和区安田通4-8 電話 052-763-4729(内線3330) FAX 052-763-4709 - 9 -
© Copyright 2024 ExpyDoc