簡単アンケート第41弾:看護師が実施可能となる特定行為について(PDF)

簡単アンケート第 41 弾:
看護師が実施可能となる特定行為について
(2015 年 3 月実施)
JSEPTIC臨床研究委員会
アンケート作成者:
森田 光治良(東京大学大学院医学系研究科 公共健康医学専攻)
1
対象:すべての医師・看護師
目的:特定行為に係る看護師の研修制度について保健師助産師看護師法の一部が改正され、平成
27年10月からの施行に向けて、平成27年4月1日より特定行為を手順書により行う看護師の
研修制度が創設される予定となっています。
アンケートにも挙げた医療行為は今後、看護師が実施可能となる医療行為内容のうち、特に集中
治療に関すると思われる項目を選びました。(他の医療行為に関しては厚生労働省医道審議会(看
護師特定行為・研修部会)第 7 回の全体資料などを参照してください。
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10803000-Iseikyoku-Ijika/0000075356.pdf)
この制度により看護師が実施可能となる医療行為に対する各医療者や施設の考え、今後の運用に
関する体制づくりを始めているのか、その現状を調査するため本アンケートを作成致しました。ご
協力のほどよろしくお願い致します。
作成者:森田 光治良(東京大学大学院医学系研究科
公共健康医学専攻)
回答者 149 名
質問1. あなたの専門は何ですか?一つだけ選択してください。
0%
5%
10%
15%
25%
17%
集中治療医
9%
麻酔科医
12%
救急医
7%
外科・内科系医師
初期研修医
20%
1%
24%
専門・認定看護師
24%
看護師
その他 (具体的に)
6%
*その他(具体的に記載)回答者 9 名
・ 臨床工学技士(5)
・ 理学療法士
・ 特定行為に関わる看護師
・ 大学院生
・ PT
2
30%
質問 2.
所属施設の ICU の体制はどのようになっていますか?
0%
5%
10%
15%
20%
Closed ICU
(集中治療医がICUでの治療方
針決定を行う)
25%
30%
35%
18%
Mandatory critical care
consultation
(集中治療医がICU入室患者す
べてに対して介入する)
26%
Elective critical care consultation
(主治医からの相談があった場
合のみ集中治療医が介入する)
30%
No critical care physician
(ICUに集中治療医がいない)
27%
質問 3. 所属施設における立場を教えてください。
0%
病院の管理者(院長・副院長、看護部長・看
護副部長)
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
1%
集中治療室の管理者(室長または医局長・
副医局長など、看護師長・副師長)
22%
非管理職(※助教・医員など、看護主任、副
主任などはここに該当します)
73%
医師・看護師以外の医療従事者(臨床工学
技士、薬剤師など)
5%
質問 4. 特定行為に係る看護師の研修制度における「包括的指示による医療行為の実施」と、
「具体的指示による医療行為の実施」の違いが分かりますか?
0%
10%
20%
30%
50%
60%
70%
22%
知っており、説明できる。
63%
聞いたことがあるが、説明できない。
聞いたことがない。
40%
15%
3
質問 5.特定行為を手順書により行う看護師の「研修制度」について少しでもご存知でしたか?
0%
知っており、説明できる。
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
17%
61%
聞いたことがあるが、説明できない。
22%
聞いたことがない。
質問 6. 以下に挙げる行為の中で、所属部署で実際に医師の指示の下、看護師が既に実施している
行為を全て選んでください。(複数回答)
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
41%
経口・経鼻気管挿管チューブの位置調節(適切な留置部位への深さ調整)
43%
人工呼吸器モードの設定条件変更(酸素濃度、換気様式、呼吸回数、一回換気量等)
70%
人工呼吸管理下の鎮静管理(鎮静薬の投与量の調整)
21%
人工呼吸器装着中の患者のウィーニングの実施
質問 7. 重症 ARDS 患者に腹臥位を行わないことがある場合、その理由は何ですか?(複数回答可)
留置された気管(気切)カニューレの交換
4%
7%
直接動脈穿刺による採血
橈骨動脈ラインの確保
2%
15%
「一時的ペースメーカー」の操作・管理
「一時的ペースメーカーリード」の抜去
2%
12%
PCPS(経皮的心肺補助装置)等補助循環の操作・管理
8%
大動脈内バルーンパンピング(IABP)離脱のための補助頻度の調整
28%
急性血液浄化に係る透析・透析濾過装置の操作・管理
腹腔ドレーン抜去(腹腔穿刺後の抜針含む)
胸腔ドレーン抜去(抜去部の縫合あるいは結紮閉鎖を含む)
3%
3%
15%
胸腔ドレーン低圧持続吸引中の吸引圧の設定・変更
心嚢ドレーン抜去
1%
中心静脈カテーテルの抜去
3%
PICC(末梢静脈挿入式静脈カテーテル)挿入
3%
13%
すべて行っていない
4
質問 7. 制度運用開始に向けて所属病院や所属部署において、話し合いや対策の場が持たれています
か?
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
5%
制度に向けて動き始めている。
制度に向けてこれから(4月までに)動き始める
予定になっている。
1%
具体的なスケジュールは立っていないが動く
予定である。
9%
55%
そのような予定は立っていない。
28%
どのような対策を行おうとしているか知らない。
3%
その他 (具体的に)
*その他(具体的に記載)回答者 4 名
・ 知らない。
・ 特区により既に行われている。
・ 不明。
・ すでに診療看護師が働いている。
質問 8.あなたの施設は指定研修についてどのような方針ですか?
0%
ご自身の施設が指定研修機関をめざしている。
看護師を他の指定研修期間へ派遣し、研修を
行う予定である。
10%
20%
30%
40%
60%
70%
9%
7%
68%
指定研修を行う予定はない。
その他 (具体的に)
50%
15%
*その他(具体的に記載)回答者 23 名
・ わからない。(7)
・ 知らない。(6)
・ 医師に対しては説明がない。
・ 具体的な方針はまだない。
・ 系列病院から研修の看護師を受け入れる方向。
・ 検討中。話題に上がっている程度。
・ 施設の方針について知らない。
・ 事務が必要性を理解していないし,医師も説明できない。
・ 大学院で養成された診療看護師のみ。
・ 不明。
・ 方向性が打ち出されていない。
・ 方針を知らない。
5
80%
質問 9. 看護師を他の指定研修機関へ派遣し、研修を行う場合どのような方法を検討していますか?
0%
10%
20%
30%
50%
60%
32%
指定研修機関への派遣は検討していない。
研修期間施設において、まとまった期間研修
を行う。
E-learningを使用して、研修を行う。
40%
9%
1%
48%
どちらとも言えない。
11%
その他 (具体的に)
*その他(具体的に記載)回答者 16 名
・ わからない。(5)
・ 知らない。(4)
・ まだ検討されていない。
・ 何も検討されていない。
・ 検討しているかどうか知らない。
・ 検討中。
・ 国立病院機構なので JNP として活動するために保健医療大学院に進学する予定。
・ 不明。
・ そのような余裕は無いと思う。
質問 10. 特定行為となる医療行為について、あなたの施設では今後看護師が実施していく予定です
か?
0%
制度開始時期から実施していく予定がある。
10%
20%
40%
50%
60%
3%
医療行為の種類によっては、制度開始から
実施していく予定である。
7%
4%
時期をみて実施していく予定である。
33%
予定はない。
52%
わからない。
その他 (具体的に)
30%
1%
*その他(具体的に記載)回答者 2 名
・ 特区により既に行われている。
・ 「看護師はいかなる手技・処置においてもなるべく責任を負いたくない」というスタンスの当院で
は無理です。そんな制度をつくるなら、看護師が医学部に入りなおせばいいのではと思います。
6
質問 11.このアンケートについてのご意見、今後のアンケートの案など、ご自由に記載してください。
*回答者 13 名
・ 研修に人を出して、その結果、ドレーン抜去などの業務が増えるのは本末転倒だと思う。
・ すでに行っている施設がある現状で、法的整備や、研修制度がないのは問題と思われます。このよ
うな取り組みが行われるのは重要と思われる一方で、実施に際しては各施設の現状に合わせて新た
なマニュアルなどが必要だと思います。
・ NP 試験を合格した者のみ,JNP として特定行為を自律的に実施させる予定。
いままで行っていた包括行為についても実施させる予定。
・ 管理者でないと答えられない質問もあるかと思います。
・ いわゆる米国版の Nurse Practitioner (NP)を模倣した日本版 NP の養成や,特定行為の可能な看護
師は既に誕生しており,人数的には少ないが活躍している。そのため,問 1 で今後 NP の選択肢が
増設される事を期待したい(少ないので選択肢から敢えて外したのでしょうが)。
(アンケートとは別で)本議論は「特定行為」にばかりフォーカスが当てられ,その思考過程やフ
ィジカルアセスメント等の重要性はさほど語られておらず,「NP 反対派」の意見を助長しているよ
うな気がしています。寧ろ ICU で勤務する医療者の方に,NP/特定行為導入の有用性をお聞きして
みたいです。
・ 患者・家族コミュニケーション能力についてアンケート調査したい。
・ JNP が研修している施設で勤務しています。
ほぼ初期研修医と同等(以上)の活動をされていますし、今後の活動にも期待しています。
・ すでにNPの資格を持ったものが勤務している大学病院だが、はっきり言って大学病院の中ではN
PよりPAを置いていただきたいと思っている。今の制度の特定行為はPAのようなものだと私の
中では認識している。本当にNPが必要なのは在宅や、地域医療の現場だと思う。急性期の対応は
医師も一緒に勤務しているので、指示のもとと言っても一緒に処置にあたっているから何ら変わり
ない。実際特定行為に挙げられた項目を見てがっかりしたものである。またNPになった人の研修
内容や看護を見ていて疑問に思わざる負えない状況が続いているのも非常に残念なことである。
このアンケートで、所属など記載できないところがあったが、似たような立場のところでチェック
を入れた。
・ 当院は小児を対象とした ICU であるため、患者のバリエーション(年齢層、体格、疾患)が大きす
ぎます。そのため、ある程度のプロトコール化が前提となる包括指示は極めて困難であり、看護師
による特定行為の導入は今後も難しいと思います。しかし、ICU 看護師のキャリア形成も大切であ
り、非常に悩ましい問題です。
・ 認定看護師のため、気になるのですが、あまり当院看護部は積極的ではありません。研修医も多く、
困ってないからだと思います。
・ 結局医者の負担が増えるだけの結果になる予感がする。日本の看護師と欧米の看護師は社会的、歴
史的背景が違いすぎるので、欧米の真似をして導入しても欧米と同じ効果が得られるとは到底思え
ない。
・ 「看護師はいかなる手技・処置においてもなるべく責任を負いたくない」というスタンスの当院で
はどんな処置も厳しいです。ラシックスの iv やルート確保ですら、ほぼすべて研修医が行ってい
ます。そんな制度をつくるなら、看護師が医学部に入りなおせばいいのではと思います。
看護師と医師では学んできた内容が異なるのですから。
・ 市中急性期病院です。集中治療医や救命医が不在の市中病院、民間病院こそ特定行為が可能な看護
師が必要であると感じています。
以
7
上