理学療法士会の休会会員に 対するアンケート調査 (公社)神奈川県理学療法士会 会員ライフサポート部 清川恵子、熊切博美、寺尾詩子、西山昌秀、 大槻かおる、萩原文子、大島奈緒美、杉山さおり はじめに 当部では、ライフサイクルと就業継続に関する問題を テーマに実態調査、啓発活動、情報提供、会員支援事 業を行っている 実態調査では、これまで出産・育児・介護に関わる問 題について考えてきたが、これらは、離職中の会員から の回答が少なく、就業継続について問題を抱えている 会員の意見が反映されているとは言い難かった 今回は「休会会員」を対象に、就業継続に関する問題 点を把握し、支援活動につなげていきたいと考えている 休会希望者が休会申請の手続きをもって承認される 規定(抜粋) • • • • 年会費(協会費+都道府県会費)が免除される 研修会等への参加資格がなくなる 理学療法学やニュースなど、情報誌の送付がなくなる 休会期間(1年)満了後までに復会・休会継続の手続きがな い場合、退会となる など これまでの調査は、ニュースなどと一緒にアンケート 用紙が送付される場合が多かったため、休会会員は 調査の対象とならず、実態が全く分かっていなかった しかし、休会会員の中には復職したくても問題を抱 えている人が多くいるのではないかと考えた 目的 会員支援活動のための就業継続に関する問題点の把 握を目的に、これまで調査対象ではなかった休会会員 の実態を、下記の点について調査した どのような理由で休会に至ったのか? 実際、就業継続の問題を抱えている休会 会員はどのくらいいるのか? 復職などの情報はどのように収集している のか? 方法 対象 平成24年7月1日時点の 神奈川県士会理学療法士会会員 3690名中 休会会員 330名 調査方法:質問紙、郵送調査 質問内容 基本属性 休会の理由 本会への要望 復職支援関係の情報収集方法 復職支援実務研修の認知と受講希望の有無 回答方法 選択肢を設け複数回答 質問によって自由回答 説明と同意:調査実施時は調査依頼分にて目的や学会などでの公表を明記し、回答を得た時点での同意 を得たものとした 結果 ◆有効回答者数 114名 (回収率 39.3%) ◆男女別回答者数(率) ◆年齢 (名) 男 20名 17% 不明 1名 1% 女 93名 82% 80 70 60 50 40 30 20 10 0 男 女 不明 1 58 10 3 12 21 4 3 1 ◆既婚・未婚 ◆経験年 数(名) 40 35 30 25 20 15 10 5 0 男 女 不明 1 31 32 9 3 7 5 3 7 5 1 4 1 4 1 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 70 (名) 男 ◆PTとして 働いていますか? 不明 0 80 1 13 13 7 既婚 未婚 (名) 60 50 女 0 1 不明 40 30 37 54 女 男 20 10 14 0 働いている 6 2 働いていない 無回答 ◆休会の理由は?(複数回答) 出産・育児 55名 32% 経済的問題 結婚 介護 14名 3名 35名 8% 2% 20% その他 63名 37% ・メリット・魅力を感じない ・夫の仕事の都合 ・海外留学・JICA ・育児と家庭の両立困難 ・違う職種で就労、就学中 ・病気 ・退職・転勤 ・家族(職場の人)が入会しているから 無回答 1名 1% ◆本会へ望むことは?(複数回答) 必要な情報が 得られる 79名 42% 講習会に 参加できる 40名 21% PTの PT保険 社会的 などの 地位向上 サービス 34名 19名 18% 10% 無回答 8名 4% その他 9名 5% ・会費の値下げ (無料化、夫婦割引、選択性) ・講習会、研修会の保育サービス充実 ・職域の拡大 ◆復職支援情報の入手方法は? (複数回答) ホームページ 40名 31% 入手する必要 を感じない 29名 23% 無回答 6名 入手 その他 5% 周囲のPT できない 12名 24名 17名 9% 19% 13% ・他の求人情報など (PT・OTネット、ハローワーク) ・復職支援の情報があること知らなかった ・考えたことがない ・直接施設に訪ねる ◆復職支援研修を 知っていますか? 無回答 5名 4% 知らない 93名 82% 知ってい る 16名 14% ◆復職支援研修を受け てみたいですか? 内容によ る 1名 1% 無回答 7名 6% 受けたい と思わな い 54名 47% 受けたい と思う 52名 46% ・PTが増え過ぎて、給料が 安くならなければよい ・育児休暇中で対象外 など ◆自由記載より (複数回答) 夫婦で入会して いるため、割引 などの工夫が 欲しい 2名,4% その他 7名,14% 復職への 不安 7名,14% 復職支援や 研修会等(託児 付きなど)の 継続・増加 9名,19% 会費が高い 5名,10% メリットがない 8名,17% 情報提供の 継続、工夫 10名,21% 考察1 1) 2) 3) 結婚や出産・育児による離職と同時に休会 会員となる者が多い 離職により、復職に不安を持つようになる 再就職の際、休会会員になったことにより、 必要な復職情報の入手ができていない場合 がある *復職に必要な情報の提供や支援事業は 役立つと考えられる *休会会員に対する情報提供の方法の 検討が必要である 考察2 4) 5) 会費を払って会員継続するメリットがない と考える会員も少なくない 復職支援研修について知らないが、知っ ていれば受講したいとの回答が多かった *離職中であっても、本会主催の研修会 や支援情報などは役立つと考えられる *会員のニーズにあった情報を分かり やすく伝えることが必要である まとめ 休会する理由には、結婚や出産・育児による離職 が大きく関わっていることが改めてはっきりした 休会会員になったことにより、再就職の際に必要な 復職の情報が入手しにくい状況となっている 何らかの理由で離職した場合でも、自信を持って復 職できるような情報の提供や支援事業が行われて いること、また、それらを分かりやすく伝えていくこと が必要である 活動内容1 【対 象】離職中の神奈川県理学療法士会会員 【研修施設】 Aコース 急性期 聖マリアンナ医科大学病院 Bコース 回復期 南大和病院 Cコース 生活期 足利リハビリテーションサービス 介護老人保健施設 つくしの里 介護老人保健施設 アゼリア 【期 日】平成24年7月1日〜平成25年2月28日 1日5時間×5日間 【受講費】5,000円 【募集定員】各施設2名 活動内容2 【テーマ】「今さら聞けないシリーズ3 脳画像のみかた②」 【講 師】田中一秀 先生 ((株)AwesomeLife代表) 【受講費】無料 【託児室委託】タスクフォース 【託児室利用費】無料 0歳〜就学前 *参加者数:49名(定員50名) *託児室利用数:9名(定員10名)
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