週間天気予報解説資料 2017 年 1 月 8 日 10 時 00 分 発表 気象庁予報部 予報期間 1 月 9 日から 1 月 15 日まで 1.アンサンブル資料 ●アンサンブル(ENS):9日は低気圧が本州の南岸→日本の東へ進み、全国的に曇りや雨または雪。その後の日本付近は冬型の気圧 配置が続く。北日本から西日本にかけて、日本海側は雪または雨の降る所が多い。太平洋側は概ね晴れるが、寒気の影響で雲が 広がりやすい所もある。沖縄・奄美は、気圧の谷や寒気の影響で曇りや雨の日が多い。 ●500hPa基本場(週間予報支援図):実況の日本付近は、日本の東~はるか東が明瞭な負偏差の一方、沿海州付近が顕著な正偏差。 日本付近は後者の勢力範囲内で概ね正偏差。流れは西北西。予報期間の日本付近は、双極子型のブロッキング構造が明瞭。シベ リア~オホーツク海が顕著な正偏差で、北・東日本~日本の東が顕著な負偏差。西日本も明瞭な負偏差。沖縄・奄美は正・負偏 差の境界付近。 ●11~12日:北・東・西日本は西北西の流れが続き、サハリン→千島近海へゆっくり南東進する寒冷渦を作用中心にして正渦度 が断続的に流れ込む。T500≦-39℃が北日本北部にかかり、T850≦-6℃は四国北部~関東南岸まで南下する。北日本中心の強 い冬型で、日本海側は雪の降る所が多い。太平洋側は概ね晴れるが、寒気の影響で雲が広がりやすい所もある。 ●13~15日:寒冷渦は千島近海にほぼ停滞し、これを作用中心に強い正渦度が北・東・西日本へ引き続き流れ込む。14~15 日は下層寒気移流が更に強まる予想で、T850≦-6℃が九州南部~房総半島沖まで南下する。日本付近は強い冬型で、日本海側 は雪の降る所が多い。太平洋側は概ね晴れるが、寒気の影響で雲が広がりやすい所もある。 ●沖縄・奄美:気圧の谷や寒気の影響で、曇りや雨の日が多い。期間の前半は、晴れる所もある。 ・ アンサンブル(ENS)/27メンバー:13日の日本付近について、冬型の気圧配置を予測するメンバーが全体の7割弱、日本の南付 近に低気圧を予測するものが3割弱。 ・ スプレッド:2・3日目が昨日資料より拡大したほかは縮小した。特定高度線は、5400mを中心に、期間の中頃以降にバラつく。 ・ 降水頻度分布:高降水頻度域は、北・東日本日本海側では11・14日に昨日資料より拡大して一方で13日は縮小した。沖縄・ 奄美は、13日に拡大して一方で14日は縮小した。 ・ 予想T850時系列:北~西日本は、明日(9日)が正偏差でその後は負偏差~平年値近傍。沖縄・奄美は、期間のはじめと終わり が負偏差で、中頃は正偏差。 2.防災事項等 ・ 明日(9日)は発達する低気圧と強い寒気の影響で北・東日本は荒れた天気の所があり、低気圧の発達程度等によっては大荒れ のおそれもある。 ・ その後は冬型の気圧配置が強く、北日本や北陸を中心に大荒れや大雪になるおそれがある。 3.明後日予報(3時40分発表の短期予報解説資料も参照) ・ 低気圧は発達しながら千島近海へ進み、日本付近は強い冬型になる。北海道には、T500≦-39℃の寒気が流れ込む予想。 ・ 850hPaの気温は、西・東日本日本海側で-6℃以下、北日本では-12~-18℃もしくはそれ以下となる見込み。 ・ 北日本や東日本日本海側を中心に雪となり、西日本日本海側でも雪の降る所がある。太平洋側は晴れる所が多いが、下層寒気移 流の影響を受けやすい所と沖縄・奄美は雲が広がりやすい。 4.全般週間天気予報(案) ・ 北日本は、気圧の谷や寒気の影響で曇りや雪または雨の日が多いが、太平洋側は期間の後半を中心に晴れる所もある。 ・ 東・西日本は、明日(9日)は低気圧の影響で雨の降る所がある。その後は冬型の気圧配置が続き、日本海側は曇りや雪または 雨。太平洋側は概ね晴れるが、寒気の影響で雲が広がりやすい所もある。 ・ 沖縄・奄美は、気圧の谷や寒気の影響で曇りや雨の日が多い。期間の前半は、晴れる所もある。 ・ 最高気温・最低気温ともに、北~西日本は期間のはじめは平年並か平年より高い。その後は平年並か平年より低く、平年よりか なり低い日もある。沖縄・奄美は、平年並か平年より高い。 この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの 形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。
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