【20170206】Weekly Market Report _pptx

発⾏:市場営業部
Weekly Market Report
Feb 6, 2017
FX, JPY Interest Rate, Topic
1. 為替相場概況
今週の注目は日米首脳会談。今後の米ドル円の方向性が定まるか。
USD/JPY (1週間の値動き)
日銀会合
⇒現状維持
FOMC
⇒現状維持
米雇用統計
⇒失業率:4.8%
⇒NFP:227K
⇒平均時給:0.1%
(出所)Bloomberg
コメント
先週の米ドル円相場は、トランプ⼤統領による移⺠規制や貿易相⼿国への通貨安誘導批判等、保護主義的な政権運営に対する警戒感
が拡がり、週を通して米ドルに売り圧⼒がかかる展開となった。日米中央銀⾏の⾦融政策イベントは共に現状維持であったが、⽶FOMCの声
明が市場の期待ほどタカ派ではなく寧ろハト派的な内容であり、3月の利上げに具体的な言及がなかったことも米ドルが弱含む要因となった。
週末に発表された1月の米雇用統計は、雇用者数が市場予想を上回るも賃⾦の伸びは鈍化し、⽶国の早期利上げ期待は更に後退した。
今週最大の注目は10日(⾦)に予定されている⽇⽶⾸脳会談。⽇⽶貿易摩擦が激化したクリントン政権時代には同会談を機に円高が進
⾏した歴史もあり、⽶ドル円の⽅向感を占う上で注目が集まる。日本からはインフラ投資等による雇用創出が提案される⾒通しで、極端な為
替政策への批判は一旦止むものと思われるが、今後も⽇⽶通商交渉からは目が離せない展開となるだろう。 (市場営業部/高橋(敦))
USD/JPY(2年間)
今週の経済指標(予定)
日付
イベント
予想
2/7(火)
(中国)外貨準備高
$3,000b
2/8(水)
(⽇本)貿易収⽀
¥751.1b
2/9(木)
(日本)機械受注(前月比)
3.1%
2/10(⾦)
(中国)貿易収⽀
$48.85b
2/10(⾦)
(日・米)日米首脳会談
-
今週のレンジ予想(USD/JPY)
予想者
今週のレンジ
予想のポイント
今村仁
110.50-115.00
週末の⽇⽶⾸脳会談でトランプ⼤統領の円安牽制を⽌められなければ、ドル円相場は⼀段と下落する可能性。
川合隆⾏
110.50-114.50
トランプ⼤統領の通貨安批判もあり上値は重い展開か。2/10の首脳会談でこれまでの日米関係が維持出来るかに注目。
1
Feb 6, 2017
2. 円⾦利相場概況
⽇銀オペ発動で円⾦利上昇は⼀服も、引き続き神経質な展開が継続か。
10年国債⾦利と債券先物 (1週間の値動き)
日銀指値オペ発動
10年債⼊札は
やや不調な結果に
10年債利回り
債券先物
(出所)Bloomberg
コメント
先週の円⾦利は、週前半こそ動意薄の展開であったが、2日(木)の10年債⼊札が弱い内容となったことで国債全般に売り圧⼒が掛かり、
10年債利回りはイールドカーブコントロール政策導⼊後初めて0.1%を超えた。翌3日(⾦)は、⽇銀が午前に⻑期国債の買⼊増額を発表
したものの⾦利上昇が⽌まらず10年債利回りは⼀時0.15%まで上昇、その後、午後の取引開始直後に日銀から指値オペが入ると漸く⾦
利上昇が⼀服し、0.11%程度まで低下することとなった。結局10年債利回りは0.1%近辺で越週している。
今週の円⾦利市場も神経質な展開が続くとみる。⼀旦は⽇銀の指値オペで⾦利上昇に⻭⽌めが掛かったものの、依然として⽇銀オペへの
期待感が高まりやすい状況にあり、相場が大きく振らされる可能性もある。また9日(木)には30年債入札が控えており、超⻑期ゾーンへの警
戒感からイールドカーブはスティープニング圧⼒が掛かりやすそうだ。
(市場営業部/川口)
⾦利スワップ変化(1週間)
(%)
5年円⾦利スワップ推移(2年間)
(%)
今週のレンジ予想 (10年国債利回り)
予想者
後藤賢太郎
小野口裕美子
今週のレンジ
0.07%-
0.15%
0.06%-
0.15%
予想のポイント
引き続き日銀のオペ頼みの展開が継続する中、超⻑期ゾーンへの対応姿勢次第で再度乱⾼下する局⾯も。
⽇銀のスタンスを巡る思惑から⻑期〜超⻑期ゾーンは振れ幅⼤きくチョッピーな展開。9日の30年債⼊札に注目。
2
Feb 06, 2017
3. 今週のトピックス
原油相場アップデート
今の原油相場を読み解く
2016年の売買⾼は過去最⾼を記録
ロンドンのインターコンチネンタル取引所(ICE)とニューヨークマ
ーカンタイル取引所(NYMEX)での原油先物売買高が増加し
ている(図1)。2016年のニューヨーク市場のWTI原油先物(
以下、WTI)の出来高は2億7600万枚(約12兆㌦)と前
年⽐+36%増加し、2年連続でロンドン市場の北海Brent原油
先物(以下、Brent)の出来高を上回った。米国では2000年
代後半からシェールオイルの生産が増加し始め、WTIは国内の
需給要因のみで価格が変動しやすくなった。その結果、Brentの
方が国際的な需給を反映しやすくなり、2014年までは3年連続
Brentの取引高がWTIを上回った経緯がある。昨年始めには、
米国政府は1975年以来約40年ぶりに原油輸出を解禁したこ
とに加え、原油価格が底打ちし、更にOPECが8年ぶりの協調減
産で合意したことで、市場では米国のシェールオイルの生産動向
が焦点となっており、同油種の売買高が増えていると考えられる。
投資家再び
売買高が増加しているもう一つの要因として原油市場の先物カ
ーブの形状変化がある。図2はWTIの現状とOPEC減産合意前
(3,6ヵ月前)を比較したチャートであるが、先物カーブの形状は
2017年後半以降でコンタンゴ(先高)から横這いに変化して
きている。コンタンゴの場合、ファンドなどの投資家が保有するロン
グポジションの持ち値はロールを重ねる毎に上昇してしまうため、
一般的には先物カーブの形状がバックワーデーション(先安)若
しくはフラットである方が、投資戦略が⽴てやすいと⾔われている。
ニューヨーク市場の参加者はファンド勢が5割を占めていると言わ
れており(⾦融機関:2割強、石油会社:2割弱)、彼らの
影響⼒は無視できず、先物カーブの形状変化に合わせてファンド
に投資資⾦が戻ってきている可能性が⾼い。
市場は徐々に安定的に
また、原油市場の過度な動きが是正され、値動きが安定的に
右肩上がりとなってきていることも追い風となっている。図3はシカゴ
オプション取引所(CBOE)が算出する今後30日間の原油価
格の振れ幅を予想した指数で、OPEC減産合意(11/30)以
降、低位での安定が続いていることがわかる(=原油市場の安
定)。また図4はWTIのインプライドボラティリティのスキュー(歪
み)で、現水準より遠い価格をストライクとしたオプションが、現水
準をストライクとしたオプション(50D=ATM)よりどの程度⾼い
価格(ボラティリティ)で取引されているかを表している。6ヵ月前
との比較では、ATMのストライクから遠い下方向のストライクのボ
ラティリティが低下してきており、過度な変動に備える動きが小さく
なってきている様子が窺える。OPECの盟主サウジアラビアがスイン
グ・プロデューサー(価格安定を図る調整役を担う産油国)の
役割を再度果たそうとしたことにより、市場に安定がもたらされつつ
あると考えられる。
(市場営業部/山中)
300
250
【図1】 WTIとBrentの出来高
(単位:百万枚) ※1枚=1,000バレル
WTI
200
Brent
150
100
50
-
58
54
2000
2004
2008
2012
【図2】 WTI原油の先物カーブの形状
OPEC減産合意後
50
Current
OPEC減産合意前
46
3m Ago
6m Ago
(単位:㌦/bbl)
42
2017
90
80
2016
(出所:Bloomberg)
2018
2019
2020
2021
【図3】 OVX指数
不安定
2022
(出所:Bloomberg)
OPEC減産
合意決定
(11/30)
70
60
50
40
30
安定
20
2016.1
8
2016.4
2016.7
2016.10
2017.1
(出所:Bloomberg)
【図4】 WTIインプライドボラティリティのスキュー(歪み)
Current
6
3m Ago
4
6m Ago
2
0
-2
(単位:%)
10DP
25DP
50D
25DC
10DC
(出所:Bloomberg)
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Feb 6, 2017
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