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発⾏:市場営業部
Weekly Market Report
Dec 26, 2016
FX, JPY Interest Rate, Topic
1. 為替相場概況
年内の主要イベントが終了し、円安ドル⾼は⼀服。
USD/JPY (1週間の値動き)
⿊⽥⽇銀総裁会⾒
週間安値
116.55円
コメント
(出所)Bloomberg
先週のドル円相場は上昇が一服、クリスマス休暇前の薄商いの中、上値の重い展開となった。週初19日、ドル円は117円台後半で取引を
スタートするも118円近辺では利益確定のドル売りの動きも目⽴ちジリ安の展開。海外時間に⼊るとトルコでのロシア大使暗殺事件、ドイツの
トラック突入事件を受けてリスク回避の動きが強まり、ドル円は一時週間安値となる116.55円まで下落。20⽇、⽇銀⾦融政策決定会合は
事前予想通り「現状維持」となったものの、会合後の会⾒にて⿊⽥⽇銀総裁が現⾏円安⽔準を容認する姿勢を⽰すと円売りドル買いが優
勢となり、欧州時間には週間高値となる118.24円まで上昇した。21⽇以降は⽶国住宅関連指標、個⼈消費⽀出等の経済指標が強弱
まちまちの内容となり、117円〜118円のレンジ内でもみ合い。結局ドル円は117円台半ばでの越週となった。今週は年末を控え動意薄い
展開を予想するが、薄商いの中、思わぬ材料が出た場合は⼀時的に値動きが荒くなる可能性もあり注意が必要だ。(市場営業部/坂本)
今週・来週の主な経済指標(予定)
日付
イベント
予想
12/27(火)
(日本)全国CPI(前年⽐)
0.5%
12/29(木)
(米国)新規失業保険申請件数
12/27(火)
(米国)消費者信頼感指数
108.5
1/3(火)
(米国)ISM製造業指数
53.5
1/6(⾦)
(米国)非農業部門雇用者数
1/4(水)
(米国)FOMC議事録
USD/JPY(2年間)
265K
-
175K
今週のレンジ予想(USD/JPY)
予想者
今週のレンジ
予想のポイント
川合隆⾏
116.50-119.50
⽇銀⾦融政策は現状維持を決定。⽇⽶⾦利差の拡⼤を背景とした円安シナリオは不変ながら、今週は商い薄く⼩動き。
國井靖子
115.00-120.00
年末の調整モード継続も、⽶経済指標が強い結果となれば休暇明けの海外勢によるドル買いで⾼値圏での揉み合いも。
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Dec26, 2016
2. 円⾦利相場概況
⽇銀の⽅針により、⻑期⾦利には低下圧⼒が掛かり易い展開。
10年国債⾦利と債券先物 (1週間の値動き)
日銀会合で
現状維持決定
10年債利回り
債券先物
(出所)Bloomberg
コメント
先週の⻑期⾦利は、19日(月)の0.088%を上限に、徐々に⽔準を切り下げる展開。今年最後の⽇銀⾦融政策決定会合では政策の
現状維持が決定。会合後、⿊⽥東彦総裁が物価上昇の勢いが弱い現状では、⻑期⾦利の操作目標を引き上げないとの姿勢を⽰したこ
とが債券買いの⼿掛かりとなり、⻑期⾦利は22日(木)には一時0.050%と一週間ぶりの水準まで下げた。
今週は、⻑期⾦利に低下圧⼒が掛かり易い展開を予想。⽇銀による⾦利上昇への抑制姿勢が改めて確認されたことで、需給は引き締まり
そう。仮に、年末に向けて株価が⾼値トライする場⾯があれば、⻑期⾦利にも上昇圧⼒が掛かり易いが、その場合でも⽇銀のスタンスからは
⻑期⾦利の本格的な上昇は⾒込みにくく、一時的な動きに留まるだろう。
(市場営業部/高橋(敦))
⾦利スワップ変化(1週間)
(%)
5年円⾦利スワップ推移(2年間)
(%)
今週のレンジ予想 (10年国債利回り)
予想者
伊藤功⼀郎
廣瀬友絵
今週のレンジ
0.04%-
0.07%
0.03%-
0.08%
予想のポイント
年内最後の週で材料出尽し感強く動意乏しい展開、⼤納会に向けて株価しっかりとなればそれに若⼲つられる程度か。
⽇銀が⾦利上昇に対する抑制姿勢を⽰したことで、今後は国債買い⼊れ増額や指し値オペが想起され⾦利低下の展開か。
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3. 今週のトピックス
株式バリュエーション
日米株式バリュエーション
【A】日米株式バリュエーション比較
(単位:倍)
過去10年
平均
現在
予想PER
日経平均株価
NYダウ工業株30種平均
(参考)世界平均
予想EV/EBITDA倍率
日経平均株価
NYダウ工業株30種平均
(参考)世界平均
19.6
18.3
15.8
20.2
14.5
14.1
10.0
11.7
9.3
【B】年初来⽇⽶トータルリターン(USDベース)
8.6
9.1
8.0
日米株価への高値警戒感
11/8の⽶⼤統領選以降、所謂「トランプ効果」によって世界的に株価
は上昇。特に、日米の代表的な株価指数である「日経平均株価」「
NYダウ工業株30種平均」は共に20,000円、20,000米ドルの大台
を目指す展開で、世界株式の上昇を牽引する一方、短期的な急ピッ
チの上昇に対して警戒感も浮上している。
割高感を抱えながら上昇を続ける日米株価
図Aは日米のバリュエーションを、各々過去10年平均と⽐較したもの。
バリュエーション的には、日米共に過去10年との⽐較では割⾼感があり
、更なる株価上昇は、企業収益⼒の観点からは合理的な説明が難し
い印象を受ける。
図Bは、⽇⽶の年初来トータルリターン(USDベース)の推移。
⽇⽶共に年初は下落基調にあったが、2月下旬のOPEC非公式会合
以降、⽔準を切り上げており、2016年はプラスで終えそう。特徴的な
のは、両株価指数が非常に似たトレンドを描いていることで、日米株式
の間には高い相関性があると云えそうだ。
以上を踏まえると、⽇⽶共に株価の更なる上昇は期待し辛い、という
のが教科書的な⾒⽅なのだが、実は、今年の⽶国株は2⽉下旬以降
バリュエーション的には割高な水準が続いており(過去レポート参照)
、割高感を抱えながらも株価は上昇を続けているのである。
歴史的な低⾦利がもたらした⾼バリュエーションと株⾼の
共存
【C】⽶国⻑期⾦利(過去10年)
⽶国における、⾼バリュエーションと株⾼の共存は、⽶国の⻑期⾦利が
2016年は歴史的に低い⽔準で推移したことがもたらしたと個⼈的には
考えている。一般に、⾦利が⾼い⽔準にある時は、「銀⾏預⾦で魅⼒
的な利息がつくのであれば、わざわざリスクを冒してまで株を買う理由は
ない」と理屈付けられ、逆に⾦利が低いと相対的に株は買われ易い。
図Cの通り、今年の⽶国の⻑期⾦利は7月に1.35%を付けるなど歴
史的な低⽔準で推移したため、⾦利が低いと株が買われ易いという傾
向が特に顕著だったと思われる。7⽉以降、徐々に⻑期⾦利は上昇し
たが、それでも株式市場の強気相場を壊すほどの⾼⾦利ではなく、株
が買われ易い地合いが継続したと考えられる。
米⼤統領選以降、⽶国の⻑期⾦利は⼤きく上昇し、歴史的な低⽔
準を脱していることから、今後、株式市場に対する債券市場からのプレ
ッシャーは徐々に強まり、高バリュエーションと株高の共存は次第に難し
くなると考えている。年末特有の「上値を試す展開」も一時的にはあり
得るが、年始以降、短期的には、トランプ⽒の政策の実現性を⾒極め
る、レンジ相場入りを予想する。
(市場営業部/高橋(敦))
(Bloombergデータを基に当⾏にて加⼯)
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