クリアブリッジ 運用チームが語る米国の投資環境 ②

2016年11月1日
投資情報室
(審査確認番号H28-TB197)
米国経済・株式市場情報
オーストラリア経済とリート市場の動向について
クリアブリッジ 運用チームが語る米国の投資環境 ②
2016年10月中旬、レッグ・メイソン傘下の株式運用専門会社クリアブリッジ・インベストメン
ツから、米国高配当株式の運用を担当するポートフォリオ・マネージャーのマーク・マカリスター
氏が来日しました。
そこで、米国の投資環境や高配当株式の魅力についてのレッグ・メイソン社とのインタビュー
内容をご紹介します。第2回のテーマは「米国高配当株式の魅力」です。
インドが追加利下げ 今年4回目
米国における高配当資産ニーズの高まり
 世界的に債券の低金利化が進むなか、高齢化を背景
に退職後のインカム収入を求める動きが強まる。
米国のベビーブーマー世代 * は退職期を迎えており、
米 国 の 65 歳 以 上 人 口 は 2011 年 か ら 2029 年 ま で に 約
3,000万人増加するとみられています(図1)。
低金利を背景に、一定レベルの収入を確保するのに必要
な貯蓄の額は以前よりも大幅に高くなっています。ベビー
ブーマー世代では、年金や給付金を考慮しても資金不足に
ポートフォリオ・マネージャー
マーク・マカリスター氏
図1:米国における65歳以上の人口割合
(%)
24
米国ベビーブーマー世代が65歳に達する期間
(2011年~2029年)
22
2029年
約7,200万人
20.4%
20
+3 , 000万人
18
16
あると言われています。高齢化を背景としたインカム収入
を求める動きが強まっており、世界的に債券利回りの低下
が進むなかで、高利回り資産に対する市場の注目が高まっ
ています。
特に高配当株式は、配当利回りが相対的に高い水準にあ
るだけでなく、配当の増加(増配)も期待できる特徴があ
ります。株式は企業の「顔が見えやすい」資産であり、イ
14
2011年
約4,200万人
13.3%
12
10
1980 1990 2000 2010 2020 2030 2040 2050 (年)
(出所)国際連合
(期間)1980年∼2050年
メージがしやすく親しみを持ちやすいことなど、利回り水
図2:米国株式の手元資金残高と
配当・自社株買い実施額
準にとどまらない魅力が注目を集めています。
* ベビーブーマー世代:米国で1946年∼1964年に生まれた世代
高配当株式について
 米国企業の潤沢な現金等により配当額は着実に
増加、今後も引き続き増配に期待。
高配当株式の魅力のひとつは「増配が期待できる」とい
う点ですが、2000年以降の米国では企業の手元資金残高
の増加傾向が続いており、現在も過去最高に近い水準と
(10億米ドル)
(10億米ドル)
300
2,000
手元資金残高
(現金・短期証券、右軸)
1,800
250
1,600
自社株買い(左軸)
1,400
200
1,200
150
1,000
なっています(図2)。そして、その潤沢な資金を基に配
当や自社株買いも増加傾向にあります。
800
100
600
また配当性向の水準についても、S&P500指数の配当性
向は2011年には30%を下回っていましたが、2016年9
月末時点は43%と上昇傾向にあり、株主への利益還元の
姿勢が強まっている様子がうかがえます。今後、企業業績
の回復基調が強まれば、積極的な増配の動きが継続するこ
とが期待されます。
400
50
配当(左軸)
0
00
02
04
06
08
10
12
14
200
0
16 (年)
(出所)ファクトセット、四半期ベース ※米国株:S&P500指数
(期間)2000年第1四半期∼2016年第2四半期
●当資料は、市場環境に関する情報の提供を目的としてレッグ・メイソン・アセット・マネジメントの情報を基に、ニッセイアセットマネジメントが作
成したものであり、特定の有価証券等の勧誘を目的とするものではありません。実際の投資等に係る最終的な決定はご自身で判断してください。●当資
料は、信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。●当資料のグラフ・数値等
はあくまでも過去の実績であり、将来の投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。また税金・手数料等を考慮しておりませんので、実質的
な投資成果を示すものではありません。●当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行
者および許諾者に帰属します。●投資する有価証券の価格の変動等により損失を生じるおそれがあります。●手数料や報酬等の種類ごとの金額及びその
合計額については、具体的な商品を勧誘するものではないので、表示することができません。●当資料のいかなる内容も将来の市場環境の変動等を保証
するものではありません。
商 号 等 :ニッセイアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第369号
1/2
加入協会:一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会
図3:世界の石油需給見通し
エネルギーMLPについて
4
 石油の需給バランスは2017年に均衡化し、原油先
物価格は徐々に上昇すると予想。
(百万バレル/日)
(百万バレル/日)
世界の石油生産量(右軸)
98
3
2016年2月以降の原油価格の回復は、需給バランスの
調整に基づくものです。2015年は、世界の石油需給バラ
ンスが相対的に高水準の生産過剰状態にありました(図
3)。しかし足もとでは需給バランスが均衡に近づきつつ
あり、2017年には概ね均衡化すると予測しています。
94
1
92
0
WTI原油先物価格は2017年12月までに60米ドル/バレ
ルの水準まで徐々に上昇する可能性があると考えています。
-1
投資対象として引き続き魅力的である一方、市場は回復
過程の後半に差し掛かっている可能性があることから、今
後のREITの投資環境は各REITのバリュエーションを見極
めることがより重要になると考えています。
2014
2015
2016
(%)
(年)
2017
86
図4:中流MLPの配当成長率
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
+6.3%
+5.2% +5.2%
09
10
11
12
13
14
15
16
実績
18 (年)
17
予測
(出所)ファクトセット (期間)2009年∼2018年
※2016年∼2018年は予測値、2016年8月末時点
図5:米国都市部の賃料の伸び
10
一方、米国の不動産市場は循環的な需要の回復過程にあ
るものの、賃料の伸び率が今後鈍化するとの市場の見方も
出始めており、回復過程の後半に差し掛かっている可能性
があります(図5)。
2013
(出所)EIA (期間)2012年1月∼2017年12月
※2016年10月から予測値
 バランスシートは良好、今後は各REITのバリュエー
ションを見極めることがより重要な局面に。
現在、多くのREITのバランスシートは依然として良好
であり、また配当利回り水準を考慮すると、REITは引き
続き魅力的な投資対象であると考えられます。
88
石油需給バランス
( 生産-消費、左軸)
2012
中流MLPの事業形態は主にエネルギーの輸送や貯蔵など、
収益がエネルギー価格や景気変動の影響を受けにくいとい
う特徴が挙げられます。そのため、2014年後半から
2016年2月にかけて1バレルあたりの原油先物価格が107
米ドルから26米ドルまで下落したものの、増配傾向は続
いています。
REITについて
90
-2
 今後数年間にわたり、中流MLPの配当は1桁台半ば
の成長が期待される。
2016年第2四半期の中流MLPの一株当たり配当伸び率
(中央値)は前年比+4.3%と第1四半期と概ね同水準とな
り、増配基調の継続が示されました。年ベースでは、ファ
クトセット集計の市場コンセンサスによると、中流MLPの
配当成長率は2016年、2017年は5%台、2018年は6%
台と予想されています(図4)。
96
世界の石油消費量
( 右軸)
2
100
予測
(%、前年同期比)
8
6
4
2
0
-2
-4
集合住宅
オフィス
商業施設
-6
-8
-10
2008/3
2010/3
2012/3
2014/3
2016/3(年/月)
(出所)ブルームバーグ
(期間)2008年第1四半期∼2016年第2四半期
●当資料は、市場環境に関する情報の提供を目的としてレッグ・メイソン・アセット・マネジメントの情報を基に、ニッセイアセットマネジメントが作
成したものであり、特定の有価証券等の勧誘を目的とするものではありません。実際の投資等に係る最終的な決定はご自身で判断してください。●当資
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商 号 等 :ニッセイアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第369号
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