楽読 (ラクヨミ) 2016年10月5日 Vol. 1,149 IMFの世界経済見通し ~先進国は引き続き緩慢、新興国がけん引 IMF(国際通貨基金)は、10月4日に最新の世界経済見通しを発表し、世界の成長率予測を16年は3.1%、 17年を3.4%とし、前回7月時点の予測を据え置きました。今回の予測では、米国の減速と英国のEU(欧州連 合)離脱選択などの影響を受け、16年は引き続き抑制された状態が続くとしてきたものの、17年以降は、主に 新興国・地域の成長加速によりけん引され、若干の改善が見込まれるとしています。 先進国の成長率見通しは、16年を1.6%に下方修正し、17年は1.8%で据え置きました。16年は米国の年前 半の経済活動が弱かったことや英国のEU離脱選択などが影響するものの、17年は米国の投資が回復するこ となどから成長が加速するとしています。なお、日本は消費増税見送りや経済対策、緩和的な金融政策が成 長を支えるとして、上方修正されています。新興国の成長率見通しは、16年を4.2%に上方修正、17年は 4.6%で据え置きました。ただし、高成長を続けるインドや資源価格の回復で恩恵を受けるロシアなどの見通し を上方修正した一方で、構造改革を進めている中国や一次産品価格の下落と地政学リスクなどから成長が停 滞する国・地域もあり、見通しにばらつきがあるとしています。 IMFは、政治の不安定さや保護主義政策、先進国・地域のスタグネーション(景気停滞)の長期化が生産性 や成長、イノベーションを妨げるだろうとし、各国・地域は成長見通しの改善のために金融・財政・構造改革の すべての面で政策手段を採る必要がある、としています。足元、米国を除く主要中央銀行は緩和的な金融政 策を継続しており、主要国の中で唯一利上げを開始した米国も、追加利上げは緩やかなペースで行なわれる とみられます。財政政策については、首脳会議などでも積極的な対応を行なうことを表明しています。このよう に、各国・地域は、世界経済の着実な成長の実現に向けて、引き続き様々な対応を行なうものと考えられます。 IMFの世界経済見通し <白背景部分は2016年7月時点の予測との比較(%ポイント)> 世界 先進国 米国 ユーロ圏 ドイツ 日本 英国 新興国 中・東欧* 2014年 3.4 % 1.9 % 2.4 % 1.1 % 1.6 % 0.0 % 3.1 % 4.6 % 2.8 % 0.7 % 6.8 % 7.3 % 7.2 % 46% 4.6 1.0 % 0.1 % 2.2 % 2.6 % 5.1 % 1.6 % 2015年 3.2 % 2.1 % 2.6 % 2.0 % 1.5 % 0.5 % 2.2 % 4.0 % 3.6 % -3.7 % 6.6 % 6.9 % 7.6 % 48% 4.8 0.0 % -3.8 % 2.5 % 2.1 % 3.4 % 1.3 % 2016年予測 3.1 % 0.0 1.6 % -0.2 1.6 % -0.6 1.7 % 0.1 1.7 % 0.1 0.5 % 0.2 1.8 % 0.1 4.2 % 0.1 3.3 % -0.2 -0.8 % 0.4 6.5 % 0.1 6.6 % 0.0 7.6 % 0.2 48% 4.8 00 0.0 -0.6 % -0.2 -3.3 % 0.0 2.1 % -0.4 3.2 % -0.1 1.4 % -0.2 0.1 % 0.0 2017年予測 3.4 % 0.0 1.8 % 0.0 2.2 % -0.3 1.5 % 0.1 1.4 % 0.2 0.6 % 0.5 1.1 % -0.2 4.6 % 0.0 3.1 % -0.1 1.1 % 0.1 6.3 % 0.0 6.2 % 0.0 7.6 % 0.2 51% 5.1 00 0.0 1.6 % 0.0 0.5 % 0.0 2.3 % -0.3 3.2 % 0.1 2.9 % -0.4 0.8 % -0.2 先進国と新興国の経済成長率推移 (2010年上半期~2017年下半期予測、前期比年率) (%) 9 先進国 新興国 8 7 予測 6 5 ロシア 4 アジア 中国 3 インド** ASEAN5ヵ国*** 2 中南米ほか ブラジル 1 メキシコ 0 中東・北アフリカ サハラ以南のアフリカ 10 11 12 13 14 15 16 17 (年) 南アフリカ * ロシアなど、CIS(独立国家共同体)構成国を含まない ** 年度ベース(上記各年の4月から翌年3月まで) *** インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム (出所:IMF「World Economic Outlook, October 2016」) ※上記は過去のものおよび予測であり、将来の運用成果等を約束するものではありません。 ■ 当資料は、日興アセットマネジメントが市況等についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘資 料ではありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成 時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。■投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産に は為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。 投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご 覧ください。 1/1
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