マーケットレポート IMFが2016-2017年の世界経済見通しを下方修正

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2016年4月13日
マーケットレポート
IMFが2016-2017年の世界経済見通しを下方修正
~ 年初来の世界的な金融市場の混乱や、新興国の減速を勘案 ~
4月12日、IMF(国際通貨基金)は「世界経済見通し」を発表し、2016年の世界経済の実質成長率見通しを
3.2%、17年を3.5%とし、1月時点の見通しから引き下げました。引き下げ幅は16年が▲0.2%、17年は▲0.1%
となりました。
◆先進国:総じて引き下げとなる中、日本の引き下げ幅の大きさが目立つ
日本の16年の見通しは1月時点の1.0%から0.5%に大幅引き下げとなり、17年は消費増税実施を前提にマイ
ナス成長の見通しとなりました。一方、米国やユーロ圏の見通しは引き下げとなったものの、16~17年につい
ても昨年並みの緩やかなペースでの経済成長が続くと見ています。
◆新興国:中国の見通しを引き上げ。引き続き国・地域間で見通しのばらつきが大きい
IMFの今回の見通しでは16年は6.5%と3月に中国政府が示した目標の「6.5~7.0%」に近づいてきました。中
国経済に対する悲観的な見方は和らぎましたが、IMFは中国の構造改革の進捗が世界貿易の過度な減少に
つながるリスクを警戒しています。一方、中国を除いた新興国経済の見通しは先進国以上の引き下げとなった
模様です。引き続き原油や小麦などの商品の値下がりが一次産品生産国の足かせになると予想しています
が、インドやASEAN主要国については2016年1月時点の見通しが維持されるなど、依然として国・地域間での
見通しのばらつきがみられます。
IMFは2017年以降、新興国の回復が力強さを増すとの見通しを維持しました。先行きの世界景気の改善は
先進国の潜在成長率が弱含む中、新興国の回復にかかっていると見ています。
以上
世界経済成長率 ( 前年比)
2 01 5 年
地域
世界
先進国
日本
米国
ユーロ圏
ドイツ
英国
カナダ
オーストラリア ※
新興国
アジア新興国 * 1
中国
インド
ASEAN * 2
インドネシア ※
ブラジル
トルコ ※
見通し
3.1%
1.9%
0.5%
2.4%
1.6%
1.5%
2.2%
1.2%
2.5%
4.0%
6.6%
6.9%
7.3%
4.7%
4.8%
-3.8%
3.8%
2 0 1 6年
見通し
3.2%
1.9%
0.5%
2.4%
1.5%
1.5%
1.9%
1.5%
2.5%
4.1%
6.4%
6.5%
7.5%
4.8%
4.9%
-3.8%
3.8%
20 1 7 年
2016年
1月時点比
-0.2%
-0.2%
-0.5%
-0.2%
-0.2%
-0.2%
-0.3%
-0.2%
-0.4%
-0.2%
0.1%
0.2%
0.0%
0.0%
-0.2%
-0.3%
0.9%
見通し
3.5%
2.0%
-0.1%
2.5%
1.6%
1.6%
2.2%
1.9%
3.0%
4.6%
6.3%
6.2%
7.5%
5.1%
5.3%
0.0%
3.4%
2016年
1月時点比
-0.1%
-0.1%
-0.4%
-0.1%
-0.1%
-0.1%
0.0%
-0.2%
-0.1%
-0.1%
0.1%
0.2%
0.0%
0.0%
-0.2%
0.0%
-0.3%
※
オーストラリア、インドネシア、トルコは2015年10月時点の見通しとの比較
*1
アジア新興国は出所の分類定義に基づきます
*2
ASEAN はインドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム
(出所) IMF「世界経済見通し2016年4月」のデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成
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