景況感の改善を背景に、 上昇基調が続く新興国株式

楽読
(ラクヨミ)
2016年9月9日
Vol.
1,140
景況感の改善を背景に、
上昇基調が続く新興国株式
新興国株式は2月以降、上昇基調が続いており、昨年末からの上昇率は17%と、先進国の同5%を大きく上
回っています(9月8日時点)。
その背景には、資源価格の持ち直しによる景況感の改善や、米国の早期利上げ観測後退による投資家心
理の改善が挙げられます。景気の先行きの判断材料とされるPMI(購買担当者指数、総合)を見ると、先進
国に比べて新興国は足元の改善が顕著となっており、好不調の境目となる50を上回って、先進国と同水準
にまで回復しています。また、新興国企業のEPS(1株当たり利益)成長率を見ると、今年は昨年の大幅な落
ち込みから一転し、前年比34%増と、先進国の同19%を大きく上回る伸びが予想されています。
新興国の経済成長については、先進国で足踏みが続く中、来年にかけて加速する見通しとなっており、複数
の国で前向きな材料がみられます。例えば、インドは、足元の経済成長にやや減速感がみられるものの、高
い水準の成長が続いており、議会が「物品・サービス税」の法案を可決したことで、州ごとにバラバラとなって
いた税率が一本化され、ビジネス環境が大きく改善するとの期待が高まっています。インドネシアは、旺盛な
消費を背景に成長が加速しているほか、インフレ率も落ち着いているため、追加利下げ余地があるとみられ
ています。中国は、設備投資の減速が続くものの、ネット販売が急成長するなど消費が下支えとなり、景気は
底堅く推移するとみられています。このほか、景気減速と高水準のインフレが続いているブラジルでは、先月
末にルセフ大統領が罷免されテメル大統領が就任したことで、財政立て直しに向けて期待が高まっています。
今後については、米国で利上げが行なわれた場合、米ドル高に伴なう新興国および企業の米ドル建て債務
の負担増加を懸念し、投資家が資金を引き揚げて、短期的に新興国資産が売られる可能性があります。し
かし、利上げの背景にある米国の景気回復は、中長期的には、新興国の輸出増加や生産拡大などを通じて
景気や企業収益にプラスに寄与し、新興国の株価を押し上げると期待されます。
新興国と先進国の総合PMI※の推移
新興国と先進国の株価の推移(米ドルベース)
(2015年12月31日~2016年9月8日)
120
新興国
先進国
(2013年12月~2016年8月)
117
60
新興国
先進国
55
※起点を100として指数化
110
50
105
100
※IHSマークイット調べ
45
13/12
14/6
14/12
15/6
16/6 (年/月)
15/12
新興国と先進国のEPS成長率(前年比)
50%
90
-50%
16/2
16/4
16/6
34%
19%
0%
新興国:MSCI エマージング・マーケット・インデックス
先進国:MSCI ワールド インデックス
80
15/12
先進国
11%
16/8 (年/月)
(信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成)
-20%
-13%-30%
新興国
14年
15年
16年(予想)
※EPSは左記インデックスの年間ベース、
16年は市場予想(9月時点)
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