楽読 (ラクヨミ) 2016年7月20日 Vol. 1,121 IMFの世界経済見通し ~世界的に不透明感が強まるも、2017年には成長加速 IMF(国際通貨基金)は、7月19日に発表した最新の見通しで、英国民投票でのEU(欧州連合)離脱選択に伴な う、経済・政治・制度面での不透明感などを背景として、主に先進国の成長見通しを下方修正しました。これに 伴ない、世界の成長率予測は、2016年は前年と同じ3.1%にとどまるものの、2017年には、下方修正後でも、 新興国の成長加速を主な背景として、3.4%へ加速するとしています。 先進国の成長率は、2016年、2017年共に1.8%となる見通しです。米国については、1-3月期の成長が予想を 下回ったことや米ドル高の影響などから、2016年の成長率を2.2%に下方修正しました。ただし、2017年の成長 率は2.5%に加速し、引き続き先進国の成長を牽引するとしています。ユーロ圏については、1-3月期が内需主 導で力強い成長となったことから、2016年は1.6%に上方修正しました。しかし、2017年の成長率は、英国のEU 離脱に関する不透明感の強まりが、企業景況感や消費者心理に影響を与えるとして、下方修正しました。日本 については、円高の進行が悪影響を与えるとして、2016年の成長率を下方修正したものの、消費税率引き上げ の延期を背景に、2017年の成長率は上方修正しました。 期を背 年 成 率 方修 新興国の成長率は、2016年は4.1%、2017年は4.6%となる見通しです。サハラ以南のアフリカを大きく下方修 正したものの、政策支援により見通しが改善したとして、中国の2016年の成長率予測を上方修正したほか、商 品価格の上昇などを背景に、ブラジルやロシアの成長率予測を上方修正しました。新興国全体としては今年4 月の見通しを維持する形で、2015年を底として、2017年にかけて成長が加速すると予測しています。 IMFは、英国のEU離脱に関する交渉が順調に進まない場合、世界経済の下振れリスクとなるとしています。ま た、欧州の銀行システムの安定性に関するリスクや、先進国・地域内での政治的分裂が種々の課題に対する 取り組みの妨げになるといったリスクもあげています。一方、中長期的な成長を達成するために、先進国・新興 国ともに構造改革を推進すべきとの見方を示しました。 主な先進国の経済成長率 IMFの世界経済見通し (2016年予測、2017年予測) <白背景部分は2016年4月時点の予測との比較(%ポイント)> 世界 先進国 米国 ユーロ圏 ドイツ 日本 英国 カナダ 新興国 中・東欧* ロシア アジア 中国 中国 インド** ASEAN5ヵ国*** 中南米ほか ブラジル メキシコ 中東・北アフリカほか サハラ以南のアフリカ 南アフリカ 2014年 3.4 % 1.9 % 2.4 % 0.9 % 1.6 % 0.0 % 3.1 % 2.5 % 4.6 % 2.8 % 0.7 % 6.8 % 73% 7.3 7.2 % 4.6 % 1.3 % 0.1 % 2.2 % 2.7 % 5.1 % 1.6 % 2015年 3.1 % 1.9 % 2.4 % 1.7 % 1.5 % 0.5 % 2.2 % 1.1 % 4.0 % 3.6 % -3.7 % 6.6 % 69% 6.9 7.6 % 4.8 % 0.0 % -3.8 % 2.5 % 2.3 % 3.3 % 1.3 % 2016年予測 3.1 % -0.1 1.8 % -0.1 2.2 % -0.2 1.6 % 0.1 1.6 % 0.1 0.3 % -0.2 1.7 % -0.2 1.4 % -0.1 4.1 % 0.0 3.5 % 0.0 -1.2 % 0.6 6.4 % 0.0 66% 6.6 01 0.1 7.4 % -0.1 4.8 % 0.0 -0.4 % 0.1 -3.3 % 0.5 2.5 % 0.1 3.4 % 0.3 1.6 % -1.4 0.1 % -0.5 2017年予測 3.4 % -0.1 1.8 % -0.2 2.5 % 0.0 1.4 % -0.2 1.2 % -0.4 0.1 % 0.2 1.3 % -0.9 2.1 % 0.2 4.6 % 0.0 3.2 % -0.1 1.0 % 0.2 6.3 % 0.0 62% 6.2 00 0.0 7.4 % -0.1 5.1 % 0.0 1.6 % 0.1 0.5 % 0.5 2.6 % 0.0 3.3 % -0.2 3.3 % -0.7 1.0 % -0.2 (出所:IMF 「World Economic Outlook Update, p , Julyy 2016」 ) 8% 2016年 2017年 英国 日本 6% 4% 2% 0% 先進国 米国 ユーロ圏 主な新興国の経済成長率 8% (2016年予測、2017年予測) 2016年 2017年 6% 4% 2% 0% ** インド メキシコ ASEAN *** 5ヵ国 *ロシアなど、CIS(独立国家共同体)構成国を含まない ** 年度ベース(上記各年の4月から翌年3月まで) ***インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム インドネシア、マレ シア、フィリピン、タイ、 トナム 新興国 中国 ※上記は過去のものおよび予測であり、将来の運用成果等を約束するものではありません。 ■ 当資料は、日興アセットマネジメントが市況等についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘資 料ではありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成 時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。■投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産に は為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。 投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご 覧ください。 1/1
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