柏労働基準監督署発表 平成 28 年 9 月 20 日 労働安全衛生法違反被疑事件の送検について 柏労働基準監督署(署長 松崎勉)は、本日、下記の事件について労働安全衛生 法違反の疑いで、千葉地方検察庁松戸支部に書類送検した。 事件の概要等は下記のとおりである。 記 1 被疑者 (1)X 社 本店所在地 千葉県我孫子市 (2)同社代表取締役A 2 違反法条項 労働安全衛生法 労働安全衛生規則 労働安全衛生法 第 21 条第 2 項 第 524 条 第 119 条第 1 号 3 発生した災害の概要 平成 28 年 4 月 20 日午前 9 時 20 分頃、被疑会社が施工していた千葉県我 孫子市内の現場において、被疑会社の労働者 B が、スレート屋根の解体作業 を行っていた際、高さ約 5 メートルのスレート屋根を踏み抜いて地面に墜落 し、同日死亡したものである。 4 被疑事実の概要 労働安全衛生法において、事業者は、スレート等の材料で葺かれた屋根の 上で作業を行う場合において労働者に踏み抜きによる墜落の危険を及ぼすお それのあるときは、幅 30 センチメートル以上の歩み板を設け、防網を張る等 労働者の危険を防止する措置を講じなければならないと規定している。本件 被疑者 A は同社の代表取締役として事業を統括管理し、労働者の安全を管理 する者でありながら、この規定に反して所要の危険防止措置を講じていなか ったものである。 5 その他 (1)平成 27 年の千葉県内における労働災害による休業 4 日以上の死傷者数は 5,016 人、そのうち建設業は 604 人(12.0%)であり、さらに墜落・転落 災害が 203 人(33.6%)と最多となっている。 また、平成 28 年の同死傷者数は、同年 8 月 31 日現在で、2,638 人、そ のうち建設業は 287 人(10.9%)であり、墜落・転落災害が 91 人(31.7%) と最多である。なお、墜落・転落災害による死亡者数 4 人のうち 3 人が建設 業である。 (2)柏労働基準監督署においては、今後も建設業における労働災害防止のた め、監督指導を実施するとともに、重大悪質な事案に対しては厳正に対処 していく方針である。 関 係 条 文 労働安全衛生法 第 21条 (事業者の講ずべき措置等) (第1項略) 2 事業者は、労働者が墜落するおそれのある場所、土砂等が崩壊するおそれのある 場所等に係る危険を防止するため必要な措置を講じなければならない。 第119条(罰則) 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処 する。 一 第十四条、第二十条から第二十五条まで、・・・(中略)・・・又は第百八条の 二第四項の規定に違反した者 労働安全衛生法規則 第524条 (スレート等の屋根上の危険の防止) 事業者は、スレート、木毛板等の材料でふかれた屋根の上で作業を行なう場合に おいて、踏み抜きにより労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、幅が三十セン チメートル以上の歩み板を設け、防網を張る等踏み抜きによる労働者の危険を防止 するための措置を講じなければならない。
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