労働安全衛生法違反被疑事件の送検について

担
成田労働基準監督署発表
平成28年 2月 2日
当
成田労働基準監督署
署
長 渡邉 秀明
監督課長 長倉 亜紀子
電話番号 0476-22-5666
(17時15分以降) 0476-22-5713
労働安全衛生法違反被疑事件の送検について
成田労働基準監督署(署長 渡邉 秀明)は、本日、下記の事件について、
労働安全衛生法違反の疑いで、千葉地方検察庁に書類送検した。
事件の概要等は下記のとおりである。
記
1 被疑者
(1)フェデラルエクスプレスコーポレーション
本店所在地
アメリカ合衆国デラウェア州ニューキャッスル郡
ウィルミントン市オレンジストリート 1209
(2)同社整備担当部長A(43 歳)
2 違反法条項
労働安全衛生法第 21 条第 2 項
労働安全衛生規則第 519 条第 1 項
3
事件の概要
被疑者フェデラルエクスプレスコーポレーション(以下「被疑会社」という。)
は、アメリカ合衆国デラウェア州に本店を置き貨物運送業を営む事業者、被疑
者Aは、被疑会社の部長で、同社の成田国際空港における整備業務を統括管理
する者であるが、被疑者Aは、被疑会社の業務に関し、平成 27 年 2 月 25 日、
成田国際空港内A滑走路の駐機場において、労働者B(当時 52 歳)らに、作業
台(高さ 2.5 メートル、床面は幅 148 センチメートル、奥行 118 センチメート
ル)を使用して航空機整備作業を行わせるに当たり、当該作業台に手すりを設
ける等墜落防止措置を講じなかったものである。
その結果、同作業を行っていた労働者Bが 2.5 メートル下の地面に墜落し、
死亡したものである。
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その他
(1)労働安全衛生規則では、高さが 2 メートル以上の作業床の端等で、墜落
により労働者に危険を及ぼすおそれのある箇所には手すりや囲い等の墜落
防止措置を講じるよう事業者に義務付けている。
(2)千葉県内における平成27年の労働災害による死亡者数は37人(平成27年
12月末現在)で、そのうち墜落・転落による死亡者数は24.3%の9人を占め、
最多の災害発生原因となっている。
(3)県内の各労働基準監督署においては、重篤な災害に繋がりやすい高所か
らの墜落・転落災害の防止を重点に安全対策を強化しているところであり、
重大悪質な事案に対しては厳正に対処していく方針である。
【関連法条項】
○労働安全衛生法
(事業者の講ずべき措置等)
第21条
1
(省略)
2 事業者は,労働者が墜落するおそれのある場所,土砂等が崩壊するおそれ
のある場所等に係る危険を防止するため必要な措置を講じなければならない。
○労働安全衛生規則
(作業床の設置等)
第519条
1 事業者は,高さが二メートル以上の作業床の端,開口部等で墜落により労
働者に危険を及ぼすおそれのある箇所には,囲い,手すり,覆い等(以下こ
の条において「囲い等」という。)を設けなければならない。
2 事業者は,前項の規定により,囲い等を設けることが著しく困難なとき又
は作業の必要上臨時に囲い等を取りはずすときは,防網を張り,労働者に安
全帯を使用させる等墜落による労働者の危険を防止するための措置を講じな
ければならない。