労働安全衛生法違反被疑事件の送検について

千 葉 労 働 基 準 監 督 署
署
長
伹 馬 明 雄
次
長
髙 安 俊 行
電話番号
043-308-0671
(17 時 15 分以降)
043-221-4320
千葉労働基準監督署発表
平成 28 年 3 月 14 日
労働安全衛生法違反被疑事件の送検について
千葉労働基準監督署(署長 伹馬明雄)は、本日、下記の事件について労働安全
衛生法違反の疑いで、千葉地方検察庁に書類送検した。
事件の概要等は下記のとおりである。
記
1
被疑者
かみとり
(1)神鳥造園株式会社
本店所在地
千葉県千葉市花見川区千種町 357 番地の 14
事業内容
環境整備及び緑化工事業
(2)同社 工事部長A(45 歳)
2
違反法条項
労働安全衛生法第 21 条第 2 項
労働安全衛生規則第 518 条第 2 項
3
事件の概要
被疑者神鳥造園株式会社(以下「被疑会社」という。)は、主に環境整備及び
緑化工事業を営むとともに千葉市花見川区の公園・街路樹剪定作業請け負う事業
者、被疑者Aは被疑会社の工事部長であり、同作業の現場責任者として労働者を
指揮監督するとともに安全管理を行う者であるが、被疑者Aは、平成 27 年9月
1日、同社の労働者Bに、同剪定作業を行わせるにあたり、その作業場所は高さ
が約4メートルの箇所であって墜落により労働者に危険を及ぼすおそれがあっ
たが、樹木の形状が複雑で、同所に足場を組み立てる等により作業床を設けるこ
とが困難であったから、防網を張り、労働者に安全帯を使用させる等の措置を講
じなければならなかったのに、その措置を講じなかったものである。
その結果、労働者B(45 歳)が、はしごあるいは樹木上から約4メートル下
の歩道上に墜落し、意識障害を負ったものである。
4 その他
(1) 平成27年の千葉県内の労働災害による休業4日以上の死傷者数は、平成28
年2月末現在、4,900人であり、そのうち建設業は、591人と12.1%を占めてい
る。また、死亡者数は39人(同期現在)、そのうち建設業は38.5%の15人を
占め、全産業の中で最多となっている。
さらに、建設業における休業4日以上の死傷者数591人を事故の型別でみる
と、墜落・転落が最も多く198人となっており、うち5人が死亡している。
(2)千葉労働局では「Safe Work CHIBA」のスローガンを掲げ、労働災害の減少
に向けた取組を進めているところであり、県内各労働基準監督署において、重
篤な災害に繋がりやすい高所からの墜落・転落災害の防止を重点に安全対策を
強化しているところである。
(3)県内の各労働基準監督署においては、今後も建設業における労働災害防止の
ため、監督指導を実施するとともに、重大悪質な事案に対しては厳正に対処し
ていく方針である。
関 係 条
文
労働安全衛生法
第 21条
(略)
2
事業者は、労働者が墜落するおそれのある場所、土砂等が崩壊するおそれのある
場所等に係る危険を防止するため必要な措置を講じなければならない。
労働安全衛生規則
第518条
事業者は、高さが2メートル以上の箇所(作業床の端、開口部等を除く。)
で作業を行う場合において墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのあると
きは、足場を組み立てる等の方法により作業床を設けなければならない。
2
事業者は、前項の規定により作業床を設けることが困難なときは、防網を張
り、労働者に安全帯を使用させる等墜落による労働者の危険を防止するための
措置を講じなければならない。