短期予報解説資料1 2016年 8月 1日03時40分発表 気象庁 予報部 1.実況上の着目点 ①北日本から東日本を中心に、 300hPa で-33℃の寒気を伴うト ラフ通過の影響もあり、31 日夕 方から夜にかけて、 局地的に猛烈 な雨を観測し、1 時間降水量の最 大値が観測史上 1 位を更新。1 日 未明以降は、 降水は弱まっている。 ②伊豆諸島の南には、300hPa で -33℃以下の寒気伴う寒冷渦があ り、衛星水蒸気画像では、対応す る循環が明瞭。 寒冷渦の中心付近 に、31 日 12 時に地上低気圧を解 析。 低気圧と日本のはるか東の高 気圧の間で下層暖湿気が強まり、 31 日 21 時の高層観測では、舘野 850hPaθe345K を観測。伊豆諸島や関東の沿岸では、対流雲が発達し て発雷を検知し、激しい雨を解析。 ③台風第 4 号は、バシー海峡を西北西進、先島諸島周辺では台風からの高波の影響を受け始めている。 2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点 ①1 項②の寒冷渦は、1 日から 2 日にかけて、東日本から北日本の太平洋沿岸をゆっくりと北上する。 2 日にかけて、1 項②の低気圧や高気圧に大きな動きはなく、東日本から北日本の太平洋側には、下層 暖湿気が流入し、大気の状態が非常に不安定となる見込み。2 日にかけて、雷を伴った激しい雨が降り、 局地的に非常に激しい雨が降って大雨となるおそれ。土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水やはん 濫、 落雷や竜巻などの激しい突風に警戒・注意。 2 日は、 サハリン付近の寒冷渦を作用中心とする、 300hPa で-33℃の寒気を伴うトラフが、朝は沿海州、夜は北海道付近に接近する見込み。北日本では、日本海 側も含めて、不安定現象に留意。 ②2 日にかけて、西日本を中心に日中は晴れて気温が上昇し、猛暑となる所もあり、大気の状態が不安 定となる。中層の風が弱く、対流雲が発達すると停滞するため、局地的に大雨となるおそれ。 ③台風第 4 号は、南シナ海を西北西進するため、南西諸島への影響は少なくなるが、台風に近い先島 諸島を中心に、うねりを伴った高波に注意。落雷や突風、短時間強雨にも注意。 3.数値予報資料解釈上の留意点 ①総観場は最新 GSM を基本とし、雨や風の予想は MSM も参考にする。 4.防災関連事項 [量的予報と根拠] ①大雨ポテンシャル(06 時からの 24 時間):関東甲信・北海道 120、東北 100 ㎜。2 項の局地的な大雨に 留意。②波浪:沖縄 3m。③高潮:大潮の時期。西日本で、注意報基準を超える所がある。 5.全般気象情報発表の有無 「大雨と雷及び突風に関する全般気象情報」を 5 時頃発表予定。 1 量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。
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