短期予報解説資料1 2016年 7月18日03時40分発表 気象庁 予報部 1.実況上の着目点 ①梅雨前線は日本付近では活発 な雲域がなくなり、 降水も弱まっ てきており、 不明瞭化しつつある。 ②沖縄の南を北北西に進んでい る熱帯低気圧は、 上層雲が強い東 風に流され、 下層の循環と上層雲 とが離れており、 衰弱傾向を示唆。 ③水蒸気画像で、 中国東北区に寒 冷渦に対応する上層渦がみられ、 東進している。17 日 21 時の高層 観測で、上層渦の近傍に 500hPa の気温-13.1℃の寒気を観測。 2.主要じょう乱の予想根拠と 解説上の留意点 ①日本付近の梅雨前線は 18 日午後には不明瞭化する見込み。 MSM では東シナ海で降水が活発化する予 想もあるので、前線付近の対流雲の発達には留意。 ②1項②の熱帯低気圧は、これまでの進路と比較すると、今後は海水温も下がり、鉛直シアーも大き くなることから熱帯低気圧として発達しにくい環境場となる。このため、熱帯じょう乱は GSM のよう に衰弱し、18 日朝には最大風速が 30kt 未満となり、19 日には沖縄地方付近で不明瞭化する見込み。た だし、MSM は降水によりじょう乱を強めすぎている可能性はあるが、沖縄付近でも 25kt 程度の風を予 想していることに留意。また、熱帯じょう乱の西側の活発な雲域の動向にも留意。 ③1 項③の上層渦は 500hPa に-9℃以下の寒気を伴って 19 日に北日本付近を通過する。日本海を北東進 している低気圧の東側には 850hPa の相当温位 327~336K 程度の暖湿気が流れ込んでいることから、19 日は北日本で大気の状態が不安定となる。短時間強雨、落雷や突風に注意。 3.数値予報資料解釈上の留意点 ①総観場は最新 GSM を基本とし、降水は MSM を参考にする。 4.防災関連事項 [量的予報と根拠] ①大雨ポテンシャル(06 時からの 24 時間):高い所(100mm 以上)はない。 ②波浪(明日まで) :高い所(3m 以上)はない。 ③高潮(明日まで) :大潮の時期。西日本や北日本中心に注意報基準に接近する可能性がある。 5.全般気象情報発表の有無 発表の予定はありません。 1 量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。
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