短期予報解説資料1

短期予報解説資料1 2016年 7月24日03時40分発表
気象庁 予報部
1.実況上の着目点
①日本付近は優勢なリッジ圏内、
千島の東に中心を持つ高気圧が
北日本から西日本に張り出して
おり、
東寄りの湿った空気が流れ
込んでいる北日本や東日本の太
平洋側を中心に、
下層雲に広くお
おわれ曇っている所が多い。
この
湿った空気の先端域となる四国
沖では、所々で 20mm/h 前後の降
水が解析されており、
一部が陸域
にかかり数 mm/h 程度の降水と
なっている。また、南西諸島周辺
にも降水が散在しているが、
陸域
への影響は小さい。
③熱帯低気圧が、発達しながら南鳥島近海を北上している。
2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点
①25 日にかけて、日本付近の気圧配置に大きな変化はない。千島の東に中心を持つ高気圧が北日本か
ら西日本を広く覆い、太平洋側を中心に湿った空気が流れ込む。このため、北日本や東日本の太平洋
側では下層雲におおわれ曇る所が多いが、その影響が小さい西日本や北・東日本の日本海側、南西諸
島ではおおむね晴れて気温が上昇する。午後には西日本の山沿いを中心に大気の状態が不安定となり、
対流活動が活発化するおそれがある。対流雲の発達に留意。25 日には、本州付近で深まる上空の気圧
の谷に対応して日本海で低気圧が発生し南から暖湿気を引き込む。このため、降水が西日本から東日
本の広い範囲に及び局地的に強まるおそれもある。落雷や突風にも留意。
②南鳥島近海の熱帯低気圧は、24 日夜までに台風となる見込みだが、海面水温の低い海域を北上する
ため 25 日には温帯低気圧に変わり、日本の東の寒冷渦前面の日本のはるか東を 35kt の最大風速を維持
しながら北上する。
3.数値予報資料解釈上の留意点
①総観場は最新 GSM を基本とする。降水や風の予想は MSM も参考にする。
4.防災関連事項 [量的予報と根拠]
①大雨ポテンシャル(06 時からの 24 時間)
:高い所(100mm 以上)はない。
②波浪(明日まで)
:高い所(3m 以上)はない。
③高潮(明日まで)
:大潮の時期。北日本や西日本で注意報基準に近づく所がある。
5.全般気象情報発表の有無
発表の予定はありません。
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量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。