インド:CIL 炭鉱拡張に向け地域社会と協議 2016 年 7 月 21 日掲載 7 月 13 日付けの地元報道によると、アムネスティ・インターナショナル(以下、アムネスティ)は、イ ンド政府は石炭公社(CIL)の Chhattisgarh 州、Jharkhand 州、Odisha 州における採掘計画に関し、国際 法に基づく地域社会に対する権利保護義務を履行していないと報告した。 アムネスティは、CIL は、化石燃料の世界最大の生産者であるが、伝えられるところによると、北東部 地域の人々の土地に関して、適切な対応がなく、人権を侵害していると報告した。 アムネスティによると、CIL の子会社、中央政府、州政府(Chhattisgarh、Jharkhand、Odisha)と地域 社会との協議では、土地取得、復旧、再定住に関し、有意義なものとはならなかった。 124 名の関係する土地所有者、当局者、法律家への面接に基づく協議報告書は、3 箇所の採掘地域に関 する意見聴取では、当該地域には深刻な欠陥があると主張。更に、鉱害管理機関は、僅かながらに、読み 書きの出来ない村人に接触し、または、採掘の影響を説明したと記している。 アムネスティのインド事務局長は、政府計画では、2020 年には石炭生産量は約 2 倍近くに増産され、 CIL は 10 億トン/年を目指しているとした。しかし、まだ、企業、中央政府、州政府には、炭鉱にて土地を 奪われ、森林を破壊される弱い立場の地域社会への配慮が見受けられないとした。同事務局長は、石炭産 業はインドの経済発展に不可欠と見做されているが、その開発では対話と人権の尊重が必要だとした。 一方、石炭省の秘書によると、インドの年間石炭輸入量は、国内生産量の増加にて、4 月~5 月は 35.85 百万トン(前年度同期比 5%減)と低下した。CIL は、国内石炭の 80%以上を生産するが、今後 4 年間で、10 億トン/年体制へ増産する計画であるとした。中央政府は、新しい航路の開発、採掘地域と沿岸部の火力発電 所とを連絡する国内石炭の鉄道輸送能力を増強しており、インド全体の石炭生産量は 15 億トンに達し、海 外炭への依存度の更なる低減が期待されるとした。 (石炭開発部 辻 誠) おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありません。正確 な情報をお届けするよう最大限の努力を行ってはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポートに基づきとら れた行動の帰結につき、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構及びレポート執筆者は何らの責めを負いかねます。なお、本資料の 図表類等を引用等する場合には、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願 い申し上げます。
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