インド:CIL 石炭供給契約の競売を開始

インド:CIL 石炭供給契約の競売を開始
2016 年 6 月 30 日掲載
6 月 21 日付けの地元報道によると、石炭公社(CIL)は、消費者向けに、大規模な石炭供給契約の競売を
開始した。先週は、海綿鉄製造業向けの競売を完了し、来週は、セメント業界向け 2.15 百万トンの競売を開
始する。競売は、政府が最終価格を決定する立場にない「規制を受けない部門」に限定された。
CIL は、今回の競売は、今後数カ月に亘る、鉄、鉄鋼、アルミニウム等を含むその他の「規制を受けな
い部門」の競売に繋がるとした。
CIL は、海綿鉄製造業に対する競売は低調であったとした。競売目標量 3.78 百万トンに対して、競売での
予約量は 2 百万トン。海綿鉄製造業の年間の石炭需要は約 8 百万トン、現状は、CIL からのみ供給されている。
CIL は、海綿鉄製造業への供給契約競売での平均価格は公表しなかったが、入札では最低価格に約 1%の
割増を付けたとされる。
海綿鉄製造業界の競売低調は、CIL の説明では、国内の海綿鉄製造業者は、主原料である鉄鉱石の調達
に苦労しており、現状では、積極的には石炭供給の入札に参加できないとのこと。しかし、ある会社は、
Tata Sponge Iron 社(CIL の競売にて 2.4 万トン/年の供給を確保)とは違って、海綿鉄製造業界は数多くの中
小企業に分散しており、競売で積極的に入札する経営体力がないとした。
(石炭開発部 辻
誠)
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