インド:石炭省 政府所有火力発電所に石炭輸入停止を指示

インド:石炭省 政府所有火力発電所に石炭輸入停止を指示
2016 年 6 月 23 日掲載
6 月 17 日付けの地元報道によると、石炭公社(CIL)の過剰在庫と大口消費者の引き取り減に関して、石
炭省は、政府所有と政府運営の発電事業者に対して、全ての石炭輸入の停止とその代わりに、国内炭鉱か
らの石炭調達を指示した。
石炭省幹部は、石炭は十分にあるが、消費者がいないとし、現在、石炭を輸入している全ての州に対し
て、石炭輸入停止の要請を行ったとした。政府は、私企業への石炭競売を適切に行い、8 百万トン/月の石炭
を電力部門に提供するとした。また、中央政府および地方政府所有の電力会社に関しては、議論を行い、
当該電力会社は割り当てを大量に受け入れ、政府は、その量は提供するとした。さらに、インドでは、石
炭不足はないと付け加えた。
石炭省幹部は、石炭火力発電会社は、CIL への未払分を清算すべきと指摘し、これらの会社の未払額は
179 百万 USD であるとした。
石炭輸入削減に向けて、政府は、少なくとも 4 箇所の大規模な石炭火力発電所(総発電能力 16,000MW)
の建設計画を中止した。4 箇所の石炭火力発電所は、Chhattisgarh 州、Karnataka 州、Maharashtra 州、
Odisha 州に位置し、石炭使用量は年間で計 46 百万トン、うち半分は輸入の計画であった。
政府は、計画中止は、石炭省の今後 2~3 年間の石炭輸入削減方針に沿っているとした。6 月の政府デー
タによると、2016 年 5 月の石炭輸入量は 16.38 百万トン(前年度同月比 19%減)。
(石炭開発部 辻
誠)
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