インド:CIL 新価格戦略 ネット競売最低価格 大幅低下

インド:CIL 新価格戦略 ネット競売最低価格 大幅低下
2016 年 6 月 2 日掲載
5 月 23 日付けの地元報道によると、石炭公社(CIL)は、過剰供給の圧力と貯炭増への対応として、石炭
価格を調節し、消費者の需要を満たすために必要な第一歩を踏み出した。
価格戦略の顕著な変化として、CIL 社の完全子会社 WCL 社は、ネット競売での最低競売価格を下げ、
より多くの入札を募る。WCL 社は、ネット競売での最低競売価格を届出価格(石炭供給契約に基づいた石
炭火力発電所への石炭価格)より 20%低く設定する。
WCL 社によると、最低競売価格は、自社発電所・その他発電所に対し、ネット競売と先物ネット競売に
て採用される。4 月には、CIL は、高品位炭価格を最高 40%削減し、また、大口の消費者との石炭供給契
約にある、取り決め供給量の 90%超の部分では、消費者側に割増料金を請求するシステムを廃止した。
CIL は、生産増と貯炭に対応するため、現会計年度中に、ネット競売にて 1 億 2,000 万トンの石炭を提供
する計画を立てた。これにより、自社発電所・その他発電所も、長期の石炭供給契約がなくても、石炭供
給が受けられることになる。
CIL は、市場における過剰供給に対応し、4 月分発送を 4,250 万トン(前年度同月比 150 万トン減)と削減。4
月中の坑口貯炭は 5,300 万トン見込み。CIL 幹部によると、炭鉱での生産増は難しくないが、現在の優先事
項は、早期の貯炭の解消とのこと。これは、幾つかの地区にて、真夏の高温や熱波により、貯炭場の石炭
の自然発火が発生したからである。
(石炭開発部 辻
誠)
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